世界各地で続々営業開始
自動運転バスは、運転手を必要としない未来のモビリティとして重要な役割を果たしており、最近では世界各地で実用化が進んでいる。
先進国では高齢化が進んでおり、特に日本を含む地域では労働人口の減少が大きな問題となっている。モビリティの分野でも、運転手として働く人材が年々減少しており、トラックやバス、タクシーの運転手不足が輸送能力の低下を招いている。このため、各国は自動運転車の実用化に向けた技術開発を急速に進めており、自動運転バスも本格的に運行を始めようとしている。
自動運転バスは、停留所と停留所をつなぐ決まった区間を走行するため、自動運転と相性がよい。特に、決まったルートを比較的低速で走行するバスは、自動運転車の開発にとっても有意義である。
自動運転車の開発はこの10年間で大きく進展しているが、複雑な道路状況において完璧に走行できるシステムはまだ完成していない。また、自動運転にはいくつかのレベルがあり、現在実用レベルに達しているのは「レベル3(特定条件下の自動運転)」までである。このレベルでは、人間のドライバーが従来通り運転しながら、自動運転システムが補助を行う形で、限られた条件下でのみ自動運転が可能となる。
自動運転バスの商業サービスは、米国や欧州、中国などで先行しているが、現時点ではほとんどがレベル3の自動運転システムであり、万が一の際には運転手が乗り込んで車をコントロールできるようになっている。
また、一般的な路線バスのように長距離を走るのではなく、拠点間や空港内などの短距離運行が主流であり、その運行には自動運転のデータ収集が大きな目的となっている。しかし、最近ではレベル4の自動運転が可能な自動運転バスも登場しており、自動運転技術が確実に進歩していることがわかる。
2025年、スイス「レベル4」運行
スイスのアルボン市では、自動運転バス「自立走行型e-ATAK」を導入することが発表されており、2025年から運行を開始する計画だ。
e-ATAKはトルコのメーカー、カルサンが製造した完全電動バスで、これまでに米国や欧州で導入実績がある。このe-ATAKを基に、完全自立走行を実現したのが自立走行型e-ATAKで、これまでに米国、フィンランド、ノルウェー、ルーマニアなどで自動運転プロジェクトを展開し、8万km以上の走行実績を持つ。
スイスでは、アルボン市内の歴史的な地点を結ぶ2.2kmの区間で運行する予定で、30km/hの速度で八つの停留所を結ぶ。また、e-ATAKはトンネル内での走行実績もあるため、欧州での自動運転バスとして非常に魅力的な選択肢だ。
カルサンのe-ATAKは、自動運転バスとしては世界初の「レベル4(特定条件下の完全自動化)」のレベルに達しており、ドライバーの介入がなくても規定区間を完全自動運転で運行できる。レベル4自動運転を実現するために、e-ATAKにはルーフ上に特徴的なモジュールが設置されており、車の周囲を監視するレーダーやカメラ、センサーが備わっている。
また、バスは停留所で停止し、乗客の乗り降りや停留所の案内などを行う必要があるが、これらのサービスもe-ATAKでは自動化が可能だ。このレベルに達することで、本当の意味での自動運転バスとなり、e-ATAKの実績がさらに高まれば、国内への導入も視野に入ってくるだろう。
国内で進む実用化
日本国内ではまだ本格的な自動運転バスの運行が始まっていないが、各地で短い区間での実用化が進んでいる。
日本で初めて自動運転バスが導入されたのは茨城県西部の境町で、2020年にARMAという自動運転バスを町内の往復5kmの区間で運行している。この10人乗りの小型バスは重要な生活路線を支えており、現在も運行を続けている。長期運用に耐える貴重な実績となっている。
また、境町の事例を皮切りに、全国の自治体で自動運転バスの導入が増えてきており、北海道、神奈川県、愛知県をはじめとして10以上の導入例がある。ただし、これらの自動運転バスのほとんどはレベル2(運転支援)またはレベル3自動運転にとどまり、運行には専属ドライバーの搭乗が必要だ。
一方で、国内でもレベル4自動運転バスの運行が開始された。羽田空港に隣接する羽田イノベーションシティ施設内で運行されているこの自動運転バスは、フランス製の「NAVYA ARMA」を導入したもので、800mの短い区間をドライバーなしで自動運転できる。現状では実証実験から一歩踏み出した程度だが、レベル4自動運転が国内で解禁されたのは2023年4月のことであり、早い導入といえる。
この自動運転バスを運行するボードリーは、国内でレベル4自動運転バスの運用やデータ収集を活発に行っており、羽田空港の事例以外にも今後の展開が楽しみだ。
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みんなのコメント
風景が違うけど
そんな事も解らんのか
スイスはCNG・LPG・BEV以外走行不可だよ