2019年の開催を目指し、招致活動を行っていたWRCの日本ラウンド「ラリー・ジャパン」は既報のとおり、2019年の開催カレンダーから落選した。これを受けてWRC日本ラウンド招致準備委員会は「2020年の開催に向けて仕切り直し、招致活動を継続してまいります」と発表。そして、その第一歩となったのが、11月3日~4日に愛知県新城市を舞台に開催された「新城ラリー」だった。
同イベントは全日本ラリー選手権第10戦として開催されると同時にWRCキャンディデートイベントとして開催。それに伴い、FIAでスチュワードチェアマンを務めるティモ・ラウティアイネンやセーフティデレゲートのミッシェル・ムートン、さらにWRCプロモーターのマーネージング・ディレクター、オリバー・シースラやマーク・デ・ヨンらが同イベントを視察していた。
WRC日本ラウンド、2019年の復活ならず……その背景には一体何があったのか?
WRCの視察団は2日、サービスパークとなる新城総合公園で行われたオフィシャルのレスキュー訓練を視察したほか、同日の夕方には新城文化会館で行われたセレモニアルスタートに参加。シースラやムートンらもスタートフラッグを担当した。
翌3日の午前中は愛知県豊田市に移動して、ラリー・ジャパンのメインサービスとして有力視されているモリコロパークを視察、同会場で行われていたTOYOTA GAZOO RACONラリーチャレンジ第10戦「豊田モリコロ」でサイグリングコースを使用したギャラリーステージをチェックしたという。
さらに同日午後には再び新城市へと戻り、デイ2が行われる3日までスペシャルステージを含めて再び新城ラリーを訪問。熱心に視察を行っていたが、WRC視察団は一連のプログラムをどうように評価していたのか?
オフィシャルの話によれば、レスキュー訓練に対して「ルーフを切るのが他のイベントと比べても遅い」と指摘されたほか、新城ラリーのステージに関しても「レスキュー用のヘリコプターが降下できる場所がない」との厳しい指摘があったようで、克服すべき課題があったことは事実である。しかし、WRC視察団は事前に新城エリア以外、具体的にはラリー・ジャパンの候補予定地とされている豊田エリアや岐阜エリアのスペシャルステージを見学していたと思われ、その結果「安全面においては問題はない」と一定の評価は受けていたようだ。
とはいえ、ラリー・ジャパンが2019年のWRCカレンダーから外れた要因は「FIAおよびエントラントが参戦コストの増加を理由に15戦への増加は認めなかった」こと。ラリー・ジャパンがWRCへ昇格するためには、厳しい競争に勝ち抜く必要がある。
加えて全日本ラリー選手権として開催された新城ラリーは安全上の理由により、メディアやギャラリーのスペシャルステージへの立ち入りを制限していたが、WRCとして開催するためには、帯広市および札幌市など北海道を舞台にした旧制ラリー・ジャパンと同様にオープンなエリアを設定することも今後の課題となるだろう。
WRC日本ラウンド招致準備委員会は「WRCとしての開催はできなかったが、プレイベントとして2019年はインターナショナルラリーを開催したい」と語っているが、その言葉どおり、2019年は全日本ラリー選手権の新城ラリーではなく、本番エリアでのリハーサルを兼ねて、国際イベントの開催が必要となるに違いない。世界でのメディアカバレッジを考えると、そのプレイベントの際には全日本ラリー選手権のエントラントだけではなく、ヤリスWRCなどワークスマシンの出走も欲しいところだ。
今回の新城ラリーでは3日~4日にかけて、ユホ・ハンニネンによるヤリスWRCのデモ走行が行われたほか、4日は愛知県の大村秀章知事の同乗走行を実施。大村知事も「2020年にWRCが開催できるように取り組んで行きたい」とインタビューに答えるなど、自治体もサポートしている。
2020年にラリー・ジャパンは開催されることになるのか? 今後の動向に注目したい。
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