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最新SUVクーペを徹底比較。ポルシェ カイエン ターボ クーペ vs BMW X6 M コンペティション

掲載 更新
最新SUVクーペを徹底比較。ポルシェ カイエン ターボ クーペ vs BMW X6 M コンペティション

Porsche Cayenne Turbo Coupe × BMW X6 M Competition

ポルシェ カイエン ターボ クーペ × BMW X6 M コンペティション

最新SUVクーペを徹底比較。ポルシェ カイエン ターボ クーペ vs BMW X6 M コンペティション

最速のトレンドセッター2台を試乗に駆り出す

SUVにスポーティなクーペのスタイリングを与えたモデルに注目が集まっている。洗練されたスタイリングに超高性能エンジンを積んだハイパワーSUVクーペだ。SUVに食傷気味な都市生活者にとってまたとない選択肢になるだろう。今回はSUVクーペのトップに君臨する2台を、モータージャーナリストの渡辺敏史が徹底的に比較した。

「キャラクターが異なる2台だが、両車とも真のスーパーSUVクーペだ」

ファストバッククーペのスポーティなフォルムを反映したSUV。その新たなる道を切り拓いたBMW X6が登場したのは2008年だ。個人的にはなんだか据わりの悪いコンセプトだなぁと思っていたが、貪欲なニーズはそれを放っておかなかった。今やそんな趣旨のSUVは完全に市場に受け入れられている。ガチのライバルであるメルセデスのみならず、アウディ Q8やランボルギーニ ウルスもそれにあたるだろう。

そんなSUVクーペカテゴリーに新たに投入されたのが、ポルシェのカイエン クーペだ。その名が示す通り、ベースはカイエンということでフロントセクションを共有しながら、Aピラーの角度を微妙に変更しつつリヤに向けて独自のシルエットを構築している。初めて写真で見た時にはマカンとの識別に苦労しそうだなと思ったが、現物は確かにカイエンともマカンとも違う雰囲気を醸していて、斜め後方の佇まいなどは911を連想させる。

「一時のスーパーカーも脅かすほどの瞬発力を実現したX6 M」

そしてこのカイエン クーペと同時期に日本に導入されたのが、SUVクーペのパイオニアたるX6の最強グレード、X6 M コンペティションだ。既に日本導入されているX6 M50iはMパフォーマンスに該当するグレードだが、それとは一線を画した真正M銘柄となるこのモデルは、625ps/750Nmを発揮する4.4リッターのV8ツインターボを搭載。これはM銘柄の頂点にいるM8 コンペティションとまったく同じ値だ。0-100km/h加速は3.8秒と一時のスーパーカーも脅かすほどの瞬発力を、2.3トン余の車重で実現している。

「X6 Mより1割ほど少ない4.0リッターV8ツインターボは同等の動力性能を有す」

対すれば今回の取材に供したカイエン クーペはターボモデルで、X6 Mより1割ほど少ない4.0リッターV8ツインターボで550ps/770Nmを発揮。トルクで勝りパワーで劣る恰好だが、2.2トン台と軽い車重やPDKのソリッドな伝達力もあってか、0-100km/h加速は3.9秒とほぼ同等の動力性能を有している。

SUVクーペとしては間違いなくトップクラスのパフォーマンスを持つこの2モデルの違いはどういうところにみてとれるのか。一般道から高速道路を経てワインディングへと向かう行程で確かめてみた。

「X6 Mの予想外の器用さに驚かされた」

まず平時の乗り心地からして、両車は大きくキャラクターを違えている。X6 Mは多少上屋の動きを許しつつフワッとした路面アタリの優しさを引き出した高級サルーン的な方向性なのに対して、カイエンクーペは時折り鋭い突き上げがあっても上屋の動きをスッと素早く収束させるスポーツセダン的な動きをみせる。

ライド感は良否ではなく好みの問題だが、個人的には見た目やブランドイメージからの期待通りだったカイエンクーペに対して、X6 Mの予想外の器用さに驚かされた。ともあれ、共に315幅の22インチという呆れるほどのタイヤを後ろに履いていながら、荷重の軽い状態でもバネ下をしなやかに追従させているあたりは立派なものだと思う。

「山道で際立つのは、X6 Mの圧倒的なパワーだ」

高速巡航では両車のそんなライドフィールの差は一気に縮まる。X6 Mも上屋の動きは収まりフラットさを高めていくが、大きなうねりや目地段差などを超えてのリバウンドにはちょっとお釣りが残る印象だ。これはM云々というよりも、BMWのモデルに共通したサスの伸び側のセッティングの方向性のように伺える。対するカイエン クーペの方は余計な動きを一切抑えてカチッと転がる、それが故に若干ロードノイズなどが立つ場面もあるが、そのすっきりとした精度感にポルシェらしさを感じる向きもいることだろう。

山道で際立つのは、X6 Mの圧倒的なパワーだ。登坂も降坂も一緒くたにしてしまうような豪放な加速は、カイエン クーペのターボユニットの火力をも体感的に退ける。もっとも、カイエン クーペにはこの550psユニットに電動モーターを組み合わせて680ps/900Nmのシステム出力を発するPHVのターボS Eハイブリッドもラインナップされるが、そんな周到さも吹き飛ばす圧がX6 Mに宿っているのも確かだ。

「曲がりに関してはベストパフォーマンスを発揮するカイエン クーペ」

ワインディングの動きは、共にその物量をまったく感じさせない。X6 Mはドライブモードに応じた巧みな四輪駆動制御を武器に、カイエンクーペはさらにオプションでアクティブアンチロールや4WSなどの飛び道具も組み込まれる。

カイエン クーペの試乗車はまさにその仕様なだけでなく、そこにガラスルーフのカーボン置換に加えて各部のカーボンフィニッシュ等を加えたライトウエイトパッケージをオプションで装着していたこともあり、曲がりに関してはベストパフォーマンスを発揮する状態に組み上がっていた。その走りは至極精緻でおよそ曖昧な要素がなく、アクセル操作でも車体を自在にアペックスへと導ける、ナリを思えば唖然とするほどの自在性を備えていた。

「ポルシェがスポーツカーブランドとしての拘りを貫いたという印象」

対するX6Mは、運動性能に同質のものがあれど車体との一体感という点では重さや大きさが心理的に影響するところもあって、カイエン クーペに譲るところもなくはない。いずれにせよ、抱えている物量をしっかり考えながら運転する必要はあるが、ドライバビリティについてはポルシェがスポーツカーブランドとしての拘りを貫いたという印象がある。

究極の性能を有したこの2台に乗って改めて思うのは、SUVクーペというカテゴリーが、現在においての理想的GTと同義なのだろうということだ。何も我慢することがないどころか、趣味性の一片さえ託すことが出来る。なんともムシのいい選択肢が定番化したものだと思う。

REPORT/渡辺敏史(Toshifumi WATANABE)
PHOTO/市 健治(Kenji ICHI)

【SPECIFICATIONS】

BMW X6 M コンペティション

ボディサイズ:全長4955 全幅2020 全高1695mm
ホイールベース:2970mm
車両重量:2370kg
エンジンタイプ:V型8気筒DOHCツインターボ
総排気量:4394cc
最高出力:460kW(625ps)/6000rpm
最大トルク:750Nm(76.5kgm)/1800-5860rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD
サスペンション:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール:前295/35ZR21 後315/30ZR22
燃料消費率:7.4km/L
車両本体価格:1899万円

ポルシェ カイエン ターボ クーペ

ボディサイズ:全長4939 全幅1989 全高1653mm
ホイールベース:2895mm
車両重量:2275kg
エンジンタイプ:V型8気筒DOHCツインターボ
総排気量:3996cc
最高出力:404W(550ps)/5750-6000rpm
最大トルク:770Nm(78.5kgm)/1960-4500rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD
サスペンション:前後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール:前285/40R21 後315/35R21
燃料消費率:11.4-11.3リッター/100km
車両本体価格:2063万円

【問い合わせ】
BMWカスタマー・インタラクション・センター
TEL 0120-269-437

ポルシェ カスタマーケアセンター
TEL 0120-846-911

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