新型メルセデスベンツAクラスが2018年10月18日に発表された(6年ぶりのフルモデルチェンジ)。
このAクラスが属するカテゴリーといえば、VWゴルフ、ルノーメガーヌ、トヨタカローラスポーツ、ホンダシビック、そしてマツダアクセラと、各メーカーが(特に欧州市場で)中心的販売車種を送り込み、しのぎを削る超激戦区。
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そこで、今回のAクラスはクルマと対話するAI機能を持つMBUXを初搭載し、安全装備もSクラスと同等のものを搭載されるなどして、自信満々で乗り込んできた。
さて、その新型Aクラス、どんな魅力を備えているのか? 国産車と比べてどうなのか? 新型Aクラスに迫ってみよう!
文/ベストカー編集部
写真/ベストカー編集部、ダイムラーAG
初出/ベストカー2018年11月26日号
■Aクラスのどこが凄いのか? 買う価値はある?
すでに欧州で新型に切り替わっていたベンツAクラスが2018年10月18日、日本で発表された。
価格はA 180が322万円、A 180 Styleが362万円。さらに新型Aクラス発表を記念した特別仕様車、A 180 Edition1が500台限定、479万円でラインアップ。
スタイリングは見てのとおり、基本的には「うん、Aクラスだね」というキープコンセプトなのだが、顔つきがシャープになった印象だ。ボディサイズは全長4419×全幅1796×全高1423mmで旧型に対し、ひと回り大きくなった。ホイールベースは30mm長い2729mmとなっている。
ガチンコのライバルはVWゴルフだろう。ゴルフのサイズは全長4265×全幅1800×全高1480mmとAクラスのほうが全長が154mm長く、全幅が4mm小さく、全高が57mm低い。
■国産ライバル車はカローラスポーツとアクセラスポーツ
国産車の同クラスのライバルとしては、アクセラスポーツ(新型は11月28日にLAショーで発表される)と、カローラスポーツになるだろう。カローラスポーツは全長4375×全幅1790×全高1490mm、アクセラスポーツは全長4470×全幅1795×全高1470mmだから、Aクラスはほぼこのクラスにハマるサイズということになる。
価格的にはゴルフが1.2L、直4ターボのトレンドラインが253万9000円、コンフォートラインが279万9000円。1.4L、直4ターボのハイラインが331万9000円だから、A180の最も安い322万円とハイラインが競合車となる。
いっぽう、カローラスポーツは1.2L、直4ターボが210万6000~238万6800円。ハイブリッドが241万9200~268万9200円。アクセラスポーツは1.5L、直4のガソリン車が182万5200~239万7600円、1.5L、直4ディーゼル車が233万8200~268万9200円、2.2L、直4ディーゼル車が279万1800~308万8800円。ボディサイズは似たような感じだが、価格的にはやや安価なカテゴリーで、直接競合とはいかなそう。
とはいえカローラスポーツも「コネクティッド」と安全装備がウリ。以下に紹介する新型Aクラスと、そうした付加価値で競合することになりそう。
■先代Aクラスよりも大幅に広がった居住空間!
注目すべきは居住空間。先代モデルでは少し背の高いBクラスの存在を考慮して、思い切り背の低いスポーティなスタイルだったが、今回のAクラスはゴルフに近い、普通のハッチバックスタイルとしてきた。それでもゴルフよりも全高を57mm低くしたのは意地か。
ヘッドクリアランス、レッグルームともにヘッドルームが前席7mm、後席8mm、ショルダールームが前席9mm、後席22mm、肘部分の空間が前席35mm、後席36mmそれぞれ拡大するなど、ゆとりある室内空間に進化。また、ラゲッジスペースについても先代モデルから29L増の370Lに拡大されるとともに、トランク開口部が200mm、トランク長が115mm、トランク幅が225mm広がることで利便性が高まっている。
まず日本仕様として導入されたのは「A180」。さらにダウンサイズされた1332cc直4ターボは136ps/20.4kgmで1.6L、直4ターボだった旧型に対し、最大トルクは変わらぬまま最高出力を14ps引き上げている。組み合わされるトランスミッションは7速DCTだ。
■「ハイ! メルセデス」と言えばクルマと話せる
室内は液晶パネルがワイドに広がるインパネが印象的。「レーダーセーフティパッケージ」装着モデルでは、最上級のSクラスとほぼ同等の充実した安全装備を搭載する。
さらに注目の「MBUX」が採用されているのだが、これはAI機能によりクルマと対話する機能。音声認識により目的地設定やエアコン設定などはもちろんのこと、学習機能によりクルマ側がドライバーのライフパターンに応じたさまざまな提案などをしてくれるという機能。
発表会場ではデモンストレーションが行われた。男性が「ハイ、メルセデス」と声をかけると、MBUXがピコという音がして、「どうぞ、お話しください」と答えた。男性が「ちょっと暑いんだけど」と話しかけると、MBUXが「21℃にします」と答えた。大げさだが、まるでロボットと話しているようだ。
そのほか、流してほしい曲をリクエストすると、その曲を流したり、MBUXに「今日の調子はどう?」と話しかけると、MBUXは「悪くないです」と答えていたが、「まあまあです」、「最高です」と答える時もあるという。MBUXが喋る日本語は、若干たどたどしさが残るものの、なかなかのものだった。
さて、このAクラスから始まった「クルマとの対話機能」。BMW3シリーズにも採用が決まっており、新型ゴルフにも搭載されるのは間違いない。
現時点でこの機能は国産車には未導入。はたして一番乗りはトヨタか? マツダか? ホンダか? そもそも必要なのか? まずはこの新型Aクラスでじっくり試して、そのもようを近いうちにお伝えいたします。
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