BMWの最先端技術を満載
text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
【画像】新型BMW iX【eトロン、EQC、モデルXと写真で比較】 全171枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
BMWの新型電動SUV、iXが発表された。欧州では来年後半に発売される予定で、同社の「テクノロジー・フラッグシップ」としての役割を担っている。
5人乗りで、4輪すべてを駆動する2基の電気モーターから最大507psを発揮する。BMWの研究開発責任者であるフランク・ウェーバーによると、0-100km/h加速は5秒以下、航続距離は600km以上になるという。
iXはBMWにとって、7年前のi3に続く2番目の完全EVとなる。ウェーバーによれば、iXの車名は電動シリーズ「i」のトップに君臨することと、テクノロジーをアピールするために選ばれたという。
iXは、アウディeトロンやメルセデス・ベンツEQC、テスラ・モデルXやニオES8などのライバルEVとなる。
ウェーバーによると、外見上はX5とほぼ同じサイズだが、車内はカーボンを多用したプラットフォームのおかげで、「X7に匹敵する居住性と積載スペースを実現している」という。
iXは、社内コードネーム「i20」として開発された。EV、ガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車を同じプラットフォームで作るという以前の計画から脱却を図っている。
内部の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)構造を支える新しいアルミニウム製スペースフレームと、アルミニウム、複合プラスチック、CFRPを組み合わせたボディを採用。
ウェーバーは、このプラットフォームを「全くの新開発」と表現しているが、3シリーズやX5などに採用されているCLARとの「高い互換性」があるとしており、将来的に他のEVにも採用されることを示唆している。
シャシーの主要構造を共有することで、BMWはドイツのディンゴルフィン工場で5、6、7、8シリーズと並んでiXを生産できるようになる。
SUVながら高い空力特性を実現
スタイリングとしては、2018年に発表されたiネクスト・コンセプトの物議を醸したデザインを踏襲している。大きなクローズド・グリル、シンプルなサイドボディ、フレームレスドアなどを採用。
フロント・ラジエーターを必要としないため、大きなグリルには、運転支援システムに必要なカメラ、レーダー、センサーが収納されている。
また、BMWの最新モデルで初めて、固定式のクラムシェル・スタイルのボンネットを採用する。デザイン責任者であるドマゴジ・デュケツは、「従来のエンジンやフランク(フロント・トランク)がなければ、お客様がボンネットを開ける必要はありません」と述べている。
フロントガラスのウォッシャータンクには、グリル上部のBMWエンブレムからアクセスすることができる。
BMWの伝統的なコロナ・リング・ライトは、スリムなヘッドランプ上部にある4つのLEDに置き換えられた。フルLEDライトが標準装備されているが、オプションでレーザー・ライトを指定することも可能だ。
フロントバンパー内の最小限のエアダクト、フラットなアンダーボディパネル、一体化されたドアハンドル、傾斜したフロントガラスなどの採用により、Cd値0.25を実現した。
ホイールハウスのサイズはX7と同様で、最大22インチの空力特性に最適化されたホイールと275/40のタイヤが装着される。
200kWの急速充電に対応
最上位モデルの4輪駆動ツイン・モーター仕様以外に計画されているバリエーションの詳細は、まだ明らかになっていない。
ピーク回転数までフルパワーを維持するという2基の電気モーターの出力も今のところ不明だが、ウェーバーは、リアモーターの方がパワフルなものになるだろうと述べている。4輪駆動ではあるが、後輪駆動のような走りも可能になると予想される。
最高速度は時速200km以上。複数のバッテリーが用意され、最上位モデルには「100kWh以上」のユニットが装着される。平均消費電力は100kmあたり21.0kWhとされ、iX3の航続距離は460kmであるのに対し、このモデルは600km以上となる。
アルミニウムとカーボンを多用しているにもかかわらず、大型バッテリーを搭載しているため、重量は「2.5トンもある」とウェーバーは明かしている。
新しい充電システムにより、最大200kWのDC急速充電に対応。40分以内にバッテリーを10%から80%まで充電できる。標準の充電器は11kWで、10%から80%まで11時間で充電可能だ。
シャシーはダブル・ウィッシュボーン(フロント)とマルチリンク(リア)のサスペンションを採用したアルミニウム製のもので、後輪ステアリングを実現している。
また、コネクティビティと包括的なセンサー類を用意している。
ウェーバーは「現在の最新モデルよりもデータ処理の演算能力が高い」と述べ、5Gの通信機能とレベル3の自動運転技術に貢献している。
スイッチ類の配置に工夫
フラットなフロアと自然素材を使用した広々としたインテリアも特徴。シートには新開発のマイクロファイバー・ファブリックを使用するなど、再生プラスチックを採用している。
六角形のマルチファンクション・ステアリングホイールを装備。メーター類とインフォテインメントシステムは、湾曲したデジタルディスプレイに一体化された。
センター・コンソールは取り外され、iドライブのダイヤルセレクターなどは、ハイマウントされたアームレストの前方部分に配置されている。その他のコントロール類は、ドアトリムの上部にレイアウトされた。
「スイッチレスではありませんが、その数は現行モデルよりも少ないです。やはり触覚的な体験は必要です」とデュケツは語った。
3列目シートはない。BMWは、X5で3列目シートが選ばれる割合が3%未満であることが理由だとしている。トランク容量はX5の650Lと同程度になる。
価格は明らかにされていないが、ハイテク・フラッグシップとして、同サイズのライバルよりもプレミアム感があると期待されている。
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みんなのコメント
BMW好きだったのにショック。
m3もm4もアメリカの番組だとバンパーでグリルの面積減らすデザイン画が出されてたからそのうちフロントバンパーとグリル交換されそう