現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ボルボ設立90周年 傑作車、何台存在するのか?(後編)

ここから本文です

ボルボ設立90周年 傑作車、何台存在するのか?(後編)

掲載 更新
ボルボ設立90周年 傑作車、何台存在するのか?(後編)

ボルボ740 & 760 (1982)


ボルボの当時のデザイナーであるヤン・ヴィルスガールドは、手始めに50のデザインを起こし、20に絞った上で、そこから8台のクレイモデルを造った。さらに候補は2台に絞られ、実寸大のモックアップへ昇格した。これだけの労力を費やしたにも関わらず、シャープなエッジと直線基調がたたり、その評価は世界的に芳しくなかった。しかし、安全性は高かった。

ボルボ、小型SUV「XC20」を計画中 アウディQ2をライバル視

ボルボ780 (1985)


700シリーズのセダンとワゴンはボクシーといわれるが、アメリカ市場とイタリア市場向けに設定された780クーペは、バランスのとれたスタイリングだった。この2ドアクーペは、ベルトーネがデザインを担当し、エンジンはガソリンもディーゼルも6気筒を搭載した。1985年から1990年の間に、わずか8518台が造られたのみだ。

ボルボ480ES (1987)


1800ESの穴を埋める為に導入された480ESは、ポップアップ・ヘッドライトとクリーンなスタイルを持つ、シューティングブレークである。1.7ℓか2.0ℓのルノー製エンジンを選択でき、前者にはターボ付きも用意された。コンバーチブルも開発され公表されたが、生産には至らなかった。しかし、440/460の派生車種となるハッチバックとサルーンは生産に移され、忘れられない存在となった。

ボルボ850 (1992)


一見、850は740の大がかりなフェイスリフト版に思えなくもないが、実際には全面的に刷新されている。ボルボは大型モデルのFF化を図り、リアにはマルチリンク・サスペンションを導入した。その成果は、安全かつラグジュアリーであり、走りも楽しめるクルマに仕上がっていた。中でも253psのT-5Rは、シリアスなパフォーマンスカーだ。

ボルボECC (1992)


外観は1998年に発売された初代S80に酷似する、コンセプトカーのECC。その目的は、品質や安全/快適性、パフォーマンスを追求しつつ、同時に環境にもできるだけ配慮したクルマの創造である。ターボとハイブリッドシステムをあわせ持つパワートレインは、優秀なパフォーマンスと経済性を兼ね備える。

ボルボC70クーペ (1997)


2006年に発売された2世代目のC70はクーペとカブリオレを両立するモデルであるが、初代モデルではクーペかカブリオレを選択する必要があった。スタイリッシュで、T5グレードは速さも満足できたが、カブリオレは屋根を開けると絵になる代わりに、車体剛性に懸念があった。

ボルボS80 (1998)


1990年に700シリーズを受け継いだ940と960は、1996年にS70とV70として再導入された。
1998年に導入されたS80は、セダンのS70の後継である。一方で、V70エステートは2000年まで販売が継続された。エンジンは5気筒か6気筒かの選択が可能だった。

ボルボは1999年、乗用車部門がフォードに買収され、トラック部門はボルボ・コーポレーションとして独立した法人となる。以降、ボルボの乗用モデルにはフォードのプラットフォームが順次適用され、2006年導入のEUCDプラットフォームは、2007年のXC70/V70とS80、2008年のXC60、2010年のS60/V60に採用されている。

ボルボV70 (2000)


現在までに3世代のV70が存在するが、それらは基本的なキャラクターが共通する。安全で、大きく、素晴らしく快適であることだ。ヨーロッパ全域で多くのV70が警察車輛として採用されているが、そのことは、仕様によってはスピードもそのキャラクターに含まれることを暗示する。

アメリカでは、かつて頑強な通学の足だったステーション・ワゴンが、SUVの台頭によって苦戦を強いられることになる。2010年、ボルボはアメリカでのV70の販売を停止し、車高を引き上げた派生車種のXC70のみを投入することとした。

ボルボXC90 (2002)


ボルボが初めてSUVの開発に踏み切った時、多くの人は、それが良い結果に繋がるとは思わなかった。2002年にXC90が発表されると、瞬時に納車待ちリストが埋まった。その後、過剰な需要は収まるが、この7人乗りSUVの初代は2014年まで生産が続けられた。中国では、今なお生産されている。

ボルボC30 (2006)


安全性と実用性を第一に考えるメーカーの商品としては、C30は興味深いクルマである。モダンなフォーカスをベースに、クリーンな外観とドライブを楽しめるキャラクターを持ち合わせていた。しかし、狭いトランクスペースと2人しか掛けられないリアシートは、実用性に欠いた。

ボルボV60 (2010)


車内空間よりもスタイルを優先する購入者向けに開発された、スポーティなワゴンのV60は、2010年の発売時にボルボのラインアップへ新風を吹き込んだ。2012年に発売されたディーゼルハイブリッド仕様は、その販売価格に反して瞬時に完売し、ボルボに増産を決意させた。

ボルボV40 (2012)


1995年に導入された初代V40は忘れがたいクルマだ。三菱と共同開発され、兄弟車のカリスマはセダンとハッチバックだったが、ボルボではセダンのS40とワゴンのV40をラインナップした。しかし、このクルマは驚くほど冴えなかった。

フォード・フォーカスのコンポーネンツをベースとした2代目は、ボルボの持つ伝統的な長所が反映されたよい出来栄えだ。しかも、それは小さく、手頃なパッケージを提供する。

ボルボ・コンセプト・クーペ (2013)


生産に移行しなかったことが残念でならない。このモデルは、C70の後継としてこの上ない資質を備えていた。しかし、世界的にクーペの需要が停滞しており、下された決断は驚くに値しないのかもしれない。このコンセプトカーは、405psを発生するガソリンハイブリッドを搭載し、四輪を駆動する。

ボルボ・コンセプトXCクーペ (2014)


2014年1月、デトロイト・オートショーでその姿が公開されたこのモデルは、ボルボの将来のデザイン・トレンドを示唆するもであった。即座に、ボルボは2世代目のXC90にこのコンセプトカーの幾つかのテーマを取り入れたが、このショーカーそのものの量産化を強く望みたい。

ボルボXC90 (2014)


2009年、中国の吉利汽車は、フォードからボルボを買収。ボルボはSPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)と呼ばれる、柔軟性に富んだ新しいプラットフォームを開発するプログラムへの、巨額の投資を得る。2世代目のXC90で初めて採用されたSPAは、この大型のSUVに快適性と安定性を与えた。このクルマで、インテリアの品質向上とテクノロジーの刷新も行われ、はじめて名実ともにプレミアムカーと呼ぶに相応しい車格を得た。

ボルボXC60 (2017)


初代XC60は、XC90の成功を受けて開発された。同様の長所を受け継ぎつつ、5人乗りの手頃なパッケージで登場した。間もなく販売が始まる新型XC60では、ボルボの最新パワートレインが展開される。最上位車種のT8は、ターボとスーパーチャージャーを共に備える2.0ℓガソリンエンジンに加えて、電気モーターも搭載する。

ボルボXC40


ボルボはXC40で、プレミアム・コンパクトSUV市場に初参入する。ボルボのブランドバリューに裏打ちされた、安全性を前面に打ち出すこのモデルは、ボルボ史上に残るベストセラーになるかもしれない。

【キャンペーン】マイカー・車検月の登録でガソリン・軽油7円/L引きクーポンが全員貰える!

こんな記事も読まれています

これは踏んでいいのか…? 道路でどんどん増える「ナゾの車線」4選 白や黄色だけじゃない!
これは踏んでいいのか…? 道路でどんどん増える「ナゾの車線」4選 白や黄色だけじゃない!
乗りものニュース
超カッコイイ! 斬新「“サテライト”スイッチ」って何!? どう使う!? もはや懐かしい“SF装備”なぜ流行ったのか
超カッコイイ! 斬新「“サテライト”スイッチ」って何!? どう使う!? もはや懐かしい“SF装備”なぜ流行ったのか
くるまのニュース
RBメキーズ代表、リカルドの復活を確信。改善傾向のパフォーマンス挙げ「具体的な進歩が見られたことは自信にも繋がるだろう」
RBメキーズ代表、リカルドの復活を確信。改善傾向のパフォーマンス挙げ「具体的な進歩が見られたことは自信にも繋がるだろう」
motorsport.com 日本版
走行距離の短さを重視する人が減少傾向! 若者ほど気にせず欲しい車を選ぶ!?【中古車購入実態調査】
走行距離の短さを重視する人が減少傾向! 若者ほど気にせず欲しい車を選ぶ!?【中古車購入実態調査】
カーセンサー
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
くるくら
ホンダの元祖「ジャイロX」は北の大地が鍛えたヘビーデューティなヤツだった
ホンダの元祖「ジャイロX」は北の大地が鍛えたヘビーデューティなヤツだった
バイクのニュース
優勝争いで再び激突したふたりの王者。勝負に備えたバニャイアとタイヤが限界を迎えたM.マルケス/第4戦スペインGP
優勝争いで再び激突したふたりの王者。勝負に備えたバニャイアとタイヤが限界を迎えたM.マルケス/第4戦スペインGP
AUTOSPORT web
九州のGW渋滞、連休後半は5月3日に最大30km、Uターンラッシュは5月5日か!?【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
九州のGW渋滞、連休後半は5月3日に最大30km、Uターンラッシュは5月5日か!?【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
くるくら
[カーオーディオ・素朴な疑問]ツイーターはどこに付けると音が良い?
[カーオーディオ・素朴な疑問]ツイーターはどこに付けると音が良い?
レスポンス
ジャック・ドゥーハン、今季スーパーフォーミュラ参戦の議論もあったと明かす「でもアルピーヌは僕にF1テストをして欲しかった」
ジャック・ドゥーハン、今季スーパーフォーミュラ参戦の議論もあったと明かす「でもアルピーヌは僕にF1テストをして欲しかった」
motorsport.com 日本版
GW渋滞、東名高速は連休後半の5月2~3日に最大45kmの予測! Uターンラッシュは5日か!?【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
GW渋滞、東名高速は連休後半の5月2~3日に最大45kmの予測! Uターンラッシュは5日か!?【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
くるくら
実は観客10万人以上少なかった!? MotoGP、スペインGPの総動員数“30万人”は誤りと認める「盛り上げようとするあまり……」
実は観客10万人以上少なかった!? MotoGP、スペインGPの総動員数“30万人”は誤りと認める「盛り上げようとするあまり……」
motorsport.com 日本版
トヨタ「スープラ“86”」!? 300馬力超えエンジン+MTの「FRスポーツカー」!  「GRMN SPORTS FR C PLATINUM」とは何だったのか
トヨタ「スープラ“86”」!? 300馬力超えエンジン+MTの「FRスポーツカー」! 「GRMN SPORTS FR C PLATINUM」とは何だったのか
くるまのニュース
ロールス・ロイスの成功の陰にあったサクセス物語。機械の心を読める天才テストドライバー「アーネスト・ハイブス」とは?
ロールス・ロイスの成功の陰にあったサクセス物語。機械の心を読める天才テストドライバー「アーネスト・ハイブス」とは?
Auto Messe Web
フォーミュラE第8戦 ジャガーのミッチ・エバンスがモナコE-Prix制覇!
フォーミュラE第8戦 ジャガーのミッチ・エバンスがモナコE-Prix制覇!
Webモーターマガジン
WRC、”F1スタイル”のチームラジオ放送を目指す? 魅力を引き出すツールになるか
WRC、”F1スタイル”のチームラジオ放送を目指す? 魅力を引き出すツールになるか
motorsport.com 日本版
AC コブラGTロードスター…過去と現代が織りなすデザイン
AC コブラGTロードスター…過去と現代が織りなすデザイン
レスポンス
Jujuに新たなスポンサー。建設会社の安藤ハザマと契約締結……スーパーフォーミュラ第2戦でロゴ掲示へ
Jujuに新たなスポンサー。建設会社の安藤ハザマと契約締結……スーパーフォーミュラ第2戦でロゴ掲示へ
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村