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カップ初開催WWTR戦は、カイル・ブッシュを撃破したジョーイ・ロガーノが今季2勝目/NASCAR第15戦

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カップ初開催WWTR戦は、カイル・ブッシュを撃破したジョーイ・ロガーノが今季2勝目/NASCAR第15戦

 アメリカ・イリノイ州マディソン郡に位置するワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイ(WWTR)で初開催されたNASCARカップシリーズ第15戦『Enjoy Illinois 300』は、カイル・ブッシュ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)との激しい延長戦勝負を制したジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が今季2勝目をマーク。

 一方で、文字どおり“大暴れ”を演じたロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)は、前戦勝者デニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)やチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)らに絡んでチャンスを奪い、レース後に「今日の僕は、ひどいドライブだった」とライバル勢に対しお詫びの言葉を残した。

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 2008年にはエクスフィニティやキャンピング・ワールド・トラックシリーズの開催ホスト実績を持つセントルイス大都市圏のWWTRだが、事前に再舗装が施された今回がカップシリーズ初見参となり、金曜プラクティスではチーム・ペンスキーがトップ3を独占。上位15台中7台がマスタングとなり、フォード・パフォーマンス勢が好調さを披露した。

 続く予選では、その勢いを借りたチェイス・ブリスコ(スチュワート-ハース・レーシング/フォード・マスタング)がオースティン・シンドリック(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)を従え自身キャリア初のカップ戦ポールポジションを獲得。得意のフェニックスに似たコース特性で「同じ結果が得られたら良いね」と、決勝に向けて期待を込めた。

「面白いね。最初のセッションではアンダーがひどく最悪だったが、次のセッションではオーバーに転じた。予選アタックラップはターン3進入でひどくルーズになり、ターン1、2で築いたマージンがすべて消えたと感じていたんだ」とブリスコ。

「でも彼らは初開催地に良いレースカーを持ってくるという本当に良い仕事をした。僕らは明らかにフェニックスが得意で、ここはそれにかなり近いパッケージを持っているから、良い結果を手にする最良の出発点にいる。明日を楽しみにしているよ」

 インフィールドにはロードコースや“ドラッグストリップ”も備えるWWTRで始まった決勝は、意気込みを語っていた最前列のブリスコに早い段階で悲運が襲い、14号車マスタングの左リヤが“フラット”となり万事休す。ラップリーダーを引き継いだシンドリックがステージ1勝利を獲得する。

 続くステージ2では“今季2勝組”のひとりであるチャスティンが悪い意味での主役を演じ、64周目のターン1でハムリンのカムリをプッシング。バランスを崩した11号車はウォールにヒットしてリムにダメージを負い、ペースダウンを強いられたハムリンはラップダウンの際にエプロン間際を走行し、チャスティンの進路をブロックして抗議の意思を示す。

 さらに101周目のリスタートでは車列中段にいたチャスティンがアウト側のエリオットにヒットし、HMSの9号車“フーターズ”カマロはたまらずスピンオフ。再びのリスタートで、2020年王者はチャスティンの1号車に軽くコンタクトし、チャスティンは立て続けに“厳重注意”のシグナルを送られてしまう。

■反省の弁を述べるチャスティンに対し、憤りを隠せないハムリン
 このステージ2ではダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)もリッキー・ステンハウスJr.(JTGドアティ・レーシング/シボレー・カマロ)にヒットされる場面がありつつ、最終的にカート・ブッシュ(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)、マーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)、そして勝者の弟カイルと3台のカムリがトップ3を固めてステージ制覇を決めていく。

 そして迎えたファイナルバトル。240周レースの236周目に、ケビン・ハーヴィック(スチュワート-ハース・レーシング/フォード・マスタング)がブレーキローターの故障によりターン3の壁に衝突すると、最後の攻防を続けていたカイル・ブッシュがアウト側に、そのボトムラインにロガーノが並び、背後には序盤で左リヤのパンクにも見舞われていたライアン・ブレイニー(スチュワート-ハース・レーシング/フォード・マスタング)が続いて最後のリスタートとなる。

 ラインを交錯させながらリードを維持したロガーノは、ホワイトフラッグ突入でわずかにマージンを築くことに成功し、そのまま0.655秒差でチェッカー。今季2勝目、キャリア通算29勝目を獲得するとともに、昨季のブリストルに続く初開催イベントでの勝利を手にした。

「今日はチケット売り切れの満員御礼だそうだ、みんな来てくれてありがとう! 全員がレースを楽しんだことを願っているよ。カイルとのレースは最高のひとつで、前後を入れ替え、ラインを交錯させてのバトルは本当に楽しかった。クルーも最後のストップでツータイヤをコールする完璧な仕事を見せた。ファイナルラップでは、結果的にブレイニーが(偶然)後ろからプッシュしてくれて、ターン1で決定的なリードを築けた。良いレースだったね」と、その勝因を明かしたロガーノ。

 一方、決勝は8位でフィニッシュしたものの、エリオットを21位、ハムリンを11ラップダウンに追いやったチャスティンは「トラブルの責任を痛感している」と反省の弁を述べた。

「ただ集団のなかで全力のドライブを続けていただけだが、これほど多くのミスを重ねるとは自分でも信じられないよ……。今日はフィールドの半数以上に対し謝罪する義務があり、その言葉を修正するつもりはない。それは今後もトラックで支払う必要があり、今日ほとんどできることはやり遂げたと思っている」

 その当事者となったハムリンは「彼が責任を取るのは良いことだが、最終的には僕らの1日を台無しにした」と、憤りを隠せない様子だった。

「僕らは左右にスライドし、前後を入れ替えて、ただレースがしたかっただけだ。でも彼は背後に隠れて僕らの決勝を破壊した。その後も反省したようには見えず、9号車(エリオット)にも同じことを繰り返した。僕らは困難な状況から学ばなくてはならないし、いつかは自分に返ってくる。そこに違いはないんだ」

 併催のキャンピング・ワールド・トラックシリーズ第11戦は、ポール発進のコーリー・ハイム(カイル・ブッシュ・モータースポーツ/トヨタ・タンドラTRD Pro)がシリーズ2勝目を挙げ、服部茂章率いるハットリ・レーシング・エンタープライゼスは、16号車タイラー・アンクラムが13位まで挽回、チェイス・パーディの61号車がトップ10入りを果たした。

 そして同週にポートランド・インターナショナル・レースウェイを舞台に開催されたエクスフィニティ・シリーズ第14戦は、大ベテランが真価を発揮。幾度かの雨に翻弄されたレースで、A.J.アルメンディンガー(カウリグ・レーシング/シボレー・カマロ)が今季2勝目を獲得している。

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