アメリカのストリーミングサービス大手『Netflix』会長リード・ヘイスティングスは、F1が売りに出されることがあれば、レースのライブ配信権を得るために買収を検討すると述べた。
2017年にリバティ・メディアはF1を80億ドル(約8900億円)で買収。その1年後には独自のプラットフォーム『F1 TV』を開設し、レースのライブ配信を開始して、ファンのグランプリ視聴体験の向上に取り組んでいる。
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しかしながらF1の商業権保有者であるリバティ・メディアは、長年レース中継を行ってきたテレビ放送局から得る収益に頼る部分も大きい。そのため、独占的な放映権を所有するテレビ局が存在する国では、『F1 TV』の利用は制限されている。
『Amazonプライム・ビデオ』ではいくつかのスポーツのライブ配信が視聴できるが、Netflixでは多数の契約者がいるにもかかわらず、これまでのところライブテレビやスポーツのライブ番組との競合を見合わせている。これに関してヘイスティングス会長は、ドイツの『Der Spiegel』に対して次のように語った。
「我々はジャーナリズムではなく、エンターテインメントを作っている。ジャーナリズムは、一定の基準を持ち、倫理的なガイドラインに従うべきだ」
「我々は、スポーツの生中継には手を出していない」
「スポーツ放映については、我々は、その大元となる部分を支配する立場にはない」
「しかしそういった支配をすることは、顧客に確実なサービスを提供するための、ひとつの必須条件になるかもしれない」
コンテンツと制作を完全にコントロールするということが、Netflixがライブスポーツやエンターテインメントの世界への参入を詳細に検討する前提条件となる。興味深いことにヘイスティングスは、F1が売りに出された場合は入札する可能性があると示唆した。NetflixではF1ドキュメンタリーシリーズである『Drive to Survive(邦題:栄光のグランプリ)』の配信を2019年から毎年行っており、そこから好感触を得ているのかもしれない。
「数年前、F1の権利が売却された」とヘイスティングスは語った。「当時、我々は入札者のなかにはいなかった。しかし今なら間違いなく入札を検討するだろう」
今年3月、F1のメディア権担当ディレクターであるイアン・ホームズは、テレビ放映契約の可能性についてアマゾンと定期的な話し合いを持っていることを明かした。F1はすでにアマゾン・ウェブサービス(AWS)とパートナーシップ契約を結んでいる。
「他のメディア企業に売り込むのと同様に、我々の権利売却について、彼らと話をしている」と当時、ホームズは語っている。
「一方で、『F1 TV』を市場に送り込むためのチャンスがあるチャンネルの調整についても、彼らと話をしているところだ」
最近では、サウジアラビアのコンソーシアムがF1買収を希望しているという噂も浮上している。
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