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【日本発売】トヨタ新型ランドクルーザー300 価格/GRスポーツ/内装/サイズを解説

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【日本発売】トヨタ新型ランドクルーザー300 価格/GRスポーツ/内装/サイズを解説

はじめに 300系とは

text:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

【画像】新型ランドクルーザー 細部まで見る【300系】 全43枚

8月2日、トヨタは新型ランドクルーザーを発売した。

ランドクルーザーは、1951年8月に発表された「トヨタ・ジープBJ型」をルーツに持つ、トヨタとしては最も長い歴史を持つクロスカントリー4WDだ。

商標権の関係で、1954年から「ランドクルーザー」の名称になった。

現在のランドクルーザーは、BJ型から続く業務用途や過酷な環境での使用を主体としたヘビーデューティ・モデル(70系)、快適な乗り心地と悪路走破性を両立したライトデューティ・モデル(現行型は150系ランドクルーザープラド)、そしてプロユースから乗用までこなせる快適性を重視したステーションワゴン・モデルの3系列に分かれており、今回の新型ランドクルーザーは、このステーションワゴン・モデルの最新型となる。

1951年のBJ型登場から70周年の2021年、14年ぶりにフルモデルチェンジされたステーションワゴン・モデルの新型ランドクルーザーは、従来型の200系から300系へと進化した。

今年の6月に世界初公開はされていたが、今回、日本仕様の詳細と価格が正式に発表された。

トヨタのフレーム車としては初めてTNGAを採用し、200kgもの軽量化を達成したという新型ランドクルーザー。トヨタが誇るクロスカントリー4WDのフラッグシップにふさわしい、その概要を紹介していこう。

新型ランドクルーザー 外観

ランドクルーザーは、世界各地での人の命や暮らしを支え、より豊かな人生を支える存在として、「どこへでも行き、生きて帰って来られること」を使命としてきた。

そして、その使命は新型の300系のスタイリングにも着実に反映されている。

新型ランドクルーザーのボディサイズは、全長4985×全幅1980×全高1925mm、ホイールベースは2850mm(標準モデル)。

従来型の200系とは、全長やホイールベースなどのボディサイズ、ならびに対地障害角(アプローチアングル:32°、デパーチャーアングル:26°、ランプブレークアングル:25°)は変えておらず、オフロード走破性につながる扱いやすさは継承している。

そのスタイルは、歴代のステーションワゴン・モデルのランドクルーザーのヘリテージを追求した、キャビンを後ろ寄りに配置する、キャビンバックワード・ポジション。力強い曲線と優雅さを演出する曲面を組み合わせたボディデザインは、従来型の200系から踏襲されているようだ。

存在感を強めた押し出し感の強いラジエターグリルをヘッドランプとともに高い位置に配置し、前後バンパーの下部は障害物をいなすような造形とするなど、オフロード走行時の機能性も重視。

また、エンジンフードには大きな凹みを設け、衝突安全性と前方視界の両立を図っている。まさに、本格オフローダーとしてのタフな強靱さと、洗練された大人の深みを融合させたエクステリアといえるだろう。

新型ランドクルーザー 内装

インテリアも「生きて帰って来られる」ために、オフロードにおける機能性を追求している。

インストゥルメントパネル上部は水平基調とし、厳しい路面変化の中でも車両姿勢を把握しやすい形状に。また、過酷な路面状況下でも車両状況が把握しやすいように、スピード・エンジン回転数・燃料・水温・油圧・電圧を直感的に視認できる、6針式のメーターを採用した。

さらに、ドライブモードセレクト、マルチテレインセレクト、ダウンヒルアシストコントロール、クロールコントロールのモードセレクトをひとつのダイヤルに統合し、モニターを見ながら操作できる最適な位置に配置している。

各種のスイッチ類は、走行・駆動系、オーディオ系、空調系など機能ごとに集約して配置。悪路走行時でも、直感的な操作ができるようレイアウトされている。

シートは、ディーゼル車では2列5名定員となるが、ガソリン車では3列7名定員に(一部グレードは2列5名定員)。フロントシートの着座位置を後方に移動しつつ、セカンド/サードシートの構造・配置を見直し、居住性やラゲッジスペースの向上と衝突安全性能を両立させている。

とくに、サードシートはフロア格納式とすることで、荷物もより積みやすくなった。上級グレードでは、格納・復帰は電動式となっている。

新型ランドクルーザー シャシー

新型ランドクルーザーでは伝統のラダーフレームを継承しているが、TNGAによるGA-Fプラットフォームを新採用している。

最新の溶接技術の活用などにより、高剛性(従来型比+20%)かつ軽量なフレームとし、衝突安全性能、静粛性、そして走りの質を向上させている。

ボディでは、高張力鋼板の採用拡大やボンネット、ルーフ、全ドアパネルをアルミニウム化し、パワートレインの搭載位置を車両後方に70mm、下方に28mm移動。

こうした改良により、車両として約200kgの大幅な軽量化、低重心化、前後重量配分の改善を果たした。ドライビングポジションの改善とも相まって、ドライバーの意思に沿う走りに貢献する。また、軽量化は環境性能の向上にも寄与している。

プラットフォームの刷新に伴い、サスペンションはフロントのハイマウント・ダブルウイッシュボーン式、リアのトレーリングリンク車軸式を新開発。とくにリアサスペンションはショックアブソーバーの配置を最適化し、乗り心地と操縦安定性を高めた。悪路走破性のため、ホイールアーティキュレーション(タイヤの浮きづらさ)も向上させている。

操舵アクチュエーター付きパワーステアリング、電子制御ブレーキシステム、リア・トルセンLSD、マルチテレインセレクト(路面状況に応じて走行支援を6つのドライブモードから選択)、マルチテレインモニター(車両周囲の状況を4つのカメラでサポート)など、一部はオプションだが、操縦安定性・操作性の向上を目指した装備が充実している。

新型ランドクルーザー パワートレイン

従来型の200系ではV8エンジンも搭載されていたのだが、新型の300系では日本仕様は2種のV6ツインターボを新開発して搭載した。

ガソリンエンジンは、TNGAの思想に基づきランドクルーザー伝統の信頼性を継承した、3.5Lのインタークーラー付きV6ツインターボ「V35A-FTS型」。最高出力は415ps/5200rpm、最大トルクは66.3kg-m/2000-3600rpmを発生。

マルチホール直噴インジェクター付きD-4STの採用やロングストローク化、バルブ挟角の最適配置による高速燃焼と高効率ツインターボが、力強い低速トルクと優れた過給レスポンスを生み出している。

ディーゼルエンジンは、3.3Lのインタークーラー付きV6ツインターボ「F33A-FTV型」。ピストン燃焼室、吸気ポート、インジェクターといったエンジン各部の構造を最適化し、最高出力は309ps/4000rpm、最大トルクは71.4kg-m/1600-2600rpmを発生。

新採用の可変ノズル付き2ウェイ・ツインターボにより、低速域ではシングルターボの高レスポンスによる力強い加速、高速域ではツインターボの大吸気量によるのびやかな加速に寄与。あらゆるシーンで爽快な加速感をもたらす過給性能を実現した。

トランスミッションは、いずれも発進時を除くほぼ全域でロックアップを作動させ、ダイレクトなシフトフィーリングを実現したダイレクトシフト10速AT。10速化により、ギアステップのクロス化とギアレシオ全体のワイドレンジ化を実現。心地良い走りのリズムと、高速燃費の改善、発進加速・オフロード性能の向上も果たしている。

また、ガソリンとディーゼルそれぞれのエンジンに合わせて、駆動力特性と変速タイミングの最適化も図られている。

新型ランドクルーザー 装備

安心・安全装備や快適装備も、トヨタのクロスカントリー4WDのフラッグシップにふさわしいものだ。

セキュリティ面では、トヨタ初の指紋認証スタートスイッチを採用。日本でも海外でも盗難の多いランドクルーザーゆえの装備だろう。

スタートスイッチ中央に指紋センサーを採用し、スマートキーを携帯し、ブレーキを踏みながらスタートスイッチ上の指紋センサーにタッチすると、車両に登録された指紋情報と照合。指紋情報が一致しなければ、エンジンが始動しない機構だ。

安全装備では、先進機能を付与した最新の予防安全パッケージ「トヨタ・セーフティセンス」や、定速走行時の衝突被害軽減に寄与する「パーキングサポートブレーキ」、アクセルの踏みすぎや踏み間違いを検知するとクルマの加速を抑制する「プラスサポート」、リアウオッシャースイッチと連動してバックカメラの汚れを落とす「カメラ洗浄機能」、降車時の危険も知らせる「ブラインドスポットモニター」などが設定されている。

快適装備では、快適温熱シートとシートベンチレーションをフロントシートに加えセカンドシートにも採用。

車室内を快適な空気環境に導く「ナノイーX」や12.3インチのワイドタッチディスプレイ、両開き機構を採用したセンターコンソールボックス、ペット飲料などを保冷できるクールボックス、ハンズフリーバックドアなど、グレードによる違いや一部オプションもあるが、きわめて充実している。

GRスポーツ・グレード

ランドクルーザーは、世界一過酷と称されるダカールラリーに1995年から25年以上にわたり市販車部門での参戦を続けている。参戦ドライバーからのフィードバックを車両開発に活かし、ランドクルーザーのラインナップに新たに加わったのが「GRスポーツ(GR SPORT)」だ。

トヨタのSUVとしては、GRがプロデュースしたモデルはC-HRにGRスポーツがラインナップされているが、ランドクルーザーでは初めてとなる。

足まわりでは、電子制御でスタビライザー効果を変化させるE-KDSS(Electronic-Kinetic Dynamic Suspension System)を世界初採用。

前後のスタビライザーを独立して自動で電子制御し、路面状況・前後輪それぞれの状況に応じて細かくスタビライザー効果を変化させる。これに合わせて、バネ定数やAVS(電子制御サスペンション)も最適化した。

さらに、電動デフロックをフロントにも搭載(他グレードはリアにオプション)し、さまざまな道路環境で選りすぐれた走破性を発揮する。

エクステリアでは、ラジエターグリル、前後バンパー、ブラックのホイールアーチモール、ロッカーモール、エンブレムなど専用パーツを採用し、マットグレーの18インチ・アルミホイールやドアミラーなどをブラック塗装として、GRスポーツらしく迫力を増幅。

インテリアでは、本革巻きステアリングホイールやフロントシート、そして内装色はGRスポーツ専用。切削カーボン調パネルのインテリア加飾も採用し、エクステリア同様にスポーティな雰囲気を醸し出している。

なお、2023年以降のダカールラリーには、トヨタ車体の「チームランドクルーザー」がこのGRスポーツをベースにした車両で参戦する予定だ。

新型ランドクルーザー 価格

新型ランドクルーザー(300系)の発売日は8月2日。日本仕様のグレードと消費税込みの車両価格は、以下のとおりだ。

ガソリン車は、GXが510万円、AXが550万円、VXが630万円、ZXが730万円、GRスポーツが770万円。

ディーゼル車は、ZXが760万円、GRスポーツが800万円。

ガソリン車のGXとディーゼル車は2列5名定員だが、ガソリン車のGX以外は3列7名定員となる。

新型ランドクルーザー スペック

ランドクルーザー GRスポーツ(ガソリン)

車両価格:770万円
全長×全幅×全高:4965×1990×1925mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:2520kg
エンジン種別:3444cc V6ターボ
最高出力:415ps/5200rpm
最大トルク:66.3kg-m/2000−3600rpm
トランスミッション:10速AT
駆動方式:フロント縦置き4WD
燃料:プレミアム
タンク容量:80L
WLTCモード燃費:7.9km/L
タイヤサイズ:265/65R18

ランドクルーザーZX(ディーゼル)

車両価格:760万円
全長×全幅×全高:4985×1980×1925mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:2550kg
エンジン種別:3345cc V6ディーゼルターボ
最高出力:309ps/4000rpm
最大トルク:71.4kg-m/1600−2600rpm
トランスミッション:10速AT
駆動方式:フロント縦置き4WD
燃料:軽油
タンク容量:80L
WLTCモード燃費:9.7km/L
タイヤサイズ:265/55R20

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みんなのコメント

2件
  • 1954年、敗戦からたった9年後に「ランドクルーザー」なんて名前のクルマ出した日本人は偉かったな!
  • 燃費は2.7のプラドとほぼ同じらしい。現車は、ドアが軽くてなかなかいい感じだった
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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