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初代モリゾウチャレンジカップ王者は山田啓介選手!! モリゾウさんからも祝福のメッセージ!

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初代モリゾウチャレンジカップ王者は山田啓介選手!! モリゾウさんからも祝福のメッセージ!

 WRCドライバーへの虎の穴、モリゾウチャレンジカップの初代王者は山田啓介選手に決定した。モリゾウチャレンジカップ第5戦、モントレー2024はSS106.72km、総走行距離641.46kmの長丁場で争われ、大竹直生選手が待望の初勝利を飾ったが、山田啓介選手が2位に入り、初代チャンピオンを決めた。

文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、TOYOTA GAZOO Racing

初代モリゾウチャレンジカップ王者は山田啓介選手!! モリゾウさんからも祝福のメッセージ!

■25歳からラリーを始めた遅咲きの努力家が夢への階段を上った

旧碓氷峠以外にもさまざまな路面があって、てこずった選手たちだが、10本で106kmあまりというSSの距離の長さは、大きな経験となったはずだ

 モリゾウチャレンジカップの初代王者に輝いた山田選手は、モリゾウチャレンジカップの初戦、三河湾に参戦するにあたり、「夢はWRCドライバーになること。そしてモリゾウチャレンジカップはそのための最後のチャンスだと思っています」とはっきりと話していた。素直に自分の気持ちを言葉にしていることが印象的だった。

 冷静で大きなミスのないドライビングテクニックで、初戦の三河湾から第4戦の丹後まで4連勝と波に乗った。山田選手は勝つたびに「大竹直生選手のほうが実力は上だと思うので、もっと速くなれるよう頑張りたい」と謙虚に話しながら、大竹選手と比べて自分に足りないものは何かを分析し、努力してきたのだと思う。

 第5戦のモントレーこそ、優勝を大竹直生選手に譲ったが、SS9で逆転を許すまでトップだった。身体もメンタルも鍛え、1戦1戦強くなっていった印象だ。コ・ドライバーの藤井俊樹選手も、謙虚にラリーに向き合い、他の選手ともコミュニケーションを取りながら、山田選手の勝利のために努力する姿はコ・ドライバーのお手本のようだった。

 山田選手は25歳でラリーを始め、30歳でモリゾウチャレンジカップの王者になった。彼の活躍はどんなことでも遅すぎるということはないことを教えてくれる。ちなみにモリゾウチャレンジカップの成績優秀者にはフィンランドに渡り、WRCトヨタチームのインストラクターからラリー講習を受けられるというご褒美があるとされているが、どんなことをプレゼントされたいか? と水を向けると「憧れのラリードライバー、勝田貴元選手にフィンランドで教わってみたい」とコメントしてくれた。

■モリゾウさんからのメッセージに込められた大きな期待

初戦の三河湾で優勝し、モリゾウさんから祝福される山田選手。この日から初代チャンピオンの道を開いていった

 モリゾウチャレンジカップの狙いは、若手の有望選手の発掘と育成にあるが、なぜモリゾウの名前が冠しているかといえば、「そのほうが注目されるだろうから。モリゾウの名前で注目されるなら使えばいい」とモリゾウさんは語っている。

 トヨタがいくらWRCで勝っても、勝田貴元選手に続く世界と戦える若手ドライバーが育たなければ、日本のラリー人気は盛り上がらず、世界に置いて行かれることをモリゾウさんは危惧している。

 今回のモリゾウさんのコメントがそのことを表している。「初代チャンピオンになったからには、もっともっと活躍してもらって、もっともっと注目されるようになって、多くの人に『ラリーって面白いな!見にいってみたい!』『ラリーってカッコいいな!自分もやってみたい!』と思ってもらえるようになってもらわないといけません。

 今回のチャンピオン獲得はゴールじゃありません。スタートです。山田選手、これからも日本のラリーのためにがんばってください! コ・ドライバーの藤井選手も以下同文!」と、彼らにさらなる高みを目指せ!と鼓舞するのだ。

■モントレーを制したのは“吹っ切れた”大竹直生選手

モリゾウチャレンジカップはもちろん、より改造範囲の大きなJN2クラス全体でも大竹選手はトップタイムと素晴らしい走りを見せた。右はコ・ドラの竹藪英樹選手

 イニシャルDの聖地として知られる碓氷峠の旧道がSSになるなど、大きな注目を集めた全日本ラリー選手権の第5戦モントレー2024。これまで大きな期待をされながら勝てなかった、大竹直生選手は“つきものが落ちた”ような快走を見せ、初勝利を飾った。

 日曜日午前中のSS8を終わって山田選手が0.8秒のリード。これまでの大竹選手なら、気合が空回りとなっていたかもしれないが、豊岡悟志監督から「午後はクルマを壊してもいいから、思い切り走って逆転してこい!」とはっぱをかけられたことで迷いがなくなったようだ。大竹選手は「(運転に)集中することができました。久しぶりにラリーを楽しめたという感覚になれました」と流れをつかんだことを振り返る。

 大竹選手はSS9とSS10を攻め続けた結果、モリゾウチャレンジカップのみならず、より改造範囲の大きなJN2クラス全体でもトップ(総合9位)となり、関係者を驚かせた。

 3位は中溝悠太選手が我慢の走りを見せ、初の表彰台を獲得した。ランキングこそ7位と低いが努力が報われた形で「もっと練習して速くなりたいです」と笑顔を見せていた。もちろん笑顔だけではなく、貝原聖也選手、稲葉摩人選手、KANTA選手、星涼樹選手はリタイアとなり涙をのんだ。

 コースが難しく距離も長いモントレー2024は、選手たちからも「楽しかった」という声が数多く聞かれた。ファンイベントも多く、いろいろな意味でラリーの魅力が詰まっていたように思う。群馬県安中市の協力とラリー関係者の努力に拍手を送りたい。

■第5戦を終えてのポイントランキング

・1位:山田啓介選手/112ポイント
・2位:大竹直生選手/76ポイント
・3位:貝原聖也選手/53ポイント
・4位:最上佳樹選手/43ポイント
・5位:KANTA選手/33ポイント
・6位:中溝悠太選手/28ポイント
・7位:星涼樹選手/21ポイント
・8位:稲葉摩人選手/16ポイント

【画像ギャラリー】旧碓氷峠をラリーカーが爆走!! モリゾウさんも激励に訪れたモリゾウチャレンジカップの様子をギャラリーでチェック(7枚)

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