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【深堀りフィアット600e】 かわいい顔した電気自動車がやってきた でも中身はしっかりモノでした

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【深堀りフィアット600e】 かわいい顔した電気自動車がやってきた でも中身はしっかりモノでした

フィアット600eはどんなクルマ

フィアットのフル電動車(BEV)において500eに続く第2弾として送り出されたのが600eだ。本国では昨年7月に発表されたが、いよいよ日本に導入された。

【画像】フィアット「600e」ジャパン・ローンチの様子をみる 全197枚

Bセグメントに位置するフィアットの新たなBEVが600eとなる。スペース、航続距離といった機能の確保に加え、美しく、楽しいスタイルと、甘美なドライビング・エクスペリエンスが、Bセグメントのパッケージに収められている。

また車名の600は、500eに対し100の魅力を追加するというコンセプトで、『500+100』で600と名付けられた。また、バックグラウンドとして、1955年にデビューし、イタリアの国民車として大成功を収めた初代600のイメージを受け継いだこともある。

600eは内燃エンジン(ICE)を積む500に対するクロスオーバーの500Xと同じポジションにある。しかし500Xをそのまま電動化したのではなく、プラットフォームはBEV用として開発され、プジョーE-208/2008やジープ・アベンジャーで使用されているステランティスe-CMP2を用いる。

そのため500Xの3サイズ:4295×1795×1610mmに対し、600eでは4200×1780×1595mmとひとまわり小さくなっており、ホイールベースも2570mmから2560mmへと僅かに短くなっている。

スタイリングは500eの姉妹車であることを基本に、エクステリアとインテリアのデザインは、イタリアの美とハッピーなライフスタイルを意味するドルチェ・ヴィータの哲学を体現したという。

Bセグメントながらラゲッジスペースはクラス最大となる360Lを確保し、後席を畳めば1231Lと広大なスペースが出現する。あらたにハンズフリー・パワーリアゲートが採用され、利便性を高めている。

新採用の快適装備としては、ドライバーの疲労を軽減するアクティブ・ランバーサポート機能を運転席に設置し、クルマに近づくと開錠・離れると施錠するプロキシミティ・スマートキーが組み込まれた。

フィアットBEV最高のパワー

フィアット600eに組み込まれる走行用モーターは、交流同期式のZK02型で、最高出力は115kw/156ps、最大トルクは27.5kg-mを発揮し、前輪を駆動する。大柄なボディなだけにパワーアップされたもので、ステランティスのBセグメントBEVの中で最大となる。ちなみに、これまでの出力トップはアバルト500eの114kW/155psだった。

動力用主電池はリチウムイオンで、総電圧375V、総電力量は54.06kWhとなる。この容量はステランティスのBセグメントBEVの中で最大となる。

航続距離はWLTCモード国土交通省審査値で493kmと発表され、こちらもステランティスのBセグメントBEVの中で最長を記録している。

ファミリーカーとして使用されるクルマだけに、ADAS(先進運転支援システム)も充実。

フィアット初採用となるレーン・ポジション・アシストのほか、アダプティブ・クルーズ・コントロール、衝突被害軽減ブレーキ(歩行者検知機能付き)、レーン・キーピング・アシスト、トラフィック・サイン・レコグニション、ブラインドスポット・モニター、ドライバー・アテンション・アラート、スタビリティ・コントロール、360°パーキングセンサー、リアパーキングカメラと満載で、これらは標準で備わる。

サスペンションはフロントがマクファーソンストラット+コイルスプリング+スタビライザー、リアはトーションビーム+パナールロッド+コイルスプリングという、近年のフィアット小型車の定番といえる構成となる。ステアリングには電動アシストが備わる。

チーフデザイナーが来日

ジャパン・ローンチに際してイタリアのフィアット本社から、フィアット全モデルを受け持つチーフデザイナーのフランソワ・ルボワンヌ氏が来日し、600eのデザイン開発時の様々なエピソードが語られた。

3年前に就任し、フィアット・ブランドにスマイルを与えたいと意気込む彼は、600eのデザインを始めるにあたって「フィアット・デザインのDNA」をアーカイブ化し、再確認。そこにイタリアの風土や食材をイメージし、今後のデザインに何が必要か議論したという。

500に始まる「かわいい」、「愛らしい」造形は、デザイン部門内では「ドルチェ・ビータ・デザイン」と呼ばれているそうだ。500eから採用された、まぶたを思わせる人間味のある愛らしいデザインのヘッドランプも、600eに受け継がれている。

600eは当初、ヌウォーバ500のイメージを受け継ぐ拡大版としてデザインがスタートしたものの、まとまりが悪くボツに。そこで初代600のスロープした猫背リアスタイルを取り入れたところ、整ったデザインが完成したという。

またヘッドランプ廻りのデザインも初代600の初期型にインスパイアされたもので、ランプに連なるモールディングを600eではオーナメントに落とし込んでいる。

インテリアにも初代600のモチーフを数多く取り入れたと語られた。シンプルな塗装仕上げを思わせるインストゥルメントパネルや、メーター・クラスター、2本スポークのステアリングホイールがそうだ。

これからのフィアット・デザインはディテールにこだわりを持つ新たなイタリアらしいものとし、過去の要素は受け継ぎながらも古さは残したくないという。フィアットの遺伝子を継承しながら、モダンなディテールを未来につなげてゆきたい、と述べてくれた。

フィアット「600e」の詳細

フィアット600eは日本へは「ラ・プリマ」グレードが導入される。ボディカラーはホワイト、サンセット・オレンジ、スカイブルーの3色を用意(ホワイト以外は有償色)。車両本体価格は585万円と発表され、9月10日から受注を開始している。

昨年9月に1.2L直列3気筒ガソリンエンジンを積み、マイルドハイブリッドを備えるフィアット600ハイブリッドがイタリアで追加されている。ステランティス・ジャパンでは2025年春に日本へ導入予定と発表された。

また、フィアット600eの日本デビューを記念して9月23日(祝)まで、二子玉川ライズ・ガレリアで『フィアット・チャオ600eフェスタ』が開催されている。

話題の600eをはじめ、フィアット現行モデルの展示や、600e特別試乗会(9月21~23日のみ)のほか、ジェラートが絶品のフィアット・カフェも出店。こちらにも注目だ。

スペック フィアット600e

価格:585万円
全長:4200mm
全幅:1780mm
全高:1595mm
ホイールベース:2560mm
最高速度:150km/h
0-100km/h加速:9.0秒
航続距離:493km
車両重量:1580kg
パワートレイン:交流同期電動機
駆動用バッテリー総電力量:54.06kWh
電動モーター最高出力:156ps/4070~7500rpm
電動モーター最大トルク:27.5kg-m/500~4060rpm
駆動方式:前輪駆動
変速機形式:1速リダクションギア
タイヤ:前/後:215/55R18

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