2020年7月28日、三菱自動車はEV(電気自動車)の新型軽自動車を生産するための設備投資を行うことを発表した。2022年以降に導入されるこの新型EVとはどのようなモデルなのか。
三菱はまだ新型EVの姿を公表していないが
三菱自動車が2020年7月27日、2020年度第一四半期の業績を元に通期の見通しを発表。欧州や北米市場での販売台数が低調だったこと、固定費の増加などの要因により当期純損失が3600億円になるとの予測を発表した。これと同時に2020年度~2022年度の中期経営計画「Small but Beautiful」を公開。生産工場の統廃合を含む構造改革により固定費を20%削減するとともに、近年マーケットシェアを拡大してきたASEAN重視の販売戦略へ移行することで収益をU字回復させるという。
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中期経営計画のなかに新製品の投入計画も記されており2020年度にはエクリプスクロスPHEVを、2021年度には次期アウトランダーと中国市場向けEV、2022年度には次期アウトランダーPHEVと次期トライトンを、そして日産との共同開発を進める軽自動車EVを時期は未定としながらも導入を予定、ラインアップを強化していくという。
この発表の翌日となる2020年7月28日、岡山県倉敷市にある水島製作所で新型軽EVを生産するためおよそ80億円の設備投資を行うことをリリースした。駆動用バッテリーの組み立てやバッテリーケースの製造、そしてEVプラットフォームの製造ラインを構築するという。まだコンセプト段階における姿を見せていないものの、すでに日本市場導入への道筋は出来上がっているように感じられる。
前述のとおり三菱は軽EVコンセプトカーを公開していない。しかし、2013年11月に日産との合弁会社で軽自動車を専門とするNMKV社で電気自動車の開発も手がけることを決めて以降、日産は2015年の東京モーターショーで「テアトロ for デイズ(TEATRO for DAYZ)」を、2019年に「ニッサンIMk」を発表している。とくに後者は完成度の高いスタイリングから市販直近ではないかとのウワサもたった。
搭載されるバッテリー容量や航続可能距離などの目標値は示されなかったものの、「プロパイロット2.0」をさらに進化させた次世代運転支援システムや、スマホによるリモート操作で自動的に駐車できる「プロパイロット リモートパーキング」、無人でドライバーを迎えにくる「バレーパーキング機能」を搭載するなど、自動運転の時代を見据えた技術の採用を見込まれている。
ボディサイズは全長3434mm/全幅1512mmと軽自動車規格を少しオーバーするが、これはコンセプトカーだからだろう。このコンパクトボディにリーフ(航続可能距離400km)と同等サイズのバッテリー搭載は望めないものの、EV専用に開発されていることもあり、ガソリンエンジン仕様をベースにした三菱i-MiEV(航続可能距離164km)を超えてくることは間違いない。
※航続可能距離はいずれもJC08モード。
また、ガソリンエンジンを搭載した現在のデイズとeKのラインアップにならって、日産ではスポーティ系のハイウェイスター、三菱ではSUV系のクロスを用意されればユーザーの選択肢も増えておもしろい展開となりそうである。軽自動車枠ではないが、2020年内の日本発売が公表されているホンダeをはじめとして、フィアット500eやsmart EQ fortwoなど、国内外ブランドから新型車の登場も控えており、今後コンパクトEV市場が活気づいていくのかもしれない。
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みんなのコメント
厳しいときに投入してこそV字回復してほしい.乗りたい車出して日産ファンより