手作業で塗装の仕上げに3週間
text:Ronan Glon(ロナン・グロン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
ピニンファリーナ社は自社の90周年を祝して、ピニンファリーナ・バティスタの限定モデルとなる「アニバーサリオ」発表した。
現在は、インド・マヒンドラグループ傘下の自動車ブランドの子会社となっている、ピニンファリーナ。スーパーEVの生産計画や、2020年からのデリバリーなど、重要な情報も明らかとなった。
デザイン室のチーフを務めるルカ・ボルゴーニョによれば、バティスタのツートンカラーは、過去にピニンファリーナが手掛けたモデルを振り返る過程で誕生したという。「塗装を仕上げるだけで3週間を要します。グレーとホワイトの間に入るブルーのピンストライプも含めて、すべて手作業です」
バディスタのボディは、塗装のたびに分解される。アニバーサリオが5台に限定される理由は、その工数の多さにもあるようだ。
アニバーサリオには、フュリオサと呼ばれる専用のボディ・パッケージをまとう。フロント・スプリッターやサイドブレード、大きなディフューザーなどが備わる。限定モデル専用のロゴがボディを飾る。
ボルゴーニョは、カーボンファイバー製パーツが追加されることで、ダウンフォースを増加し、コーナリングスピードを高めるという。このパッケージは通常のバティスタでもオプションで選択ができるが、価格は未定とのこと。
ピレリPゼロ・タイヤで包まれるセンターロック式のアルミホイールは、強固な鍛造製。バネ下重量を10kgも削っている。これもフュリオサ・パッケージの1つ。
車内には専用設計のシートと、ボディのピンストライプに呼応するブルーのアクセントが入る。このシートも、通常のバティスタにオプションで装着が可能。
フォーミュラEを超える4モーターで1927ps
バティスタ・アニバーサリオは、2019年のジュネーブ・モーターショーで公開された量産モデルに近いコンセプトカーから、バティスタに小さな変更が加えられていることも示している。
人間工学に基づいた形状のステアリングホイールはプロポーションが変わり、LEDライトに囲まれた充電ポートの位置も移動している。「我々はひと目で認識できるクルマに仕上げたいのです。トレードマークのような存在に」 とボルゴーニョは説明する。
「アップル社のラップトップPCは、モニターの裏面にリンゴのマークが光ります。それに似た特徴を提供したいと考えています。充電ケーブルをつなぐと、充電ポートが点灯します。遠くからでも、ピニンファリーナのクルマだと認識できるでしょう。将来的なモデルのすべてに採用予定です」
アニバーサリオでも、バティスタの基本的な仕様には変更ない。4モーターのパワートレインを採用し、最高出力1927ps、最大トルク234.0kg-mという、2度見するような数字が並ぶ。0-100km/h加速は2秒台だという。
「電力量を比べると、発進加速時のエネルギーは、小さな村の昼間の消費電力に匹敵します」 ピニンファリーナ社でスポーツカーのディレクターを努めるレネ・ウォルマンが、誇らしげに話す。
初期のシミュレーション・テストでは、スペインのカラファット・サーキットで、マヒンドラ・レーシング製のフォーミュラEよりバティスタの方が速いことが示されている。ちなみに両車の共通点は少ない。
すでにオーナー候補は絞られている
テストドライバーのニック・ハイドフェルドは、2020年代に登場するピニンファリーナ製モデルには、サーキットで培った技術が投入される、と語っている。パワートレインの効率やシミュレーションの正確性、バッテリー性能を向上させる手法を、エンジニアが学び取っている過程のようだ。
今回に限らず、高性能なスーパーEVの話になると、実際に再現可能な性能の話題に必ずなる。ポルシェは、タイカンの最大の強みにしているポイントでもある。だがバティスタの場合、長時間のサーキット走行は意図しておらず、大きな懸案ではないとしている。
ウォルマンは、技術チームはすべてのバティスタを常時、遠隔で監視し、データを分析。パワートレインの障害を調べるという。エンジニアは問題が発生するとオーナーへすぐに連絡を取ることができる。
この方法は、ハイパーカーの分野では珍しくない。一方でオーナーが希望すれば、ピニンファリーナとのドライブデータの共有をしない設定にもできる。
バティスタのプロトタイプは、2020年中頃にサーキットでのテストが始まる予定。同時に欧州と北米での認可取得に向けて動き出す。デビューは2020年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード。年内には納車が始まるとのこと。
バティスタ・アニバーサリオの欧州価格は、260万ユーロ(3億1200万円)。標準のバティスタが170万ユーロ(2億400万円)だから、かなりの差となる。しかし、仮にビリオネアが興味を持ったとしても、すでに時遅し。
「バティスタ・アニバーサリオの需要は、限定生産の5台を遥かに上回るものです。多くの反響があり、見込まれるお客様と密接に連絡を取り合っています」 と、広報担当者はAUTOCARに教えてくれた。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
「タイヤの摩耗が早い」「買い取り価格は期待できない」EVにまつわる巷のウワサ6つの真実
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?