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ドイツでのロングドライブで再確認するA6の素晴らしさ

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ドイツでのロングドライブで再確認するA6の素晴らしさ

ミュンヘン(インゴルシュタット)で開催されたアウディの年次プレスカンファレンスに出席し、驚愕の電動化プランや、驚異の中国マーケット重視姿勢(何でも中国のみで100万台を目指すらしい!)、さらには生産台数落ち込みを招いたWLTCモード対策への怨み節の数々、などなど最新事情をいろいろと詰め込んだ翌日。次の出張先へと旅立つ前にぽっかり一日の休みができたので、最新のアウディを拝借して片道400キロメートルのドライブを楽しむこととなった。

目的地はホルヒミュージアム(アウディのご先祖さまだから!)のあるツヴィッカウ。パートナーとして選んだのは日本未発表ながら恐らく輸入されるはずのA6アバント40TDIスポーツ(FF)だった。

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欧州では人気の5ドアハッチバックとステーションワゴンの良いトコ取りといったスタイリッシュなデザインをもつ実用モデル、というのがアウディのアバントだ。とはいえ、いちおうステーションワゴンに分類されている。最新A6シリーズのアバントは、アウディらしいシンプルなデザインを維持しつつ、リアフェンダーまわりなどはブリスターっぽい処理になっていて、クルマ好きの気をよく引く。

エンドピラーの傾斜はかなりきつめ。もっともほかのミッドサイズステーションワゴンも年々スタイリッシュになる傾向があって、“デザインワゴン”の先駆者というべきアバントには、いっそう分かり易い“格好良さ”が必要だった、ということなのかもしれない。とはいえ、ラゲッジ容量は先代モデルと同等レベルを確保する。通常時は565リットル、40:20:40分割の後席を倒すことにより最大では1680リットルの積載容量を誇っている。

試乗車はスタンダードスタイルの19インチホイールに、ドライブが3月だったためミシュランのウィンタータイヤを組み合わせて履いていた。張り出しも力強いフェンダーラインには、おそらく、20インチや21インチのほうが似合うことだろう。

試乗車の40TDIは新世代A6の中心を担うグレードになるだろう。新型A6の本国仕様には出力の高い順に50、45、40という3スペックの縦置きディーゼルエンジンが用意されている。このうち50と45の上位2グレードは3ℓ V6+トルコン8ATで、欧州マーケットでもおよそ一般的とは言えない高級仕様だ。エントリーグレードの40TDIのみが2ℓ直4を積んでおり、最量販仕様というべきグレードである。これに組み合わされるトランスミッションは7速デュアルクラッチ(DCT)だ。 

新型A6の全グレードにはマイルドハイブリッドシステムが採用されている。マイルドハイブリッドシステムでCO2排出量を落とすというのが最新の欧州トレンドだ。上位グレードには48Vバッテリーシステムを用意したが、40TDI用には12Vの簡易システムを搭載した。マイルドハイブリッドを備えた4気筒ディーゼルエンジンは、EA288EVOと呼ばれるVWアウディグループの最新作。新型A6への採用がグループ初であり、それゆえA6における注目ポイントのひとつでもあるというわけだ。

欧州のディーゼルターボ車といえば、劇的な加速フィールが楽しみのひとつ、というイメージがあった。けれどもそれはもう昔の話になりそうだ。EA288を積んだVWパサートやアウディQ5がそうであったように、新型A6 40TDIの加速は極めてスムーズなもので洗練されていた。マイルドハイブリッドを組み合わせた分、いっそう滑らかさが増したとはいうものの、踏み込んでハッとするような加速ではない。従来のようにのけぞるような加速フィールが欲しいというなら、6気筒ディーゼルを選んだほうが良さそうだ。

そもそもA6はドキドキするようなキャラクターのモデルではないし、温厚で洗練されたパフォーマンスのほうが似合っていると思う。

とはいえ、その真骨頂はアウトバーンの高速走行にあった。ウィンタータイヤということもあって無制限区間では控えめな最高速トライとなったが、それでもメーター読みで220km/hを難なくオーバー。180 km/h以上でのクルージングも易々とこなす。

なるほどアウトバーンのある土地で、A6のようなモデルを日常のパートナーとして使うことができれば、片道数百キロの通勤やドライブもまるで苦にならないことだろう。

逆に言うと、日本では無用の長物になるのだろうか。筆者は住まいのある京都と仕事の中心である東京を月に何度もクルマで行き来している。そんなライフスタイルには、これ以上ない選択だと言えるのだが……。

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