MotoGP第6戦カタルニアGPの初日、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)はプラクティスを14番手タイムで終了。予選はQ1からスタートすることになったが、チェーン交換に時間を要したことで、Q2直接進出のチャンスを失ったと彼は語っている。
カタルニアGPはヤマハにとっては長年強さを発揮してきたコースだ。しかし近年では、その低グリップな路面が、トラクションの問題を抱えるヤマハにとって不利に働くようにもなってしまった。
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ただ今年のカタルニアGPではライダー2名とも予選Q2に直接進出ができるかと思われていた。最終的にプラクティスではアレックス・リンスが9番手でQ2進出を決め、クアルタラロは14番手でQ1からのスタートとなった。
Q2への直接進出を逃してしまったクアルタラロだが、彼はセッション終盤にアタックに挑むだけの時間がとれなかったことに原因があったと説明している。
「ちょっと良くなったよ」と、クアルタラロはカタルニアGP初日のフィーリングについて語った。
「(新型の)エアロパッケージは予想していたとおりの力を発揮している。タイムアタックに関しては大失敗だったのが残念だ」
「片方のバイクでの変更作業にかなり時間がかかってしまったし、2回目の走行ではイエローフラッグによって1周しかできなかった。そのせいでアタックを終えられなかったんだ」
「でもペースをチェックしてみると、かなり良好なんだ。もちろんQ2進出を逃してしまったのはベストではないけれど、全体的なベースが以前よりもかなり良くなっていると思う」
「(原因は)チェーンだったんだ。スイングアームを長いものにしてみたからチェーンの長さもね。もう1台のマシンではクラッシュしてしまったけど、そっちは速度を乗せすぎてしまっていたことが問題だった。それがなければ完璧だったよ」
「戻って来てタイヤを変えて走りにいったけど、あまり良い感じではなかった。それで変更を加えないとダメだったんだけど、そこで10分はロスしてしまった。残念だけど、週末で最悪の10分間だったよ」
またクアルタラロは、カタルニア・サーキットは新品のタイヤを使ったときにタイムを十分に上げることができないコースのひとつとなっていて、何故そうなってしまうのかが解明できていないとも語った。
「そういった風に苦戦してしまうコースがいくつかあるんだ。でも、何故かが分かっていないんだ」
「僕は1分39秒6のペースを刻めているのに、なんでタイムアタックでは1分39秒3よりも速くできないんだ?」
「これが僕には理解できていないことなんだ。ペース的に僕らはかなり速い……これは僕らにとってで、他との比較ではないけどね」
「ただペースは良かったと思うよ。なのに新しいタイヤを使ったときのことは理解ができない。僕らは(新品タイヤで)違いが無いんだ。だからそこを理解する必要があるし、チームも解明したいと思っているんだ」
■新型エアロパッケージの効果、カタルニアでは控えめ?
なおカタルニアGPでヤマハは、新型のエアロパッケージを投入した。1周あたり0.2秒に値すると言われていたが、カタルニアではまだ数字に現れていないようだった。
新型エアロパッケージはヘレステストで投入され、フランスGP後のムジェロプライベートテストでさらに改良が加えられた。
クアルタラロはこの新型について、アドバンテージを得られる点としてブレーキングの改善があると指摘。チームメイトのリンスはコーナリングでも利点があると語っている。
ただリンスによると、カタルニアは路面のグリップが低くなっていることで、新型エアロパッケージで得られるアドバンテージが薄められていると指摘もしている。
「このコースだと、(新エアロが)大きくは助けにはならないと思う。グリップが不足してしまっていて、問題がフロントやコーナリングスピードよりも、リヤ側にあるからね」
リンスはそう説明した。
「役には立っているけどね。このカウルを使うと、コーナリングスピードを少し上げることができて、ラインを維持しやすくなる。でもそれ以上にリヤに問題があった」
「ムジェロでの方がずっと良かったし、多分0.2秒は速かったと思う。だからライダー的には最終的にそれ以上を望むところだけど、1周0.2秒というのはレースでなら数秒に過ぎないからね」
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