じつはブランド自体は生きている
ラリーアートは、三菱自動車工業の100%出資で、1984年4月設立された子会社。三菱のワークス的なイメージがあるが、競技車両の開発は三菱自動車工業の研究開発部門が行っていて、その本家、三菱ワークスのソフトウェアやスポーツキットを販売する会社としてスタートした。
以来、WRCやパリ・ダカールラリーへの参戦をはじめ、ミラージュカップやグループA(スタリオンターボ)、フォーミュラミラージュや、N1レース、スーパー耐久レース、全日本ラリーなどに参戦するチーム、ドライバーの参加支援や、競技用パーツ、スポーツパーツの開発・販売などを行ってきた。
しかし、国内外の不況などの影響を受け、2010年3月より業務内容を大幅に縮小。 (1) モータースポーツユーザー支援全般(参加支援、技術支援、ドライバーオブザイヤー表彰等)
(2) ラリーアートメンバーズクラブ(RMC)
(3) ラリーアートオンラインショップ(インターネット通信販売)
(4) ラリーアート主催のイベント(ドライバーズレッスン等)
(5) ラリーアートメールマガジン、モータースポーツ情報発信(web等) などを、すべて廃止してしまった……。
とはいえ、ラリーアートパーツ、ラリーアートコレクション(キャラクターグッズ)等、ラリーアートブランドの商品の開発と販売は、現在も継続されている。
また、ラリーアートのキャラクター商品、ラリーアートスポーツパーツ、アクセサリーパーツ、三菱純正パーツ等を取扱う「ラリーアートピット」も、全国に5店あり、競技車両の製作やメンテナンス、三菱車のチューニングなどにも対応している。
さらに、スーパー耐久レースでは、三菱のセミワークス的存在だった、「TEST&SERVICE」も活動中。
生産中止にはなってしまったが、かつては「コルトRALLIART Version-R」など、ラリーアートグレードの車種もあったし、ブランド自体は生きている!
しかし、親会社の三菱自動車工業が、2016年10月20日 、燃費データの不正問題の影響もあり、ルノー・日産グループの傘下(日産自動車が三菱自動車工業の株式を34%獲得)になってしまったので……。
三菱のモータースポーツファンにとっては、現状は寂しい限りだが、三菱自動車工業さえ元気を取り戻してくれれば、いつの日か、ラリーアートも再び表舞台で活躍してくれることだろう。
(文:藤田竜太)
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