今から20年ほど前、新しい世紀に変わる頃。クルマに対する考え方も変わり始めていた。そんな時代の輸入車ニューモデルのインプレッションを当時の写真と記事で振り返ってみよう。今回は「ボルボ C70カブリオレ」だ。
ボルボ C70カブリオレ(2002年)
C70は、ボルボのラインアップに久しぶりに加わったスペシャルティモデルだ。1996年のパリ サロンで、まずクーペがデビューした。ベースとなった先代のS70、つまり850の最終型とは顔つきなどは似ているが、850よりは直線基調のスタイリングは抑えられ、流麗なボディラインが特徴的だ。
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昨年(編集部註・2001年)にはカブリオレが追加された。トップはキャンバス地のソフトトップで、電動開閉式を採用している。そして今回紹介するのは、一部改良された2003年モデルのC70カブリオレだ。従来型とどこが変更されたかというと、まずフロントグリルが今までのメッシュタイプからブラックの格子型に変わった。ヘッドランプやテールランプ、そしてハイマウントストップランプにもクリアレンズを採用して、顔つきもリアエンドも精悍なものになった。
パワーユニットも変更されている。2.4Lの直5 DOHCターボという形式こそ変わらないが、エンジンのマネージメントシステムや燃料噴射装置のリファインなどにより、最高出力は200ps、最大トルクは29.1kgmと、従来型よりも7psと1.6kgmアップしている。それでいながら、10・15モード燃費は1km/L向上して8.9km/Lとなっている。ちなみに、C70クーペは日本仕様のカタログからはフェードアウトしている。
前述のように、ボルボでは一世代前のプラットフォームを採用しているし、開口部の大きなオープンボディなので、ボディの剛性は正直に言ってあまり高くはない。だから、ちょっとハードなコーナリングを試みたり、荒れた路面を通過したりすると、ボディの緩さを感じることは事実。もっとも、このクルマはそんな走りをするクルマじゃない。
コンディションの良い道をフルオープンでユッタリと流すようなシチュエーションでは、最高の心地良さを味わえる。サイドウインドーを上げておけば、キャビン内への風の巻き込みは少ない。リアシートは2名分に減らされているけれど、意外と居住性が高く、おとな4人のドライブも苦にならないだろう。ただし、オープンエア ドライビングでは、後席は少しツラいかもしれないけれど。
リファインされたエンジンも好印象だった。ロープレッシャーターボとはいえ、アクセルをちょっと強めに踏めばけっこうワイルドに加速してくれるし、高回転の伸びも良くなっている。それでいながら燃費が良くなっているというのも、うれしいポイントだ。
C70カブリオレは受注生産だ。トップやインテリアのカラーは自由に組み合わせることができる。さらに、本革/ウッドのステアリングやウッドATノブ、そしてプレミアムサウンド オーディオシステムなどを装備するエレガンスパッケージという+30万円のオプションも用意される。
こんなオープンカーで優雅なミドルエイジを過ごしてみたい。ボルボ C70カブリオレは、そんなシーンが思い浮かぶオシャレなクルマだった。
■ボルボ C70カブリオレ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4715×1815×1400mm
●ホイールベース:2665mm
●車両重量:1660kg
●エンジン形式:直5・DOHCターボ・横置きFF
●排気量:2434cc
●最高出力:147kW(200ps)/5700rpm
●最大トルク:285Nm(29.1kgm)/1800-5000rpm
●トランスミッション:5速AT
●タイヤ:225/50R16
●車両価格(当時):495万円
[ アルバム : ボルボ C70カブリオレ はオリジナルサイトでご覧ください ]
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ナンチャッテ優雅。