アヴァンギャルドなクサビ型シェイプ
スバル360で日本に本格的なマイカー時代の幕を開いた富士重工は、水平対向エンジンや乗用4輪駆動車といった画期的な商品を生み出してきた。ところがイメージは渋いもので、画期的な機能を表現できていたとは言い難い。そこで80年代に新たなイメージリーダーとして、従来にないデザインを取り入れて発売されたのがアルシオーネ。極端なクサビ型のスタイルは意味があり、当時の量産車として驚異的な空気抵抗係数0.29を実現していた。
親父は2代目、息子は3代目。親子で楽しむスバル道。80年代車再発見 1983年式・スバル・レオーネ4WDハードトップ1.8RX(1983/SUBARU LEONE 4WD HARDTOP 1.8RX)
鳴り物入りのデビューはアメリカ先行発売という事実にも現れていた。半年遅れの85年6月に国内販売がスタートすると、キャッチコピーは「4WDアバンギャルド」。ただ販売は振るわずアメリカでも円高が進んだことでテコ入れを図る。なんと2.7リッター水平対向6気筒エンジンを開発して3ナンバー車を追加した。
2.7リッター・モデル発売の翌年、スバル360発売から30年となったことを記念して限定車が発売された。それが2.7VX30thリミテッドで、その数なんと30台。すでに幻のような存在だが、そのうちの1台がしっかり残されていた!
外観
輸出を強く意識したアルシオーネは1985年1月にアメリカで先行発売。国内では同年6月に発売開始された。4WDアバンギャルドというキャッチコピー通り、クサビ型スタイルはCd値0.29を達成した。87年に2.7リッター・モデルが発売され、ミッションはE-4ATのみの設定。スバル車30周年記念の現車はホワイトにゴールドのツートンカラーが採用された。
スモールがバンパーで下はフォグ。バンパーは2.7専用で全長が1.8とは異なる。
トランクはスポイラー状に跳ね上がり空気の流れを抑制する。
エンジンルーム
スバルとして初めて市販車に採用された2672cc水平対向6気筒のER27型。自然吸気のみで150psと21.5kgmの出力だった。
泣き所のエアサスはコイルバネに変更済み
超希少な30thリミテッドのオーナーは、実はカスタム界隈では有名人。実にオートサロンで表彰された経歴まであるのに、なぜか80年代のノーマル車を集め始めた。ちょうど年齢的にご自身が若かった頃で、思い入れのある車種をもう一度味わいたかったのだという。
GX61マークIIで魅力にハマると10ソアラや2代目シルビアまで手に入れた。シルビアで希少車の魅力にも目覚めたオーナーは、次なる目標として当時スバルの先鋭的な機種だったアルシオーネに目をつけた。探し始めると実に数が少なく、なんとか80年代車の専門店で何台か在庫されていることが判明。
実車を見なければわからないと店舗へ向かう。オーナーが重視しているのは内装の程度。内装がキレイなクルマは丁寧に扱われていたと考えるからで、数台あったアルシオーネのうち最も程度がよくノーマルを維持していた、この限定車を手に入れたのだった。
手に入れたのは半年前のこと。まだまだ近所しか乗っていないそうで、トラブルは未知数。これまでのところ大きな故障はないものの、すでに壊れていたエアサスはコイルバネに変更されている。カスタム好きだから改造されるのかと思うが、予定としては純正アルミをワイドリム化するくらい。この時代のスバルはPCDが特殊なため、社外ホイールで適合するものがほとんどない。ところが2.7は一般的な100で選択肢は広い。
室内
毛足の長いディンプルモケット生地のシートはフロントがバケット形状。純正のハーフカバーが貴重!シート自体は普通サイズだが足元の余裕はほぼないリヤ。
このスバル・アルシオーネ4WD2.7VXの記事は、3/21発売の令和に残るクルマ改造雑誌『G-ワークス』(毎月21日発売)2023年5月号に掲載されています。
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