IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の第5戦ワトキンス・グレン6時間レースを制したマツダ・モータースポーツのドライバー、ハリー・ティンクネルは、マツダRT24-Pにとっての今季初優勝は「大いなるチームの努力」の結果であると述べた。
6月27日にアメリカ・ニューヨーク州のワトキンス・グレン・インターナショナルで行なわれたシーズン第5戦で、ティンクネルはチームメイトのオリバー・ジャービス、ジョナサン・ボマリトとともに参戦。チームの素早いピットワークと、最終スティントでのティンクネルの燃料節約により、2位のアキュラARX-05に対しわずか0.9秒のマージンをキープ、トップでゴールした。
ゴール直後にガス欠のマツダが辛勝。小林可夢偉は最終周の接触でペナルティ/IMSAワトキンス・グレン6時間
2台のアキュラに対して全体的なペースは劣っていたものの、マルチマチックがオペレートするチームと、ストラテジストのリーナ・ゲイドの功績がもたらした勝利であると、ティンクネルは認めている。
「古典的な、チームの努力だった」とティンクネルは述べている。
「僕ら3人がクルマの中で仕事をした。メカニック、そしてピットスタンドのスタッフたちも、ただただ素晴らしかった」
「レースの最後の40分間、トラックポジションでトップに立つという今回のキーとなった瞬間は、タイヤを1本だけ交換するという判断のおかげだった」
「本当に、そうなるだろうなとは思っていた。ただ、(残り時間の)計算はできていたので、残りをすべて全開で走ることはできないだろうと分かっていた」
「これらの数値を本当に迅速に計算できるようにし、その情報を僕に伝えてくれたのは、チームの大いなる努力によるものだった」
ティンクネルはABB FIAフォーミュラE世界選手権における最近のシミュレーション作業が、レースの最後の53分間を無給油で走り切ることができた要因となったと語っている。
決勝上位3台のDPi車両はすべて、限界まで燃費走行をしていた。
「最近、フォーミュラEのいくつかの作業を少し手伝っている。ファステストラップを維持しながら、少なくとも燃料を約15~20%節約するという点では、それが本当に役立ったと思う」とティンクネル。
「最終的には、ミラーにピンクのクルマのオリー(マイヤー・シャンク・レーシング60号車アキュラARX-05のオリビエ・プラ)がやってくるのが見えた。僕が最後にここでレースをしたとき、彼は僕らのチームにいた。今回はライバルとなった」
「最終ラップでは全開でいけとの連絡があり、その時点では大丈夫だと分かっていた」
「ただしチームは最終ラップに向けては燃料を完璧に計算していたけど、彼らはインラップ(チェッカー後のクールダウン・ラップ)を忘れていたので、(チェッカー後の)ターン7で燃料がなくなったんだ」
「(残り1時間を切って)完全に燃料が空の状態のクルマで、僕ら全員がピットレーンに向かったのは、とてもクールな瞬間だった。これは、マルチマチックによる完璧な戦略と完璧なエンジニアリングを表すものであり、それが僕らをフィニッシュラインに導いた」
今回の勝利により、ティンクネルとジャービスは、3位でフィニッシュした選手権リーダーのリッキー・テイラー/フィリペ・アルバカーキ(ウェイン・テイラー・レーシング10号車アキュラARX-05)に、31ポイント差に迫っている。
なお、土曜日にペースが不足していた55号車マツダは予選後にエンジンを交換し、グリッド降格の裁定を受けていた。
「おそらく僕らは最速のクルマではなく、劣勢で(レースウイークが)スタートしていたが、セッションごとに改善を示していた」とジャービスは語っている。
「予選は大変だった。クルマにはいくつかの大きな変更を加えた。おそらく、これまででもっとも多くの変更を加えたと思う。なんとかレースの方向性をみつけることができたが、それは重要なものだった」
「それがこのチームの強みだ。ときには、マシンは走り出しから完璧なことだってある。過去を見れば僕らにとっては良いトラックであることが分かっていたけど、それが当たり前ではない」
「勝利のチャンスを得るため、これまで以上に一生懸命努力しなければならなかった」
「そうするためには、チームは完璧にやるべきことを実行しなければならなかった。ドライバーとしても、僕らはミスを犯す余裕がなかった。必要なときに燃料を節約しながら、僕らは懸命にプッシュしていた」
「これはとても特別な勝利だ。僕にとっては“55号車”での初めての勝利だし、JB(ボマリト)が戻ってきてくれたのもよかった。彼はチームに多くのことをもたらしてくれている」
「素晴らしい瞬間であり、チャンピオンシップにおけるとても良いポイント獲得のための勝利となった」
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みんなのコメント
今年かぎりでなく、デイトナを制し再びルマンを走れるよう、だれか力を。