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今季F1の勢力図に変化……5番手アストン食らう”台風の目”、角田裕毅擁するRBの真の立ち位置を分析

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今季F1の勢力図に変化……5番手アストン食らう”台風の目”、角田裕毅擁するRBの真の立ち位置を分析

 2024年シーズン開幕当初のF1は、上位5チームと下位5チームのパフォーマンスが大きく乖離しているという勢力図だった。上位5チームの10台が入賞圏内にひしめき合うことで、下位チームはポイントを獲得することすらままならない……そんな状況だったが、序盤の8戦を終えて変化が見られた。

 序盤戦は比較的明確な序列となり、上位はレッドブルが首位。そこにフェラーリ、メルセデス、マクラーレンの3チームが続いた。アストンマーティンはその4チームには及ばないものの、RBやハースには楽勝。明確な5番手チームだった。

■“5強”の牙城が崩れ始めている! モナコ8位の角田裕毅も自信「僕たちはアストンに追い付きつつある」

 予選でのフェルナンド・アロンソの活躍により、アストンマーティンは最初の5戦で4度上位3列目からスタート。ただ決勝では本来の位置に落ちていった。

 一方、RBとハースは最後の数ポイントを激しく争った。1ポイントが与えられる10位は、アストンマーティンの1台を破った者に与えられるというジョークが飛び交い、それが入賞枠を現在のトップ10からトップ12、あるいはそれ以下まで拡大するべきなのではないかという議論に発展した。大幅なレギュレーション変更が行なわれる2026年シーズンを前に一時的な問題を解決する解決策として、入賞枠の拡大は有用に見えた。

 しかしF1の絶え間ない開発競争において、変わらないモノなどない。グリッドが上位5チーム、下位5チームに分かれるという構図は既に過去のモノとなった。

 フェラーリとマクラーレンがレッドブルとの差を縮め、4番手がメルセデスの定位置になる一方、アストンマーティンはゆっくりと、しかし確実に後れを取り、RBの接近を許している。

 RBは予定より1レース早く、第6戦マイアミGPで大規模アップデートの第1弾を投入。これが勢力図に変化をもたらした。

 RBの最速ドライバーである角田裕毅は少ないチャンスを活かして度々ポイントを掴んでいたが、マイアミGP以降は予選からアストンマーティンの2台を上回り、レースでも少なくともアロンソ、ランス・ストロールどちらか1台の前でチェッカーを受けるようになった。

ポールタイムとの比較

 この表にスプリントの結果は含まれていないが、RBのダニエル・リカルドがマイアミGPのスプリントで4位に入ったことも注目に値する。

 アストンマーティンは第7戦エミリア・ロマーニャGPで大型アップデートを投入したが、激しい開発競争の中では不十分。AMR24のドライビングやバランスにおいてマイナス面の副作用もあったとチーム側は認めた。

 角田は開幕から第5戦中国GPまでの平均1.1秒だったポールタイムとの差を過去3レースで0.7秒にまで縮めたが、アストンマーティン勢はその差がほぼ倍になった。

 この変化には、この3戦がレッドブルのRB20に合わないコース特性だったということも関係しており、RBの改善を前向きに捉えることができる一方で、アストンマーティンにとっては非常に不利な見方でもある。

 これらの結果を数字通りに受け取るのは単純すぎるが、全体的な傾向は明らかだ。

 アロンソはモナコGPで「リザルトを見ると、僕らはもう上位5チームにいない」と認め、チームにとっての“警鐘”になったと語った。

 ストロールもまた、RB勢が「ここ数戦は確かに僕らよりも速いみたいだ」と認めており、「やるべきことがあるのは確かだ」と語った。

 またRBのローレン・メキーズ代表は、motorsport.comに対してモナコGPを振り返り、RBがアストンマーティンと肩を並べることができた速さに驚いたと語った。

 ただ、富豪ローレンス・ストロールがオーナーを務めるアストンマーティンには、反撃のためのリソースがあると冷静な姿勢を取っている。

「純粋なペースでは、ここ3レースはアストンの方が我々に近いか、あるいは我々と一緒くらいだった。確かに少し驚きだった」とメキーズ代表は語った。

「でも我々は、幻想を抱いているわけではない。彼らは非常に大きなチームだからね。彼らは次第にペースを上げ、おそらくより多くのデータをマシンに投入するものだと感じている」

「それでも、我々は彼らのことを見ている。直近の数レースは、我々が組み立てることができるレースだった。そこに少し強さを追加できるかどうか、カナダのようなコースでも何ができるか、それを見ていきたいと思う」

「今年起こったことを見れば、高速コーナーの多いコースより、低速コーナーの多いコースの方が少し上手くいっていると言えるかもしれない」

 しかしレッドブル、マクラーレン、フェラーリの優勝争いがレースごとの仕上がり具合で決まるようになったのと同じように、中団グループの争いも同様の展開が繰り広げられているとメキーズは考えている。

 ザウバーは依然として苦戦を強いられているものの、アルピーヌやウイリアムズは共にポイントに届くようになり、RBやハースにプレッシャーを与えている。

「結局のところ、0.1秒か0.5秒の話なんだ」とメキーズ代表は語った。

「モナコを見れば、ガスリー(ピエール・ガスリー/アルピーヌ)は我々と一緒だったし、アルボン(アレクサンダー・アルボン/ウイリアムズ)は予選で我々と一緒だった」

「マシンの本質的なパフォーマンスよりも、準備レベルと実行レベルの方が重要だと思う」

「もし週末に0.1秒でも後れを取れば、Q3進出を喜んだのも束の間、Q1敗退に追い込まれる」

 ドライバーのパフォーマンス、セットアップ、戦略など、レース週末を構成する全てを正しく実行しなければならないというプレッシャーは、チーム間のパフォーマンス差が縮まることでさらに大きくなる。

 そしてライバルを少しでも出し抜くため、小さなアップデートでも、可能な限り多くをサーキットに持ち込む必要があるのだ。

「(開発競争には)ふたつの競争があり、1年を通して戦っている。そしてそれぞれの組織によって全く異なる特性が求められる」とメキーズ代表は語った。

「ひとつはファクトリー主体のモノで、インフラ、ツール、ソフトウェアがカギを握る。もうひとつはレースチームやサポートの質などに重きが置かれる」

「我々はこのふたつの流れを最大限に活用しなければならない。上手くこなせなければ、中団グループ争いの中で大きく遅れることになるというのが事実だ」

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みんなのコメント

2件
  • geo********
    >この3戦がレッドブルのRB20に合わないコース特性だったということも関係しており、RBの改善を前向きに捉えることができる一方で、

    ややこしい
  • o(*_*)o**0****
    まったく浸透しないVCRB(ブイカーブ)
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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