ポルシェのハイブリッドと関係の近いエンジン
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)英国の重要なブランドから、極めて重要なモデルが登場した。2023年までに、ベントレーの全てのモデルレンジに、ハイブリッド搭載グレードをラインナップさせるという目標の、はじめの一歩となるクルマだ。
インテリアには、このグレードの正体を示す新しいドライビングモードのボタンが追加されている。しかし、ボディの隅に貼られたハイブリッドのエンブレムを探さない限り、一見すると通常のベンテイガと大きな違いはわからないだろう。
ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッドボンネットを開けば、通常なら4.0LのV8か6.0LのW12ユニットが納まるところだが、このハイブリッドに搭載されるのは、3.0LのV6。これまでのベントレーに搭載されてきたエンジンとしては、最小のユニットとなる。もとはアウディ製ながら、ポルシェ・パナメーラやカイエンのハイブリッドにも搭載されているユニットと関連性が強いという。
エンジンは、ベントレーとしては「控えめ」な339psを発生し、さらに電気モーターが127psを上乗せする。だが他のハイブリットと同様に、ガソリンエンジンと電気モーターのパワーピークの発生回転数が異なるため、システム総合での最高出力は足し算よりはわずかに低い450psとなっている。
昨今のベントレーの走りに期待するパワーからするとずっと小さい数字だが、一方で、昨今のベントレーの中ではかなりの重量を獲得している。その実、2626kg。このクルマより重たいベントレーとなると、ミュルザンヌぐらい。しかも、大差はない。
車重は2626kgに増加も0-100km/hは5.5秒
この車重を考えると、スペックシートの数字はかなり印象的だ。0-100km/hはわずか5.5秒で、最高速度は254km/h。ランボルギーニ・ウルスを脅かすことは難しいにしても、多くのドライバーにとっては、必要充分以上の数字だと思う。
ベンテイガ・ハイブリッドは25kmの距離を電気の力だけで走行可能。気候条件や道路状況によっては、それ以上の距離の走行も可能だろう。近い将来、ローエミッション・ゾーンやゼロエミッション・ゾーンなど、環境規制が一層厳しいエリアが設定されても、そこに備えてバッテリーの残量を運転しながらコントロールすることもできる。ただし、通常のハイブリッドとは異なり、認証上の理由から、エンジンからバッテリーを直接充電することはできないそうだ。
ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッド実際走らせてみると、このエンジンはベントレーのものではないと感じてしまった。V型6気筒は充分に静かでパワーもある。アクセルペダルを踏み込むと、少し楽しさも味わうことができる。だが回転数を高めていくと、ブランドイメージとは異なる、少し張り詰めた大きなサウンドが響いてくる。ベントレーといえばV8かV12という時代に生きてきたわれわれとしては、そのサウンドに違和感を感じずにはいられない。
ベントレーとしては、V8よりもシリンダー数が少ないエンジンを採用するのは60年ぶりとなる。走行パフォーマンスだけ見れば、大型SUVに期待する以上のものを備えてはいる。しかし、このようなモデルのオーナーにとって、クルマが必要だという以外に、満足できるだけのものを備えているのかは疑問だ。
反面、ガソリンエンジンをオフにして、電気の力だけで交通の流れに合わせて走らせる時のフィーリングは、相当に良い。静寂のままにシームレスな加速を披露する仕草は、まさにベントレー。この上質な味わいを存分に味わえるであろう、2025年までに登場すると約束されている、純EVのベントレーにかなり期待してしまった。
モーター走行時はベントレーに相応しい仕草
今回の試乗は短時間で交通量も比較的多いエリアに限られており、ベンテイガ・ハイブリッドの実力をフルに確かめることは難しかった。しかし、その中でも車重がかさみ車高も高いSUV基準で見ると、ハンドリングは良好だといえる。しかも車重は標準モデルよりも増えており、メリットは少ないはずだが、ステアリングフィールは充分に正確で、クルマ全体のレスポンスも運転しやすいリニア感が保たれている。
ベンテイガ・ハイブリッドの価格は13万500ポンド(1774万円)だが、その金額に相応しいインテリアと乗り心地を備えていえることは、通常通り。エンジンが稼働していても、クルージング時の車内は望外に静かで、大人4人が快適に過ごせる空間が広がる。追ってより後席の快適性を高めてたロングホイールベース版も、モデルレンジに追加されるだろう。
ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッドのインテリアもしこれまでのベントレー・ブランドに期待するイメージ通り、アピアランスの風格だけでなく、圧倒的な走行パフォーマンスやパワートレインの存在感も重視するのなら、ハイブリッドは選ばないほうが良いかもしれない。ハイブリッドに搭載されているV6エンジンは、あくまでもクルマを走らせるための道具といった印象。運転した後に記憶に残るような、ブランドに相応しいパワートレインではないといえる。
しかし、ドライビングフィールにはこだわらず、ベントレーを所有したいという向きには興味をそそるのではないだろうか。また、ハイブリッドが生む優れた経済性だけでなく、裕福でありながらも環境にも配慮している、という社会的な見られ方を望むひとにとってはベストグレードとなるはず。
わたしとしては、2.6tもある大柄なSUVが一般市民からエコロジカルな乗り物に見られるとは到底思えない。仮に自身で購入する機会があるのなら、6400ポンド(87万円)を追加で払ってでも、喜んでベンテイガV8を選ぶ。そしてよりパワフルで威風堂々と余裕に満ちたベントレーを楽しむだろう。
ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッドのスペック
価格:13万500ポンド(1774万円)
全長:5140mm
全幅:1998mm
全高:1742mm
最高速度:254km/h
0-100km/h加速:5.5秒
燃費:-
CO2排出量:-
乾燥重量:2626kg
パワートレイン:V型6気筒2995ccターボ+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:450ps(システム総合)
最大トルク:71.2kg-m(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック
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