5月5日に行われたWEC世界耐久選手権第1戦スパ・フランコルシャン6時間の決勝レース終盤、マテボス・イサキャーンがドライブするSMPレーシングの17号車BRエンジニアリングBR1・AERがオー・ルージュの出口付近でクラッシュを喫した。このアクシデントを撮影していたファンが映像をYouTubeに公開している。
レース開始から4時間過ぎ、LMP1プライベーターチームの17号車BR1をドライブするイサキャーンは、同じくLMP1プライベーターのレベリオン・レーシング、3号車レベリオンR13・ギブソンと総合3番手争いを展開するが、オー・ルージュの進入でトラフィックに引っかかったことで3号車レベリオンに先行を許して総合4番手に後退する。
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その後17号車BR1は、約1時間20分後に迫ったチェッカーフラッグを目指して走行を続けていたが、レース開始からまもなく5時間を迎える直前にオー・ルージュの出口付近で激しくタイヤバリアに衝突している様子が国際映像に映し出された。
しかし、これまでクラッシュの瞬間の様子を捉えた映像は公開されておらず、どのようにコース上からエスケープゾーンを超えてタイヤバリアへと進んでいったのかは不明とされていた。
そんななかで公開された映像では、7号車トヨタTS050ハイブリッドの後方から、オー・ルージュを構成する最後の左コーナをショートカットしながら現れた17号車BR1の車体が浮き上がり、ハイスピードで宙を舞っていることが確認できる。
残念ながらこのビデオで浮き上がったマシンの軌跡を追うことはできないが、進行方向と速度、クラッシュ位置の関係から宙に浮いたままコースを左から右に横断し、タイヤバリア付近に到達したものと考えられる。
幸いにもドライブしていたイサキャーンは事故後すぐにマシンを降り無事をアピールしたが、BR1にとってはこのレースウイーク中、予選でピエトロ・フィッティパルディが両足を骨折するクラッシュを喫した例に続く2件目の重大アクシデントとなった。
マシンの製造元であるロシアのBRエンジニアリングのスポークスマンは、Sportscar365に対して「現在両方のアクシデントの原因を調査している」とコメント。
「結論を出す前に、両方のケースについて(マシンを共同開発したイタリアの)ダラーラとともにあらゆる点をチェックしたいと考えている」
電気系統のトラブルが原因と報道されている「ピエトロ(・フィッティパルディ)のケースでは、とくに慎重に調査を進めていく予定だ」とした。
なお、WEC次戦ル・マン24時間以降、元F1王者であるジェンソン・バトンの起用を発表しているSMPレーシングは、今週にもル・マン24時間に向けたテストプログラムをフランスで開始すると考えられているが、このテストにバトンが加わるかどうかは現在のところ確認できていない。
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