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【クロカン列伝26 いすゞ ミュー編】2ドア2シーターのRV、満載の遊び心が若年層に大ウケ

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【クロカン列伝26 いすゞ ミュー編】2ドア2シーターのRV、満載の遊び心が若年層に大ウケ

1980~1990年代にかけて「クロカンブーム」を支えた4WDが各自動車メーカーから続々と発売された。この連載企画では、今でいうSUVとは、ひと味もふた味も異なる「泥臭さやワイルドさ」を前面に押し出したクロカン4WDを紹介する。第26弾はいすゞ「Mu(ミュー)」だ。

車名「Mu(ミュー)」の意味は、「Mysterious Utility」の頭文字だった
「MYSTERIOUS UTILITY(ミステリアス ユーティリティ)」の頭文字を取って「Mu(ミュー)」。ラダーフレームを持つワイドトレッド車、それでいて2シーター、3ナンバーのパートタイム4WD。しかも5速MTのガソリン車のみ。荷物もそれほど積めない、だけどなんか新しくて魅力的な車両、いすゞ「ミュー」が1989年にデビューした。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

ワイドトレッド(全幅1780mm)とショートホイールベース(全長4135mm)のモコっとしたボディに、「ハードカバー」と「ソフトトップ」をラインアップした。斬新な形状のボディは、極太のBピラーより後ろがオープンになり、さらにイメージカラーをパステルグリーンにするなど、遊び心に溢れたミューは、ありきたりでは物足りない若年層に大ウケした。

搭載エンジンは、「ビッグホーン イルムシャーG」と同じ、2559cc 直4ガソリンエンジンの4ZE1型(最高出力120ps/最大トルク20.0kgm)のみでスタートした。しかし、翌年にはメタルトップの4シーターモデルに2771cc 直4ディーゼルターボの4JB1-T型(最高出力110ps/最大トルク23.0kgm)を追加。さらに1991年には電子制御の4速AT車も加わり、さらなるユーザー層の拡大を図った。

1993年、ガソリンエンジンと2シーターハードカバー車を廃止し、ボディはメタルトップのみとなった。そしてエンジンは3059cc 直4ディーゼルターボの4JG2型(最高出力120ps/最大トルク27.5kgm)に変更。さらにブレーキは4輪ディスク化され、タイヤを15インチから16インチにサイズアップするなどの改良が施された。

なお、同年の1993年から3年間、いすゞはホンダに「ジャズ」と言う車名でミューのOEM供給を実施した。ミューとの相違点は、アルミホール、シート表皮、ドアトリムとエンブレム、ボディカラーなどだった。

4ドア5人乗りの「ミュー ウィザード」がデビュー
1995年、ビッグホーンロングのシャシを用いた4ドア5人乗りの「ミュー ウィザード」がデビューした。足まわりはミューとは別物で、ビッグホーンのサスペンションを応用した。フロントにダブルウィッシュボーン、リアに4リンクコイルリジッド式サスペンションを搭載。しかし、エンジンはミュー同様の4JG2型であったことから、ビッグホーンで定評のあった3.2L V6ガソリンエンジンを望む声も多かった。

そして1998年にフルモデルチェンジを迎えると「ミュー ウィザード」は、ビッグホーンよりもリーズナブルなSUV「ウィザード」として独立車種となった。その際に待望のV6ガソリンエンジン6VD1型(最高出力215ps/最大トルク30.0kgm)を搭載した。ディーゼルエンジンも一新し、2999cc 直4のコモンレール式ディーゼルターボ 4JX1型(最高出力145ps/最大トルク30.0kgm)をラインアップした。

ガソリンには4速ATが、ディーゼルには4速ATと5速MTも選択できるようになった。シャシもオリジナル版を新開発し、100kgもの軽量化を実現。合わせてリアサスペンションを5リンク式へ変更すると共に、前後輪のトルク配分を0:100から50:50に自動制御するTOD(トルク・オン・ディマンド)、走行中でもワンタッチで2WD/4WD(TOD)への切り替えが可能なシフトオンザフライシステムやリアLSDなど、最新機能を満載してデビューした。

一方、2ドアのミューは5人乗りの2代目となり、ディーゼル4JX1型、4速ATのみと車種を整理。Bピラーは残ったが、初代より大人びたシルエットにリニューアル。オープントップボディも継続された。TODこそ搭載されなかったが、シフトオンザフライシステム、LSDなどを標準装備し、クロカン四駆らしい機能は継承されていた。2000年になるとオープントップに、2001年にはレンジトップもウィザード同様の3.2L V6の6VD1型エンジンに換装された。

そして2002年、いすゞ自動車の乗用車部門の撤退に伴い、印象的なスタイルで強い存在感を示したミューとウィザードは、その使命を終えることとなった。なお、オセアニアや北アメリカなどでは、2005年まで活躍した。

[ アルバム : いすゞ ミュー はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

3件
  • 本車をもとにあの中村史郎さんがスタイリングを手掛けた「ビークロス」も
    カッコ良かったですが、ミューそのものもシンプルでカッコいい四駆でしたね。
    なかなか中古市場にも出回らない珍車です…
  • 同じ時期以前から販売されていた硬派なビックホーンに比べるとあか抜けたイメージでワイドレンッドでクラウチングなスタイルは対向車で見つけると結構目立ちましたね
    私の知り合いはこのミューに乗ってましたが回りから所詮トラックだって良く言われたって言ってましたがそれだけシャーシはシッカリしていた感じでした
    因みにその友人がその時代のミラに間違えてバックでぶつけてじまった事があり私もその場に居合わせたのですがミラのフロントは見るも無惨な状態でその割にミューの後ろのバンパー部はステップがちょっと曲った程度で殆ど無傷
    確かに見た目からは想像が出来ないが中身ヘビーユースのトラックかも
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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