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ミニ 新型EV「クーパー」プロトタイプ発表 原点に立ち返るハッチ 2024年夏発売へ

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ミニ 新型EV「クーパー」プロトタイプ発表 原点に立ち返るハッチ 2024年夏発売へ

新時代のミニ・クーパー

BMW傘下のブランドであるミニは、新型EV「クーパー」のプロトタイプを公開した。電動化に向けたミニの「革命」の始まりとされる。

【画像】「原点回帰」目指したミニ・クーパー【新型EVのプロトタイプと現行クーパーSEを写真で比較する】 全55枚

新型クーパーは、同時に公開されたクロスオーバーのエースマンと、より大型のカントリーマンと並んで、ミニの電動化ラインナップの基点となるモデルである。この3車種の市販モデルは今後1年以内に順次発表される予定だ。

昨年2月にブランド責任者に就任したシュテファニー・ヴルスト(Stephanie Wurst)氏はAUTOCARのインタビューに対し、「新時代の幕開けです。ミニの100%電動化は、どこかで始めなければなりません。これは、完全電動化に向けた橋渡しです」と語った。

新しいラインナップにより、ミニは2025年半ばまでにEVの販売比率を50%(現在15%)にすることを目標としている。

ミニは、2024年2月のカントリーマン(EVと内燃機関車)の発売を皮切りに、5月にEVのクーパー、7月に内燃機関のクーパー、2025年1月にエースマンを発売する予定である。

ヴルスト氏によると、ブランドの心臓部であるクーパーは「原点に立ち返り」、新鮮な外観と「新しい」ネーミングを採用し、正式名称をミニ・ハッチ(Mini Hatch)からクーパー(Cooper)に変更したという。

ワイドなトレッド、短いフロントオーバーハング、大径ホイール、ホイールベースの延長により、現行のミニ・ハッチよりも塊感のあるスタンスとなったが、全長は3.8mと同じだ。円形デイタイム・ランニング・ライト(大型のエースマンと共通)がヘッドライトを囲み、2000年に発売されたBMWの初代ミニの流れを汲む顔となっている。

ミニ愛好家のためのクルマ

デザインの変わらないEVと内燃機関車を導入するが、ガソリンエンジン仕様のみ、5ドアやオープントップのバリエーションが用意される(どちらも未発表)。しかし、先日発表された現行世代の限定生産車ミニ・クーパーSEコンバーチブルについては、将来的に後継が登場するとも言われている。

「ミニは、この象徴的なハッチを原点に戻そうとしています。これはミニ愛好家のためのクルマであり、非常に象徴的なクルマになるでしょう」とヴルスト氏は言う。

プラットフォームには、中国における合弁パートナーである長城汽車と共同開発した「スポットライト」を採用し、中国で生産される予定だ。バッテリー容量はエントリーモデルで40kWh、上位モデルでは54kWhを採用する。

航続距離は385km以上(現行モデルは240km)とされる。ヴルストCEOによると、価格は3万ポンド(約490万円)を超えるだろうという。

標準のクーパーは最高出力183ps、上位モデルのクーパーSEは218psを発揮する。駆動方式は二輪駆動のみ。走行時の演出としてサウンドを開発しており、ドライブモードによって変化するという。

2025年半ばには高性能のJCW(ジョン・クーパー・ワークス)モデルが登場する予定で、クーパーSEと同じ54kWhのバッテリーを搭載するが、航続距離よりもパワーに重点を置いている。出力は250ps程度で、アバルト500eや次期アルピーヌR5と渡り合う性能になると予想されている。

ハンドリングは、新開発のトラクション・コントロール・システムによって改善されているという。AUTOCARは昨年、初期のプロトタイプに試乗したが、トラクション・コントロール・システムを組み込んだ新しいモーター制御を使用しており、ハードな加速時の反応時間を大幅に短縮している。

ガソリン車にMT設定はなし

内燃機関搭載のクーパーは、英国で生産される予定だ。

ミニはAUTOCARの取材に対し、今後のモデルにマニュアル・トランスミッションを用意しないことを「99%確信している」と回答しており、内燃機関車には8速ATのみが採用されると予想される。

インテリアはかつてのBMWミニを彷彿とさせるものとなっており、イグニッションキー(EVにも搭載される)をはじめとして物理的なコントロールに重点を置いている。また、センターマウントのスピードメーターに代わって、OLEDディスプレイを備えた円形スクリーンが採用されている。ステアリングホイールの後ろにメーターディスプレイはない。

その他、ダッシュボードには時間や速度など、乗員向けの情報が表示される。

パーソナライゼーション・オプションを充実させ、ユニオンジャック柄のルーフのほか、中国市場向けのデカールなど「ローカル」なカスタマイズも提供される予定だ。

新市場の開拓と電動化を目指しているが、ヴルスト氏は大量生産にこだわるのではなく、例えばポルシェやランドローバーを少し上回る程度の生産台数を目標にしていると述べた。

ステータスではなく「心の在り方」

以下、ミニのブランド責任者であるシュテファニー・ヴルスト(Stephanie Wurst)氏とのインタビュー内容。

――ミニにとって「レボリューション(革命)」は何を意味するのでしょうか?

「これは100%電動化への入り口であり、現在の15%から、来年はもう少し上、そして2020年代半ばには50%以上、その後ほぼ100%を目指します」

――この新しいラインナップで、ミニのポジションはどのように変化しているのでしょうか?

「ミニは非常に民主的なブランドですが、非常に優れた製品を提供しているのでプレミアムブランドでもあります。しかし、ステータスを表現するブランドではありません。ミニは、クルマでステータスを表現する必要はないけれど、ある種の心の在り方を表現する人のためのものだと思います」

「ある意味、ミニはとてもモダンでコンテンポラリーな製品だと思います。ビッグであるとかプレミアムであるとかではなく、ある種のライフスタイルです。物事をよりシンプルに捉え、自分の収入状況や社会におけるヒエラルキーについて神経質にならない。どちらかというと、心の在り方に近いものです」

――EV時代のミニをどのように見てもらいたいですか?

「ミニは楽しい。今でもゴーカート・フィーリングです。昔からとてもフレンドリーなクルマです。簡単で、シンプルで、気楽でなければならず、あまりに複雑なものはミニではありません。ですから、例えばセンターディスプレイなど、今あるものを大切にしながら、ゲーミフィケーションや鮮やかなディスプレイで新しく、かつブランドから離れすぎないようにすることが大切だと思います」

――エースマンがベストセラーになると予想されるのはなぜですか?

「すべてを兼ね備えているからです。まず、5ドアなので、家族や同乗者がいたり、運ぶものがあったりする場合はこのクルマが適していると思います」

「そして、個性的で頼れるクロスオーバーであることも、多くの人に愛されるでしょう。『オフロードを走ろうと思えば走れるけど、その必要はない』という感じです」

――なぜ5ドアのクーパーではなく、エースマンを発売するのでしょうか?

「エースマンの方がポテンシャルが高いと思うんです。このクルマはアジアや中国に似合うでしょう。彼らは伝統にとらわれないからです。また、わたし達と同年代、あるいはもっと年上、もっと年下かもしれませんが、親がクルマを運転したことがないという人たちも多い。そのため、彼らは伝統に縛られることがないのです」

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みんなのコメント

3件
  • もっとミニでいい
  • 最大の関心事は幅がどれくらいデカくなるのか、ってとこ。
    内部が狭くなっても幅は広げないでほしいなぁ。
    車幅がコンパクトでそこそこいい車が欲しい人(私)にとっては次買う車が無くなってしまう。。。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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