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SUBARUのデザインフィロソフィー「BOLDER」に込められた思いとは

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SUBARUのデザインフィロソフィー「BOLDER」に込められた思いとは

■BOLDERの根幹となるDYNAMIC × SOLID

 スバルは新型レヴォーグを皮切りに、BOLDERというデザインフィロソフィーに取り組んでいます。このBOLDERとはどのような考え方なのでしょう。

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 2015年3月、SUBARUはデザイン戦略を対外的に発表しました。それは際立とう2020というスバルブランドを磨く6つの取り組みで、その中のひとつがデザインでした。

 それまでスバルは安全性や機能性などは積極的にアピールして来たものの、デザインに関して大々的にその考えを発信したことはあまりありませんでした。

 そこで、一目でスバルと分かるデザインにしようという考えのもと、そのコンセプトは“DYNAMIC × SOLID”とされました。これは安心と愉しさに新たなスバルらしさを掛け合わせたもので、DYNAMICは躍動感、SOLIDは塊感を表現しようというものです。

 当時のデザイン部長だった石井守氏は、「安心と愉しさはスバルの商品の根幹です。その言葉をデザインの形に結び付けるには、デザイン視点での分析と解釈が必要でした。

 我々は、この言葉(安心と愉しさ)を因数分解して新しい時代に向けた新スバルデザインの構想を考えたのです。熟考した結果、スバルデザインに共通する3つの意味を再確認し、それぞれを進化させることにしたのです」と語っています。

 さらに「その3つの意味とは、“機能”、“DNA”、“カタチ”です。これらが相互に高め合った部分に、スバルらしい、スバルならではのデザインが存在し、新スバルデザインとしてスバルラインナップすべてに“共通する”デザインの要素になると考えました」と説明していました。

 また「DYNAMIC×SOLIDでは、安心と愉しさを表現するうえで大切にしている立体造形として3つの要素があります。

 ひとつめは、最も重要な構え、スタンスやプロポーションで、クルマのプロフィールを決定づける骨格の構造です。

 次はカタマリ、ボリューム、量感です。クルマが備えている能力や逞しさを印象づける筋肉の付き方の構築です。

 最後は面構成。そのクルマ固有の表情や個性をあたえる立体感の構築とし、ヘキサゴングリルから始まる立体感表現、DYNAMIC×SOLIDデザインがひと目でスバルデザインと認知してもらえるように創造していきます」とコメントしていました。

■◆DYNAMIC×SOLIDを再定義

 そしてスバルデザインは次のステップへと歩みだしました。今まで述べたDYNAMIC×SOLIDを再定義し、この品質的表現のみを強化継承。そのうえで、それぞれのクルマの提供価値を際立たせる商品デザインを取り入れた大胆なデザイン表現に変えていきます。

 それが“BOLDER”です。これまでのDYNAMIC×SOLIDではスバル車であるという共通認識を持たせることが目的でした。それが実現できたことから、ここからはそれを踏まえ車種ごとの個性を発揮していこうという思いがBOLDERに託された思いなのです。

 まずDYNAMIC×SOLIDをクルマの“骨格”と捉え、ダイナミックな躍動感とともに、ヘキサゴングリルから始まる強い塊感のあるボディを造形。これは包まれるような安心感も乗員に与えることにも寄与するでしょう。

 そして愉しさや安定性を大胆に表現する特徴的なフェンダーをデザインすること。これがDYNAMIC×SOLIDを再定義することにあたります。

 特にフロントに関しては、ブランドの顔としてより強くダイナミックに表現。例えばBOLDERを最初に採用したレヴォーグでは、初代は平面的なグラフィック表現だったものから、ヘキサゴングリルを起点とした力強い立体表現となりました。

 また、グリルのバランス(縦横などの比率の差)でボディタイプや車格など各クルマにあった立体を構築していくことになります。

■各車の個性を表現するBOLDER

 では、それぞれのクルマはどのようにBOLDERを表現していくのでしょうか。

 まずはクルマごとに3つのカテゴリーに分けられます。ひとつはSportsで、単なる移動手段ではなく、意のままに運転する楽しみを味わえることと定義。スタンスの良さやダイナミックな動き、メリハリある立体、タイヤを強調するフェンダーなどが採用され、プロポーションとしては前傾姿勢となります。

 次のJourneyは、日常生活では味わえない時間や風景に連れ出してくれることをイメージとして、安心や信頼、走破性を軸に、前後に通る抜け感や切り上げた下回りを強調するために、そのプロポーションは水平基調を採用します。

 最後はFieldで、日常を離れ、自然の中でアクティビティに挑戦する気持ちを駆り立てることです。これは荷室の容積や機能感を感じさせるために、その容積を感じるボディの厚みや堅強なキャビン、そしてそれを支えるタイヤ周りを重視し、水平方向の太い軸を感じさせるシルエットが用いられます。

 もちろんそれぞれにピッタリなクルマだけでなく、その間に置かれることが多いでしょう。例えばFealdにはフォレスター、JourneyとFieldの間にはアウトバック、JourneyとSportsの間にはレヴォーグといったポジショニングになるわけです。

 こういったことを踏まえ現行レヴォーグを見てみましょう。

 デザインテーマは“Performance × Advanced”。クルマが持つ個性を大胆に際立たせるというBOLDERデザインのコンセプトから、意のままにコントロールする愉しさを表現し、レヴォーグの個性を際立たせることを狙っています。

 ポジショニングは前述の通りJourneyとSportsの間です。まずダイナミックな躍動感を表現する軸の通ったデザインを表現するために、いまにも走り出しそうな前傾姿勢とし、停まっていてもなおレヴォーグが備える高い走りのパフォーマンスを感じさせています。

 そして、前出の通りヘキサゴングリルから始まる強い塊感のあるボディデザインを採用。この塊感のある大胆な立体表現は包まれるような安心感も提供しています。

 もうひとつ特徴的なものとして、愉しさを大胆に表現するフェンダーラインが挙げられるでしょう。ボディ内側からサイドに向けて、内圧によって内側から大胆に張り出したイメージのフェンダーや、エッジの利いた立体的なシェイプが描き出す先進的なスタイルは、ダイナミックな躍動感を表現しているのです。

 このようにDYNAMIC x SOLIDの考えを踏まえながら、各車種のアイデンティティをしっかりと表現するのがBOLDERなのです。

 そうすることが即ち、パッと見てスバルだと気づかせるだけでなく、スバルレヴォーグだ、アウトバックだとデザインでわからせ、かつ、そのクルマが備える個性までもが表現出来るようになっていくのです。

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