日本最長ブランドが55年振りに蘇る
ただの衣装替え?! いやいや破壊力は抜群だ!
メグロ製白バイ、最後の輝き…1964東京オリンピックは白バイ世代交代のタイミングだった
独特なエンブレムに、シルバーとブラックが織りなす格調高い雰囲気。まさしく”メグロ”の再来だ…。カワサキが’20年11月17日に発表した「メグロK3」は、W800をベースとした新作ネオクラシック。長い時を経て登場したメグロK2の後継機であり、実に55年ぶりのメグロブランド復活となる。
―― 【’21 KAWASAKI MEGURO K3】■空冷4スト並列2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m/4800rpm ■装備重量227kg シート高790mm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤF=100/90-19 R=130/80-18 ●価格:127万6000円 ●発売予定日:’21年2月1日
基本構成はフロント19&リヤ18インチのW800と同一ながら、存在感は圧倒的。これは先進技術と適切な表面処理による賜物だ。燃料タンクには、高度な技術が必要な銀鏡塗装を用い、深みのある現代的な輝きを放つ。さらに自己修復機能を持つハイリーデュラブルペイントを組み合わせ、美しい塗装が維持可能になった。加えて、素材に合わせ、ツヤあり黒塗装/黒アルマイト/クロームメッキなどの表面処理を選択。微妙に見え方が異なる色彩を散りばめ、全体での高級感を醸成している。
極めつけはメグロエンブレム。職人が5色を手塗りし、実に精緻な出来映えだ。さらにシートはフラットな形状の白パイピング入りとし、リヤサスペンションにカバーをあしらうなど、クラシック感を増す専用パーツも忘れない。
3年間の定期点検とオイル&フィルター交換費込みのカワサキケアが付帯し、価格はW800から17.6万円増となるが、納得のプライスだろう。我々ヤングマシンとしては、新しい歴史を刻んだメグロの”次”の展開にもぜひ期待したい。
―― ’19年12月に登場したW800をベースに、同ストリートのアップハンドルを装着。車体色も相まって、実にクラシカルな佇まいだ。
―― 【クロム&ブラック使いで差別化】クロームメッキを多用するW800(左)に対し、K3(右)は全体的にブラックの割合を増加。要所にメッキを配置することで、同一の基本構成ながら別モノに仕上げた。
―― 【タンクとエンジンが命】デザインの核となる燃料タンクには、独自の銀鏡塗装と自己修復ペイントを投入。旗艦H2/Rで培った技術が、時を越えてメグロに活かされる。空冷バーチカルツインは、K2やW1にはないベベルギヤタワーが個性を主張。これを強調するようにK3では赤いラインが入る。
―― 【このバッジは欲しくなる!】「メグロウイング」と呼ばれる有名なエンブレムを再現。アルミ立体成型で、熟練の職人が手作業でひとつずつ塗り分けるため、実に手間がかかっている。タンクキャップにはクロームメッキを施す。 [写真タップで拡大]
―― 【ハンドルはアップライトスタイル】フラットなW800のハンドルに対し、高めかつ絞りの利いた同ストリートのハンドルで、K2らしい殿様ポジションに。メーターには赤い“メグロ”ロゴ、タンクには空が映し出され、気分は上々! [写真タップで拡大]
―― W800と同様、グリップヒーターが標準。クラッチの握りを軽くし、エンジンブレーキを緩和するアシスト&スリッパークラッチも踏襲する。
―― K2をオマージュし、リヤのツインショック上部にクラシカルな黒いカバーを装着。フロントフォークのアウターも黒仕上げで統一した。
―― W800のタックロールを廃し、平坦なデザインに。外周には白いパイピングを施す。シート表皮は質感の高い、滑らかなタイプだ。
―― 細やかに各部のカラーを変更していることがわかる。エンジンや車体は同一だが、ハンドルが異なるため、全幅と全高は増加した。
〈メグロヒストリー〉日本最長の歴史を誇るブランド
「メグロ」は、1924年に創業した目黒製作所のブランド。2輪メーカーとしての歴史は、現在の国産4社より古い。日本初のスポーツバイクを送り出し、レースも常勝だったが、業績の悪化で’64年にカワサキへ吸収。その名を冠した最後のビッグバイクが「メグロK2」だ。
―― 手前のメグロK3、背後のK2ともに空冷バーチカルツインを搭載。K3登場で、メグロがカワサキ最古&最長シリーズになる。
K2はカワサキ大型4ストロークの原点=W1の礎となり、同社が飛躍する契機となった記念碑モデル。そして今、W1の子孫であるW800から原点回帰する形でメグロK3が誕生し、新しい歴史が始まる。
◆目黒製作所モデル「メグロ」とは?
―― 【日本車初の250ccシリーズ】’30年代から目黒製作所が「メグロ」ブランドでバイクの販売を開始。最盛期を迎えた’50年代、特に人気を得たのが国産初の250ccとなるジュニアシリーズだ。スタイルは英国車風で、直立シングルが特徴。初代エストレヤは特にソックリだった。
【’56 MEGURO JUNIOR S2】■空冷4スト単気筒OHV2バルブ 248cc 12.5ps ■157kg(乾)
―― 【カワサキが改良したW1の前身】メグロは250ccが好調だったが、注力したのは500ccや650ccツインなどの大型車。’60年には英国BSAから特許を得てメグロKを発売した。やがて業績が悪化し、カワサキに吸収。両社の技術を注いだK2が誕生する。これを基盤にカワサキ初の4スト大型車=W1が生まれた。
【’65 KAWASAKI MEGURO K2】■空冷4スト単気筒OHV2バルブ 496cc 36ps 4.2kg-m ■194kg(乾)
※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
みんなのコメント