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中国メーカーBYD 日本参入から1年半経過で今後の行方は? BYDオートジャパン2024戦略発表会を取材

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中国メーカーBYD 日本参入から1年半経過で今後の行方は? BYDオートジャパン2024戦略発表会を取材

日本市場参入から1年半

ついに、中国車が日本で本格的に販売される。しかも、それはEV。なぜならば中国はいまや世界最大のEV市場になっていて、その筆頭がBYDである。

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そんなBYDが2022年7月、日本市場への上陸を正式に表明した時、日本のユーザーの多くが中国EV車の実力に半信半疑だった。実力とは、車両としての性能であり、また日本での販売力のことを意味する。

あれから1年半、BYDの販売実績はどうなったのか? また、BYDはこれから日本でどのような事業展開をしていくのか?

日本でもEV普及期が間近とも言われる中、ユーザーとしてBYDの動向が気になるところだろう。そうした中、BYDの日本法人であるBYDオートジャパンは3月1日、都内で報道陣向けに「2024戦略発表会」を実施した。会場には100人近い報道陣がつめかけた。

冒頭、BYDアジア太平洋地区・自動車販売事業部・総経理で、ビーワイディージャパン社長の劉学亮は、日本のディーラーやユーザーに対するBYDブランドを暖かく受け入れてくれていることに感謝の意を示した上で、グローバルにおけるBYDの企業活動を紹介した。

次いで登壇した、日本での自動車事業を取りまとめるBYDオートジャパン社長の東福寺厚樹が日本国内における販売実績を詳しく説明した。

2023年の累計販売は1446台

東福寺社長は、日本市場参入を発表した2022年7月まで遡って話を始めた。

「業界の一部を除いて、BYDブランドの認知度は低かった」と、当時を振り返った。確かに、日本のユーザーにとって中国市場の現状に詳しくなく、どんなメーカーがどんなクルマをラインナップしているのか知らない人が少なくない。

BYDは自動車メーカーとしては後発であり、日本でBYDのEVに対する認知度が低かったのは当然だと言えるだろう。そこで、BYDオートジャパンでは「eモビリティパートナープログラム」と称して、毎月10人/合計100人にモニターになってもらい「アット3」をなんと1ヶ月使ってもらうという大胆なマーケティング活動を繰り広げた。

2023年2月から同年末まで10か月に渡る同プログラムと、それと同時並行して全国各地に正規ディーラー、または開業準備室が段階的に増えていったことで、日本でのBYDブランドEVに対する認知度は着実に向上していった。

具体的には、正規ディーラーと販売準備室が33か所だった2023年2月には57台。年央の6月には47カ所で累計533台、そして7月「ドルフィン」が加わり、12月には51カ所で累計1446台に達している。

2024年は「シール」を導入

日本での販売網が拡大する中、BYDオートジャパンは2024年を「日本でBYDのビジネスをさらに加速する1年」にすると意気込んでいる。

2024年央にはスポーティな「シール」を導入する予定だ。さらに、2025年以降も「毎年1モデル以上の新型車を日本に投入する」ことを改めて強調した。中国で発売されているPHEVの日本導入計画はいまのところない。

一方「ドルフィン」の販売については、2023年9月の発表時点で年販1100台目標とし、月を追うごとに販売台数は着実に伸びたものの、現在のペースでは目標に届かない可能性がある状況だ。

その原因について東福寺社長は「型式指定の取得が遅れていること」を挙げた。現状では、輸入自動車特別取扱制度(PHP)で対応しており、そのためメーカー側が十分な供給体制を敷くことができない。PHPは販売台数が限定的な場合に有効である。

こうした状況を改善する。今年央に「シール」を販売するタイミングで「ドルフィン」も型式指定を確保するための準備を進めているところだ。

ただし、2024年の販売目標については個別モデル、また全モデルとしても社外には公開しないという。その理由について、BYDとしてはどう説明したのか?

エネマネ事業にも期待

BYDとしては、日本でEVを使った新しいライフスタイルを広めていきたいという大きな目標がある。

ディーラーを増やして、販売台数を伸ばすことが、自動車メーカー及び直系の販売統括会社としては当然の事業方針である。ただし、BYDはグローバルで「テクノロジー・グリーン・フューチャー」という企業メッセージを伝え続けており、EVを活用とした社会変革に対する意識がとても高い。

日本市場においては、2008年から事業者向けや自治体向けの蓄電池関連の事業を始めており、またEVバス事業では全国で約200台が既に導入されている。EVバス市場で見ると、BYDのシェアは70%を超えている状況だ。

こうしたBYD全体としての事業内容から見て、日本市場では今後、乗用EVを活用したエネルギーマネージメント事業を構築する余地が十分にあるのではないか。

劉社長も筆者の質問に対して「できるだけ多くの日本企業と(エネルギーマネジメント事業で)すり合わせをしていきたい」と答えた。

地域社会を念頭とした、モビリティも活用したエネルギーマネジメント事業については、日系自動車メーカーは実証試験は行うものの事業化にはまだ結びついていない状況だ。この分野で、BYDは大きく躍進できるポテンシャルがあると感じる。

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みんなのコメント

53件
  • yui
    HYUNDAIさえあまり見ないが、BYDは見たことない。私は千葉市民ですが。
    ちなみに、近所にテスラのディーラーがオープンしてました。
  • *******
    すでに海外では小型EVに日本車は価格で太刀打ちできない状態
    基本的に小型車買う人はコスト最優先だから当たり前のようにEVに流れる
    日本車のガソリン小型車は壊滅します
    この流れは止まらない
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