大混乱となったF1オーストラリアGPの最終結果について、ハースF1はFIAに対して抗議を提出した。
2023年のF1オーストラリアGPは大混乱の展開となり、赤旗中断3回。最後はセーフティカーランのままチェッカーを受けることになった。
■フェルスタッペン、2度目のリスタートでグリッドからはみ出るもペナルティなしの理由。レギュレーションでは「タイヤの接地面」の位置を規定
3回目の再スタートは、2度目の再スタート直後に複数のクラッシュが起きたことによって出された赤旗の影響によるものだった。
2度目の再スタートは、57周目。今回のオーストラリアGPは58周で行なわれるため、超スプリントレースのスタートが切られた格好だ。しかしリスタート直後のターン1~3では、クラッシュやコースオフが多発。当時3番手を走っていたフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)がスピンして後方に落ち、アルピーヌ勢は同士討ちするなど、大混乱となった。
これですぐに赤旗が出された。赤旗が出されたことで各車はピットに戻ったが、すでに57周を走破。再スタートのためにセーフティカー先導で1周を走ると、チェッカーを迎えてしまうというタイミングでもあった。
多くのマシンが脱落したことで、大きく順位を上げたのがハースのニコ・ヒュルケンベルグとアルファタウリの角田裕毅だった。ヒュルケンベルグが混乱の結果4番手、角田は5番手にポジションを上げたのだった。
FIAはセーフティカーランでもチェッカーを受けさせることを決め、レース再開を宣言した。しかしこの再スタート時には、前回の再スタート時の順位に戻すという規定に基づき、隊列が変更。スピンして最後尾までポジションを落としていたアロンソが3番手に戻り、ヒュルケンベルグは7番手に、角田は11番手に後退させられることになった。
ハースは、理由こそ明らかにしていないものの、レースの最終結果について抗議。これはおそらく、ヒュルケンベルグが順位を失うことになった再スタートのために下された決断に関係しているのは間違いないだろう。
今シーズンの中団グループは、稀に見る大混戦。そのため、取れる時にできるだけポイントを獲っておくことは非常に重要。今回のような好結果は、最終的にコンストラクターズランキングを争う上で、大きな意味を持つ可能性がある。
レースが中断され、再スタートする際の隊列については、F1のスポーティング・レギュレーションの第57.3条に次のように規定されている。
「順序は、すべての車両の位置を決定することが可能な最終時点のものを採用する」
これがどのように決定されるかは、公表されていない。しかし、今回起きたことを考えれば、ある程度のことが明確になってくる。それは、全車がセクター1を通過しなかったということだ。もし全車がセクター1を通過した後で赤旗が掲出されていたならば、その時点での順位になっていた可能性がある。しかし今回は、スタート直後のターン1でインシデントが発生。つまり、リスタート前の順位に戻す以外、選択肢はほとんどなかったと言えるだろう。
これは昨年のイギリスGPで起きたことと同様だ。スタート直後、アルファロメオの周冠宇が大クラッシュする事故が発生し、赤旗中断。この結果、最初のグリッド順でレースが再スタートすることになった。
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