ボディサイズは初代とほぼ同じ
4月5日、TOTOTA GAZOO Racing(TGR)から「GR 86」が世界初公開となった。同時に、スバルは2020年11月にお披露目した北米仕様のBRZに続いて、今回は日本仕様を公開。発売日はGR 86が今秋、BRZは今夏を予定している。
初代86/BRZは2012年にデビュー。トヨタとスバルが共同で開発したコンパクトFRスポーツだ。今回、初のフルモデルチェンジとなったわけだが、コンパクトかつ軽量、4人乗り、そして駆動方式はFRと基本路線は変わっていない。企画はトヨタ、生産はスバルという大きな枠組みも継承されている。
ボディサイズは両モデル共通で、全長4265mm×全幅1775mm×全高1310mm(ルーフアンテナを除くと1285mm)、ホイールベースは2575mm。全長とホイールベースがわずかに拡大、ルーフ高は5mm下がった程度。ほとんど初代と同じサイズ感を維持している。
エンジンは排気量を拡大。加速性能も向上
大きく変わったのは、まずはエンジンだ。先代は2L水平対向4気筒エンジンだったが、新型は排気量を2.4Lまで拡大。最高出力は235ps/250Nmまでパワーアップしている(初代後期型は207ps/212Nm)。低回転域から高トルクを発生させ、シフトチェンジのもたつきなどを解消。より速く、乗りやすくなっているという。トヨタの資料によれば、0→100km/h加速は従来型の7.4秒から6.3秒にまで性能向上。ちなみにトヨタの直噴+ポート噴射システム「D-4S」は継続採用。トランスミッションの構成は6速MTと6速ATと先代共通だが、大幅に強化されている模様だ。
デザインはフロントまわりが大きく差別化
2台のフロントまわりは大きく印象が違う。GR 86は、四角いグリルが特徴。GRスープラ、GRヤリスに続くTGRのスポーツカーシリーズ「GR」のグローバルモデル第3弾であり、いわゆる“GR顔”にまとめられている。
一方BRZは、薄くて低いグリルが特徴。バンパー両サイドの処理も異なる。どうやら空力的に差別化を図るためとのことで、走りの違いに大きく影響を与えるとのことだ。
またヘッドライトの形状や灯体も両モデル共通だが、シグネチャーランプのデザインは違う。BRZは、水平対向エンジンをイメージさせるコの字型であり、「BRZ」のロゴも入る。
プラットフォームやボディにもテコ入れ
プラットフォームは、基本的に先代からのキャリーオーバーだが、スバルグローバルプラットフォームの開発で得た知見を投入。またレヴォーグなどから始まったインナーフレーム構造や構造用接着剤などの採用によりボディを再構築。初代に対してフロント横曲げ剛性を約60%、ねじり剛性を約50%と大幅に強化された。
そのボディは、ルーフ、フード、フロントフェンダーの素材に軽量なアルミを採用。エンジン出力や安全性の向上に伴う重量増を抑制すると同時に、前後左右重量の適正化やさらなる低重心化を実現。ガラス類は先代と酷似しているが、「意匠変更とともに、すべて新規です」とのことだ。また、18インチアルミホイール装着車には215/40R18のミシュラン パイロットスポーツ4タイヤを装備。タイヤグリップに頼らないコンセプトのもと、プリウスタイヤを採用した初代とは随分違う部分である。
アイサイトもついに!走りも大きく違う
大きなトピックは、AT車へのアイサイト採用だ。BRZのみならず、GR 86にも搭載される。アイサイトのバージョンは「ver.3」。ツーリングアシストなど渋滞時でのステアリング支援以外の機能、つまり緊急自動ブレーキや全車速追従機能付きクルーズコントロールなどが網羅される。とはいえパーキングブレーキはAT車でもスイッチではなく“手引きタイプ”だ。ちなみにスバルの虎の子、アイサイトが他メーカーに供給されるのは今回が初だ。
ウワサによれば、どうやら今回の2台は走りの味を大きく変えているという。初代登場時よりもさらに大きく…とのこと。基本メカは当然共通だが、足まわりのみならず、エンジンやトランスミッションの制御なども独自にセッティング。これは楽しみである。
初代は一緒に開発したにも関わらず、発表時期も別で取材会も別だった。ただ今回は同時に発表。事前の取材会も同時だ。両社の協業が一段先に進んだことを実感した部分でもあった。
〈文=ドライバーWeb編集部〉
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