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岡崎静夏の’20ホンダADV150試乗インプレ【これぞスクーターの新基準】前編

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岡崎静夏の’20ホンダADV150試乗インプレ【これぞスクーターの新基準】前編

〈連載〉岡崎静夏がじっくり乗ってみました!

’20年も国内レース・J-GP3に参戦する女性レーサー・岡崎静夏さん。全日本ロードレースにも影響している新型コロナウイルス禍のさなか、岡崎さんはメゲることなく前向きに。今回試乗してもらったのは、”いいとこどり”を極めたスクーター・ホンダADV150。インプレッションレポート前編をお届けする。

’18ホンダPCX150ABS試乗インプレッション前編【レーシングライダー岡崎静夏】

●まとめ:高橋 剛 ●写真:楠堂亜希 ●取材協力:ホンダモーターサイクルジャパン

岡崎静夏(おかざき・しずか):チャーミングな笑顔でも中身はスパルタンな「バイクフリーク」。’09~’10年、MFJレディースロードレースで2年連続王者に。全日本はGP-MONOを経て’12年からJ-GP3に参戦中。



【ホンダ ADV150】 シティアドベンチャーとして’17年に登場したX-ADVの弟分。ベースとした150ccスクーターの軽量・コンパクトな利便性はそのままに、専用ジオメトリーを始めとしたオフロード要素を加えることで、より個性的な1台に仕上がっている。

―― 【’20 HONDA ADV150】■全長1960 全幅760 全高1150 軸距1325 シート高795(各mm) 車重134kg ■水冷4スト単気筒OHC2バルブ149cc 最高出力15ps/8500rpm 最大トルク1.4kg-m/6500rpm 無段変速式(Vマチック) 燃料タンク容量8.0L ■タイヤサイズF=110/80-14 R=130/70-13 ●価格:45万1000円

私にとってこの乗り物はれっきとした「単車」

なんだかすっかりオフロードづいている全日本ロードレーサーです(笑)。月イチぐらいのペースで行くオフロードコースで走らせているのは、友人から安く譲ってもらったCRF150R2。のびのびとバイクに乗れるって、本当に楽しいですよ~! ジャンプも気持ちよくて、病みつきになります。

もちろん自分の本職は全日本ロードレーサーなので、オフロードランにはトレーニングという意味合いがあります。路面グリップが低いので、スライドコントロールのやり方や、ステップをどう踏めば深くバンクさせられるか、という練習にもなります。オフロード車はサスペンションストロークが長いから、自分の操作に対するバイクの反応が掴みやすくて、走れば走るほどバイクとの一体感が生まれるんです。

そんなオフロードライディングのテイストを身近に気軽に楽しめるのが「ADV150」です。本気でオフロードコースを走るためのバイクではありませんが、ストリートでオフロード気分を楽しむにはピッタリなんです。

―― アウトドアアクティビティをイメージさせるタフさと、シティクルーズに似合うスタイリッシュさを併せ持ったデザイン。ホンダのオンロードスポーツとオフロードスポーツ、両方の系譜を絶妙に融合させ、新しい世界観を打ち出す。

―― 「バイクらしいナチュラルなポジションは、アップライトで快適、マシンコントロールしやすいです。シート高は高めですが、足着き性はまずまず。シート幅がほどよく抑えられており、親指の腹がちゃんと接地するから緊張するほどではありません」(岡崎さん)

ストレートで幅広いバーハンドル。ちょっと腰高なポジション。またがっただけでオフロード気分が盛り上がります。デザインのディテールにも、アウトドアっぽいタフさと最新シティコミューターらしいスタイリッシュさ、そしてバイクならではのメカメカしい感じが絶妙にミックスされていて、見応えがありますよね!

思わず”バイク”という言葉を使いましたが、このADV150は乗り味がとってもバイクっぽいんです。自分流に言えば”単車”って感じ(笑)。スクーターというよりは単車感の方が強くて、私はすごく気に入りました。

え? “単車感”がよく分からない? そうですよね(笑)。ダイレクトな操作感って言えばいいのかな。こちらの操作に対する反応にモッサリしたところがなく、なおかつハンドリングがニュートラルなこと……あたりが、自分の思う”単車感”。れっきとしたAT車でありながらこれだけ単車感を醸し出しているADV150、結構すごいバイクだと思います。

―― カラーバリエーションは、ゲイエティーレッド(左)、 マットガンパウダーブラックメタリック(中)、マットメテオライトブラウンメタリック(右)の3色。

ADV150のディテールをチェック

―― 【骨格から見直しを図り機能とデザインの両面で個性をアピール】PCX150のフレームをベースに、シートレール後端のクロスメンバーを専用設計。剛性バランスを最適化し個性的な外観も実現している。スイングアームはタフさを表現した形状。

―― 【PCXで定評あるエンジンに専用設計の吸気管を採用しトルクアップ】PCX採用のエンジン“eSP”をベースに、低速走行時の力強さと荒れた路面での扱いやすさに配慮して出力特性を作り込んでいる。吸気管は専用設計で、低~中回転域のトルクアップを果たしている。

―― 【駆動系に専用設計を施すことでよりダイレクトな加速特性を実現した】ウエイトローラーのセッティングやドリブンフェイススプリングのインストール荷重を専用とすることで、変速タイミングと過渡特性を最適化。リニアなトルクの立ち上がり特性と力強い加速感を両立。

―― 【悪路走破性やライダーの疲労軽減に配慮した専用ジオメトリー】街中の凸凹路を考慮した165mmの最低地上高、見通しのよい視点を実現する795mmのシート高など専用ジオメトリーを採用。アップライトなポジションがライダーの疲労を軽減。

―― 「(左)フロントサスペンションは正立式で、ストロークは130mm。接地感が豊かでサスの動きが分かりやすいので、コーナリングが楽しい! コントロールする歓びが味わえます。(右)リザーバータンクがカッコいいリヤサスペンションは120mmのストロークを確保しています。乗り心地はとても上質で、路面の凸凹もしなやかにいなしてくれます」(岡崎さん)

―― 【急ブレーキをいち早く後続車に伝え追突事故を防止するシステムを採用】走行時の急ブレーキを検出するとウインカーリレーがハザードランプを高速点滅させるエマージェンシーストップシグナルを採用。後続車に注意を促すことで追突を防止する仕組み。

―― 「堂々としたフォルムのADV150ですが、ハンドル位置がほどよい高さで切れ角も十分に確保されてるので、取り回しはラク。車重も134kgと決して重くはないので、女子の私でも困る場面はありませんでした」(岡崎さん)

次ページでは、岡崎静夏さんがADV150に試乗。そのインプレッションをお届けする。



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◆〈連載〉岡崎静夏がじっくり乗ってみました

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