2018年3月15日、グッドイヤーは最新のタイヤ技術を投入した、新コンセプトタイヤ、EV用タイヤなど開発中のテクノロジーを採用したタイヤをジュネーブ国際モーターショーで発表した。
■電気自動車用タイヤ(プロトタイプ)
【ジュネーブモーターショー】アウディ初の電気自動車「e-tron」SUVプロトタイプが市内を走行
電気自動車用のタイヤとして開発されたのは、「EfficientGrip Performance(エフィシェントグリップ パフォーマンス)」のプロトタイプ・タイヤだ。
グッドイヤーの試験によると、従来のタイヤでは電気自動車は電動モーターからの強力で瞬間的なトルクの立ち上がりと、重いバッテリーパックを積載していることによる車両重量増などのため、最大で30%早く摩耗する可能性があるという。
そのため、急速に進む電気自動車の普及に合わせ、特徴的な性能要件に対応するため、2019年の導入に向け、自動車メーカーと協力しながら専用タイヤを開発中としている。
自動車メーカーは電気自動車用のタイヤとして、タイヤの耐久性要件に加え、転がり抵抗を低減することを求めている。電気自動車の走行可能距離を伸ばすことは消費者にとって、優先順位が高いからだ。また、電気自動車から発生するノイズは、従来のガソリン車に比べ、低速走行時には、ほぼ半分になるので、タイヤにおける静粛性や乗り心地も考慮すべき点としている。
こうした要求に合わせて開発されているのが、プロトタイプ・タイヤの「エフィシェントグリップ パフォーマンス」だ。このタイヤは、幅狭・大径で、トレッドは浅いサイプ(小さな溝)を備え、従来よりも路面に対し横方向にトレッドゴムの面積を拡大している。
より広い面積のトレッドゴムが路面に接地するため、タイヤは濡れた路面でも高いグリップ性能を維持しながら、高いレベルの駆動トルクを発生させることができ、転がり抵抗も低減させている。また、このタイヤは音波がトレッドの溝に入るのを防ぎ、タイヤの車内音および通過ノイズも低減させている。
そしてタイヤの断面形状は、最適なトレッド接地形状を維持しながら、重い車両重量に対応できるように高負荷荷重構造となっている。
トレッドのコンパウンドは、超低転がり抵抗実現のために特別に開発され、高レベルのトルクに対応しながら車両の走行可能距離の延長に寄与している。さらに、サイドウォールは空気抵抗を低減するように設計されており、プロファイルは回転質量を低減し、結果としてエネルギー消費を低減させることができるようになっている。
■常時通信ができるインテリジェント・タイヤ(プロトタイプ)
インテリジェント・タイヤと呼ばれるこのプロトタイプは、内蔵センサーやクラウドなどを駆使したタイヤ情報システムで、フリート・オペレーター(レンタカー、シェアリングカーや社用車の管理者)は、モバイルアプリを使ってリアルタイムでタイヤに関する情報を共有できるようになっている。
グッドイヤー欧州・アフリカ・中東担当のクリス・デラニー社長は、「カーシェアリングが普及し続ける中、クルマ1台あたりの走行距離が、今後数年で大幅に増加することが見込まれます。シェアードモビリティ事業者にとって、タイヤサービスの問題を積極的に管理することは、きわめて重要です」と語る。
インテリジェント・タイヤのプロトタイプは、インターネット常時接続により、リアルタイムのデータ共有を可能にし、より安全でコスト効率の高い、そして稼働時間の最大化を実現させるタイヤだ。
インテリジェント・タイヤのセンサーは、車両情報以外にサードパーティーの情報なども独自アルゴリズムにリアルタイムデータとして提供が可能だ。その結果、タイヤの摩耗、温度、圧力を含むタイヤ情報は常に更新され、フリート・オペレーターはこの情報をモニターすることができる。
「タイヤの性能や摩耗情報により、寿命や燃費などを予測し、メンテナンスを必要とするときにはアルタイムで信号を発信することができます。このような先を見越したメンテナンスにより、フリート・オペレーターは、タイヤのサービス問題を正確に把握し、事前に対処することができます」とクリス・デラニー社長は語る。
シェアードモビリティ市場は、消費者のコスト削減と利便性向上の需要を踏まえて成長を続けており、2015年にはシェアードモビリティによる走行距離が、全車両の走行距離の4%を占めるに至っているという。そして2030年までに25%を超えると予測されており、カーシェアリング市場に向けてのタイヤメーカーとしての対応は不可欠なのである。
■コンセプト・タイヤ「Oxygene(オキシジェン)」
「オキシジェン」と名付けられたこのコンセプト・タイヤは、サイドウォール内で苔を生息させるというユニークな特徴を持つ構造になっている。この特殊なタイヤの構造とトレッドデザインにより、路面から水滴や水分を吸収して循環させるようになっており、苔によって光合成が発生し、空気中に酸素を放出することができる。そのために「オキシジェン(酸素)」という名称になっており、走行することで空気を浄化できるタイヤというコンセプトだ。
世界保健機関(WHO)によれば、現在都市地域に住む人々の80%以上がWHOの基準を超えるレベルの悪化した大気にさらされているという。
クリス・デラニー社長は、「2050年までに世界の人口の3分の2以上が都市地域に住むことが予想されており、都市地域での交通ネットワークの需要は大幅に増加することが予想されますが、よりスマートでより環境に優しいインフラ、交通手段は、都市型モビリティにとって最重要課題です」と語っている。
「オキシジェン」コンセプトは循環型社会に適合し、材料の廃棄物、排出物、エネルギー損失を減らすことに重点を置き、新しい発想のもと、未来の都市景観にシームレスに統合されるように想定されている。
「オキシジェン」コンセプトの特長は、独自のトレッドを通して路面から水分を吸収し、同時に空気中の二酸化炭素(CO2 )を取り込み、サイドウォールに生息させている苔の光合成を促すことで酸素を放出する。約250万台の車両が保有されるパリと同規模の都市で、このタイヤにより年間約3000トンの酸素を生成し、年間4000トン以上の二酸化炭素を吸収することができると試算されている。
またこのタイヤは、リサイクルタイヤのゴムパウダーを3D印刷した非空気圧(エアレス)構造を採用している。軽量で衝撃吸収性のあるこの構造により、高い耐久性、パンクなしで、最小限のメンテナンスで、安心できるモビリティを提供する。また、トレッドから水分を吸収することによりウェットグリップを向上させる、安全性も高められている。
さらに、光合成で発生するエネルギーを取り込み、オンボードセンサー、人工知能処理装置、サイドウォールにあるカスタマイズ可能なストリップライト(自発光装置)などの電子機器に、自家発電により電力を供給できる。ちなみにストリップライトは、クルマの車線変更やブレーキングの際に、色の変化によって道路利用者や歩行者に注意を促すことができる。
このタイヤには可視光通信システム(LiFi)を使用して、光速で大容量のモバイル接続を実現。LiFiを使用することでタイヤはインターネットに接続(IoT)できるようになり、スマートなモビリティ管理システムにとって重要な車両間(V2V)、車両とインフラ間(V2I)でのデータ交換が可能になるという。
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