バケットシートと専用サスを装備
ポンティアックはGMの5つのブランドのうち、シボレーより若干上のクラスを担う存在であり、中年婦人が乗る乗用車というような地味なイメージであったが、1950年代後半からは若者向けのスポーティなイメージを打ち出すようになった。
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【画像13枚】美しく仕上げられた2+2のディテールを見る!
1961年型から、ポンティアックのラインナップには、コンパクトカーのテンペストが加わった。1964年型からのテンペストはインターミディエイトに格上げされ、これとフルサイズの2本立てというのが、1960年代のポンティアックの基本構成となる。この頃のポンティアックを特徴づける縦配置のヘッドライトと2分割のフロントグリルは、1963年型のフルサイズから採用されたもので、1965年型からはテンペスト系にも導入されている。
1965年型のラインナップを大別すると、テンペスト系は下からテンペスト、テンペスト・カスタム、テンペスト・ルマンの3種類。GTOは既に存在していたが、未だオプション・パッケージ扱いで、独立した車種ではない。フルサイズは下からカタリナ、スターチーフ、ボンネビル、そしてこの序列からはすこし外れた扱いとなるグランプリの4種類があり、カタリナとグランプリはホイールベース121インチ(3073mm)、スターチーフとボンネビルは124インチ(3150mm)。2+2はカタリナのバリエーションで、GTO同様にオプションのスポーツ・パッケージとして設定されていたものである。その専用装備はバケットシートとヘビーデューティ・サスペンションなどで、421-cid(6.9L)のエンジンもセットとなっていた。
グランプリも同じようにカタリナをベースとしたスポーティかつラグジュアリーなモデルであるが、2+2はGTOの兄貴分といったイメージもある分、スポーティさに特化しており、一方グランプリは専用ルーフのボディを与えられるなど、ゴージャスさをも強調しているところが違いと言える。2+2の421ユニットは338hpの仕様が標準となるが、オプションで356hpのものと376hpのものが用意されており、他のフルサイズ車においても3バージョンともにオプションで搭載することが可能だった。
イマイチなモールド追加のない古い版のまま制作
ポンティアックのプロモーショナルモデルとそれを元にしたプラモデル(アニュアルキット)は1958年型以来AMTが手掛けていたが、途中からMPCに移行しており、AMT製は1965年型が最後となる。AMTによる1965年型のアニュアルキットはボンネビルだったが、後の再販時に2+2へと改修された。しかし2004年の再販ではボンネビルと2+2の両方が発売されているので、金型そのものを改修したのではないようだ。ここでお目にかけているのは、このAMT製1/25スケールのポンティアック・カタリナ2+2を制作した作品である。
前述のとおりカタリナとボンネビルではホイールベースが違うのだが、この2+2のキットは元々ボンネビルだっただけに、ボディサイズが若干ゆったりしたものとなっている。この他に1点、決定的なミスがあって、リアガーニッシュのロゴが「BONNEVILLE」から「PONTIAC」へ変更されるべきところ、何もモールドされていない。これは作例に使用したのが古いキットであるためで、2004年版では「PONTIAC」の文字が追加されている。しかしこの文字は汎用の書体を使用した大雑把なもので、実車とは印象が異なるため、作例では敢えてそのままとした。
キットはGMのフルサイズ車ならではのグラマラスなボディ形状を見事に再現している。組み立てで最も厄介なのは、ボディとウィンドウ、インテリア、フロアパネルの取り付け位置が曖昧で接着シロも少ないことである。ここは、ボディの内側に隔壁を設けて確実に取り付けられるようにした。関連してホイールの位置やトレッド、車高も調整。
タイヤはレベルの1965年型インパラから流用したもので、これは細身でハイトがあり、ストックらしさを出すのにとても効果的なものだ。ホワイトリボンは、白い粘着シートをサークルカッターで切り抜いて貼った。粘着シートを台紙から剥がすときに、リングの内側も一緒に剥がすのがコツで、タイヤの上で位置決めをしてから中央部を取り除くとリングが歪まない。
ボディカラーは純正の「MAIFAIR MAIZE」を、クレオスのC316 ホワイトFS17875を基調に、C4イエロー、C44タン、そして微量のブラックを調合して、やや濃いイメージで再現してある。仕上げはクレオスのスーパークリアーIIをコートして研ぎ出しを施した。ボディの微妙なキャラクターラインを殺さないため、下地から仕上げまで厚塗りにならないように注意して、研磨作業にも細心の注意を払っている。
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