GLAを、国内外の6モデルと比較
text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
メルセデス・ベンツGLAがフル・モデルチェンジされ、コンパクトSUVが一躍注目されることになった。
そこで、新型GLAのライバルとなろう全長4.4m前後で四輪駆動が設定されているモデルを中心に、各項目で対比してみることにした。
ここでピックアップしたのは、インポートカー、日本車を合計6モデル。前者は、BMW X2、ボルボXC40、さらに、全長こそ小さいがひとクラス上となるランドローバー・イヴォークはベースグレードがGLAと同じ価格帯にあるため含めてみた。
アウディQ3は新型が日本導入される前のため外してある。
日本車ではマツダCX-30、スバルXV、ちょっと小さいがホンダ・ヴェゼルを選んだ。
メルセデス・ベンツGLAが新型に切り替わったのを機に、これからSUVを狙っている方や口プロレスを楽しむ方のために11項目の比較データを用意している。
ボディサイズ
まずは、ボディの3サイズを見ていこう。ヨーロッパ勢の全幅はすべて1800mmを超えるのに対し、日本車は国内での取り回しを考えて、1800mm以下に抑えているのが特徴。
イヴォークは全長が短いが幅広で背高なことが分かる。
数値は全長・全幅・全高の順で記載。
GLA:4415×1835×1620mm
X2:4375×1825×1535mm
XC40:4425×1875×1660mm
イヴォーク:4380×1905×1650mm
CX-30:4395×1795×1540mm
XV:4465×1800×1550mm
ヴェゼル:4330×1770×1605mm
最低地上高
ほとんどのSUVはタウンユースが主となるが、時にはアウトドアを楽しむためにオフロードに踏み入れることになる。
その時に気になるのが最低地上高だ。新型GLAは、従来型に比べて50mmほども高くなっている点に注目したい。
いずれのモデルも高めに設えてあるが、クロカン・ファミリーのイヴォークはしっかりと212mmを確保している。
GLA:202mm(AMGライン:179mm)
X2:182mm
XC40:210mm
イヴォーク:212mm
CX-30:175mm
XV:200mm
ヴェゼル:170mm
荷室容量
アウトドアで使用されることが多いSUVだが、今回選んだモデルは全般的にコンパクトなボディサイズにまとめられているため、ラゲッジ・スペースは小さ目になる。
数値は定員乗車時と、後席を畳んだ時の容量を併記した。
新型GLAは従来型に比べて全長を15mm短縮し、ホイールベースを30mm延長。後席は140mmスライド可能となっている。
なおメーカー未発表の値についてはブランクにしてある。
GLA:425/1420L
X2:470/1355L
XC40:460/-L
イヴォーク:472/1156L(DRY)
CX-30:430/-L
XV:340/-L(2.0L車)
ヴェゼル:393/-L
車両重量
パフォーマンスを決める大きな要素となるのが車重だ。
しかし本格的な4WDシステムを備えるとどうしても重くなり、そのためイヴォークがダントツで重かった。
逆に乗用車寄りでコンパクトなヴェゼルは軽く仕上がっている。
GLA:1710kg
X2:1620-1680kg
XC40:1670-1690kg
イヴォーク:1840-1890kg
CX-30:1480-1550kg
XV:1530-1550kg
ヴェゼル:1350-1390kg
燃料タンク容量
直接的に性能には関係ないが、航続距離を左右する燃料タンクの容量にも注目してみたい。
だいたいが50~60Lのキャパシティを持つ。
ただ、スバルとホンダのハイブリッド・モデルは、バッテリーなどのハイブリ関係の機器が積まれるためちょっと小さめになる。
GLA:51L
X2:61L
XC40:53L
イヴォーク:65-67L
CX-30ディーゼル:48-51L
XV:48L
ヴェゼル:40L
最高出力
続いてパワーの肝となる最高出力に注目。
GLAでまず導入されるのは2Lディーゼルを積む200 dのため、2Lのモデルを中心にピックアップしてみた。
本項目では数値が高い順に並び替えている。
まずディーゼル・モデルでは、イヴォークD180がトップとなった。
イヴォークD180:180ps/4000rpm(1999ccディーゼル・ターボ)
GLA:150ps/3400-4400rpm(1950ccディーゼル・ターボ)
X2:150ps/4000rpm(1995ccディーゼル・ターボ)
CX-30:116ps/4000rpm(1756ccディーゼル・ターボ)
ガソリン・モデルではボルボXC40 T5が圧倒的な差を付けた。
XC40 T5:252ps/5500rpm(1968ccターボ)
イヴォークS P200:200ps/4500-6000rpm(1995ccターボ)
X2:192ps/5000rpm(1998ccターボ)
XC40 T4:190ps/4700rpm(1968ccターボ)
CX-30:180ps/6000rpm(1997cc SKYACTIV-X)
CX-30:156ps/6000rpm(1997cc NA)
XV:145ps/6000rpm(1995cc NAハイブリッド)
X2:140ps/4600rpm(1498ccターボ)
ヴェゼル:152ps(1496cc NAハイブリッドのシステム出力)
最大トルク
オフロードではパワーより厚いトルクが武器になる。この数値を見比べるとクルマの作り方が見えてくる。
本項目も数値が高い順に並び替えている。
ディーゼルでトップになったのはイヴォークで、2位のX2に大きな差を付けた。
イヴォーク:43.8kg-m/1750-2500rpm(1999ccディーゼル・ターボ)
X2:35.7kg-m/1750-2500rpm(1995ccディーゼル・ターボ)
GLA:32.6kg-m/1400-3200rpm(1950ccディーゼル・ターボ)
CX-30:27.5kg-m/1600-2600rpm(1756ccディーゼル・ターボ)
ガソリン・モデルではXC40 T5が最大数値をマークし、イヴォークが続いた。
XC40 T5:35.7kg-m/1800-4800rpm(1968ccターボ)
イヴォーク:32.6kg-m/1500-4000rpm(1995ccターボ)
XC40 T4:30.6kg-m/1400-4000rpm(1968ccターボ)
X2:28.6kg-m/1350-4600rpm(1998ccターボ)
X2:22.4kg-m/1480-4200rpm(1498ccターボ)
CX-30:22.8kg-m/3000rpm(1997cc SKYACTIV-X)
CX-30:20.3kg-m/4000rpm(1997cc NA)
XV:19.2kg-m/4000rpm(1995cc NAハイブリッド)
ヴェゼル:15.9kg-m(1496ccエンジン)/16.3kg-m(モーター)
トランスミッション
トランスミッションは、SUVの世界でも多段化が進み、8速ATさえ当たり前になってきたようだ。
そのなかにあって、イヴォークは9速ATを採用していることに注目したい。
一方で日本勢はCVTとATが使い分けられている。
GLA:8速DCT
X2 xドライブ20i MスポーツX:8速AT
X2 sドライブ18i:7速DCT
XC40:8速AT
イヴォーク:9速AT
CX-30:6速AT
XV:CVT
ヴェゼル:7速DCT(ハイブリッド車)
0-100km/h加速
駿足さを表わす物差しの1つが、0-100km/h加速だ(数値には欧州仕様値のデータを含む)。
ディーゼル・モデルではX2がベスト・タイムを記録。ガソリン・モデルではXC40 T5の速さが際立っている。
なお日本車の国内向け仕様は、カタログに記載がないため比較対象から除外した。
X2 xドライブ18d MスポーツX:7.7秒
GLA:8.9秒
イヴォーク:9.3秒(1999ccディーゼル・ターボ)
XC40 T5:6.5秒
X2 xドライブ20i MスポーツX:7.6秒
XC40 T4:8.5秒
イヴォーク:8.5秒(1995ccターボ)
X2 sドライブ18i:9.6秒
燃費
燃費性能を見ると日本車が上位を占めた。逆に、重いイヴォークはディーゼル、ガソリンとも厳しい結果に。
新型GLAは、WLTCモードで16.5km/Lをマークした。
なお、モデルにより旧規定のJC08で表示されているのでご注意を。JC08モードの約80%がWLTCモードの数値に近いのでご参考まで。
CX-30 XDプロアクティブ4WD:18.4km/L(WLTC)
GLA 200d:16.5km/L(WLTC)
X2 xドライブ18d M スポーツX:14.5km/L(WLTC)
イヴォークD180:12.8km/L(WLTC)
ヴェゼル・ハイブリッド:21.6~23.2km/L(JC08)
CX-30 X Lパッケージ4WD:15.8km/L(WLTC)
XV 2.0:15.0km/L(WLTC)
CX-30 20S 4WD:14.8km/L(WLTC)
XC40 T4:13.2km/L(JC08)
X2 sドライブ18i:13.0km/L(WLTC)
XC40 T5:12.4km/L(JC08)
X2 xドライブ20i MスポーツX:11.4km/L(WLTC)
イヴォークP200:8.9km/L(WLTC)
価格
502万円のプライスを掲げたGLA 200 d 4マティックと直接的なライバルを比べてみると、X2やXC40の4WDモデルはほぼ同じレンジに入る。
一方、日本車はマックスで300万円台半ばとなる。
気になるのがイヴォークの存在だ。基本的にひとクラス上の価格帯になるクルマだが、ベースグレードは戦略的な価格設定でお買い得感がある。
GLA 200d 4マティック:502万円
X2 sドライブ18i:451万円
X2 xドライブ20i MスポーツX:531万円
X2 xドライブ18d MスポーツX:552万円
XC40 T4:396万2037円
XC40 T4 AWDモメンタム:477万6852円
XC40 T5 AWDインスクリプション:569万3519円
イヴォークP200:472万円
イヴォークD180:535万円
CX-30 20S 4WD:262万9000円
CX-30 XDプロアクティブ4WD:312万4000円
CX-30 X Lパッケージ4WD:371万3600円
XV 2.0e-L アイサイト:265万1000円
XV 2.0e-S アイサイト:287万1000円
XV 2.0 アドバンス:292万6000円
ヴェゼル・ハイブリッドZホンダセンシング4WD:298万186円
ヴェゼル・ハイブリッド・ホンダセンシング4WD:272万5555円
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みんなのコメント
輸入車のイメージでGLAの方がランクが上の様な気がしてた。