独メルセデス・ベンツは1月7日、開発中の電動高級サルーン「EQS」にオプション採用される予定のデジタルコクピット「MBUXハイパースクリーン」を初公開した。
MBUX ハイパースクリーンは左右Aピラー間に渡る1m41cmもの大型曲面スクリーンで構成され、両端にはエアコンベントもビルトイン。ドライバーとパッセンジャーの正面はほぼ全てがデジタルパネルとなり、その面積は2,432.11平方センチメートルとコクピットの景色は従来から一新される。さらに、内部には12個のアクチュエーターが埋め込まれ、タッチ操作に対し振動でフィードバックするという。
スクリーンの大型化によって助手席専用のディスプレイが用意されることも大きな特徴。インフォテインメントシステムと同じくOLEDを採用した高輝度ディスプレイは、エンターテイメントも含め7つまでコンテンツをカスタマイズでき、パッセンジャー不在の場合は自動的に星空の画像を映すなど装飾パネルとして機能する。
機能面での進化も目覚ましい。MBUX ハイパースクリーンはネーミングのとおり、2018年に登場したAIによる音声認識機能を発展させたシステムだが、EQSへの搭載にあたりユーザーインターフェイスや学習能力が飛躍的に進化している。クルマのほとんどの機能をコントロール可能なのは当然として、「ゼロレイヤー」と呼ばれる階層構造を排したインターフェイスにより、AIがTPOに即した機能をあらかじめ呼び出し、ユーザーに提案してくれるのだ。
一例を挙げると、帰宅時いつも電話をかける相手がいる場合、平日の特定の時刻になると電話が表示され発信を提案する。あるいは、冷え込むとシートのホットストーンマッサージ機能を使用するドライバーには、一定の温度まで気温が下がるとマッサージの提案をするといった具合。こうした提案能力は学習により日々高度化していくから、さながらコンシェルジュが同乗しているかのようだ。
ドライブトレーン以外にも注目点が多数のEQS。デビューが今から待ち遠しい。
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