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ホンダF1田辺TDレース後会見:開幕2戦目の優勝は「開発陣も現場も高いモチベーションを保てるポジティブな結果」

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ホンダF1田辺TDレース後会見:開幕2戦目の優勝は「開発陣も現場も高いモチベーションを保てるポジティブな結果」

 突然の大雨、目まぐるしく変わる路面コンディションのなか、F1第2戦エミリア・ロマーニャGP決勝はマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がスタートで首位を奪い、そのまま逃げ切った。1991年のアイルトン・セナ以来30年ぶりのホンダドライバーの勝利に、ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは「ホンダ最終年の序盤のレースで勝てた」と率直な喜びを表明した。

 勝利の決め手となった3番グリッドからの素晴らしいスタートダッシュも、昨年の雨のトルコGPでの失敗からチームと協調して改善に取り組んだ結果だった。一方でセルジオ・ペレスを含む他の3台は、スピンや戦略ミスで期待された結果を残すことはできなかった。

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──開幕2戦目で、レッドブル・ホンダが優勝を果たしました。

田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):開幕戦はポールポジションを獲りながら勝利を逃した。今回はマックスが3番グリッドからスタートダッシュを決めて、優勝できました。今日は部分的に激しい雨が降ったうえに、徐々に路面が乾いていく非常に難しいコンディションでした。スピンやクラッシュが多発するなか、安定してきっちり走り切ってくれた。さすがだと改めて思いました。

──他の3台についてはいかがでしょうか?

田辺TD:ペレスはその難しい路面に足を取られたりして、ちょっと残念な結果に終わりました。2台でフォーメーションを組む展開になれたらよかったのですが。(ピエール)ガスリーは上位勢唯一となるエクストリームタイヤでのスタートが裏目に出て、大きく順位を落としてしまいました。7位は残念でしたが、アルファタウリ・ホンダの戦闘力は確認できました。最後尾の角田裕毅選手は水煙で前がよく見えないなか、いい走りをしてくれました。しかし中盤にスピンを喫して、ポイント獲得とはならなかったのは残念でした。

──角田選手の全交換したパワーユニット(PU)は、どのようなダメージの具合かわかりましたか。

田辺TD:いえ、まだ調べていません。レースが迫っていたので、交換作業を優先しました。第3戦まで1週間開きますので、その間に解析を進めます。

──パワーユニット自体は、難しいコンディションに対応できましたか?

田辺TD:ウェットから乾いていって刻々と路面コンディションが変化するなかで、エネルギーマネージメントの設定はきっちりできました。

──イモラでのホンダの勝利は1991年のアイルトン・セナ、ゲルハルト・ベルガーの1-2以来30年ぶりです。田辺さんはベルガー担当だったわけですが、今回の勝利の感想は?

田辺TD:第2期時代のイモラはモンツァ、スパ・フランコルシャンと並んで、F1を代表するパワーサーキットでした。(改修を受けた)今のイモラは純粋なパワーサーキットとは言い難いですが、それでも伝統のあるこのコースで、ホンダ最終年の序盤のレースで優勝できたのは、非常に嬉しく思っています。
──ウエットスタートは昨年の第14戦トルコGP以来ですが、昨年はスタートで失速し大きく出遅れました。今回スタートが非常にうまくいったのは、そこからの改善の成果でしょうか。レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表も「スタートに関しても、ホンダがこの冬に非常にいい仕事をしてくれた」と、言及していますが。

田辺TD:チームとスタート設定を検討し、トルコで何が悪かったのかを解析しました。車体側のクラッチコントロール、PU側のトルクの出し方、その合わせ技ですね。両者を最適な形で合わせ込むのは非常に複雑な領域なのですが、チームと協調してやってきた成果を今回出せました。難しい作業でしたが、やった甲斐がありました。

──開幕2戦目で優勝できました。ホンダにとっての意味は?

田辺TD:ここも勝てなかったら、開幕2連敗だった。その意味で2戦目の優勝は大きかったですね。昨年に比べ、相対的な戦闘力、特にメルセデスに対する競争力が増していることが結果として現れた。シーズンはまだこれから20戦以上ありますし、この時点での優勝は開発陣にとっても現場スタッフにとっても高いモチベーションを保てる、非常にポジティブな結果でした。

 ただメルセデスだけでなく、今季はマクラーレン、フェラーリも手強い存在として立ちはだかってきそうです。今の戦闘力を失うことなく、さらに開発を続けていかなければと思っています。

──2019年にレッドブルと組んでから、常に優勝を争えそうな状況は今季が初めてだと思いますが、田辺さんを始め現場スタッフの気持ちの持ちように変化はありますか。

田辺TD:特にはないですね。毎戦ベストを尽くす、ミスのない作業を行って、持てるものを最大限引き出す。それが我々の使命で、それは変わらないし、毎戦勝ちたいという気持ちにも変わりはありません。

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