生産準備は整った状態にある
執筆:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
【画像】次世代スマート コンセプト#1 現行の純EV版フォーフォーとEQフォーツーも 全54枚
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)
コンパクトカーで知られるスマートは、共同出資を行うジーリー・ホールディングのもとで、急進的な製品戦略が練られている。その新生スマート初のSUVとして、コンセプト#1が発表された。
ほぼ生産準備が整った状態にあるというコンセプトカーは、プレミアムな質感と先進的な技術に重きをおいた、純EVのクロスオーバー。2019年に内燃エンジンを完全に廃止したスマートとして、最初の純EVに特化したモデルとなる。
コンセプト#1は、全長4290mm、全幅1910mm、全高1698mmのボディを持つ見込み。親会社でもあるメルセデス・ベンツの電動コンパクト・クロスオーバー、EQAと同等のサイズとなる。
スマートというブランドにとっては、重要な新時代を告げるモデルになる。ジーリー・ホールディングス側はモデル開発の技術管理を担当し、メルセデス・ベンツは設計とデザインを担当するという。
デザイン部門のゴードン・ワグナー氏によれば、スマートとして認知できるカタチだけでなく、クールで大人なブランド・イメージを醸成するデザイン要素を与えたという。
ジーリーの純EVプラットフォームを採用
特徴となるのが、前後の短いオーバーハングと、パノラミック・サンルーフ、フレームレス・ドアなど。クロスオーバーとして堅牢さを感じさせる、下部のボディガードなどもスマートとしては目新しい。
サイドドアは観音開きでドアハンドルがなく、開閉はタッチセンサー式のライトパネル部で行う。このライトパネルは、個性的な前後のLEDライトに加えて、インテリア照明など、一連の「高誘目性ライト・ディスプレイ」と呼ばれる機能を構成するものだ。
タイヤはボディの四隅に置かれ、ホイールベースは2750mmと長い。そのおかげで車内空間は見た目以上に広々としており、量産版での定員は5名となる。
肘周りや足元の空間、荷室容量などは、より上位セグメントに該当するクルマに匹敵するという。フローティング・センターコンソールや、Bピラーレスのサイドガラス、大きなグラスルーフが開放的な雰囲気を生み出している。
コンセプト#1の技術的な詳細は、まだ公表されていない。だが次世代のスマート・モデルは、ジーリー・ホールディングスが開発した純EV専用プラットフォームを採用することは明らかになっている。
最高水準のダイナミックな操縦性と、パッシブ・セーフティを備えるという。急速充電や長寿命なバッテリー、無線通信でのソフトウェア・アップデートなども、スマートの特長に挙げられている。
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