MotoGP第16戦日本GPのMoto3クラスにワイルドカード参戦した山中琉聖(Estrella Galicia 0,0)は、1年型落ちのホンダNSF250RWでレースウイークに臨み、決勝ではバトルを繰り広げ14位でフィニッシュ。母国GPでポイントを獲得した。
2019年シーズン4度目のMoto3出場を果たした山中は初日、フリー走行2回目(FP2)で1分57秒543を記録し、総合21番手でレースウイークをスタートした。順位だけ見ると決して良いとは言えない内容だが、タイムで見るとトップから0.801秒差と1秒以内に接近していた。
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ちなみに、山中が駆っていた2018年型NSF250RWはレギュラーライダーたちと比べ、トップスピードの平均が最も速かったロレンツォ・ダラ・ポルタ(Leopard Racing)の218km/hより6km/h遅かった。
迎えた予選日の天候は雨となり、午前中のフリー走行3回目(FP3)はウエットコンディションでスタート。ここで山中は2分11秒340を記録し24番手で終える。3回の総合結果では初日の総合結果がベストタイムとなったため、総合21番手の山中は予選をQ1からスタートすることになった。
午後の予選を迎えると降っていた雨は止み、再びコンディションは変化していく。そんななか、山中はQ1を走り、2分11秒256で6番手。Q2進出にはポジションがふたつ足りなかった。最終的に山中は19番グリッドから決勝を戦うことになる。
山中は予選の状況を「FP3ではフィーリング的にまだまだ余裕があったので予選は楽しみでした。ですが、FP3から予選の間でコンディションが変わってしまい、自分もそれに反応できず、マシンのセッティング含めて難しい状況でした。うまく攻められず、Q2に行けなかったので悔しいです」と語る。
■戦闘力劣るもコーナリングで巻き返した山中
決勝レースではストレートスピードに苦戦するが、コーナーで挽回。ブレーキングの突っ込みとビクトリーコーナーの切り替えしを利用し、前を走るライダーをパスし、最終的にはポジションを5つ上げて14位でフィニッシュしてポイントを獲得した。
「レース的にはすごく満足しています」と山中は決勝の戦いを振り返る。
「自分が型落ちのバイクで、みんなより遅いなか、どうやってストレートで離されないように走るかをレース中に学べました。それによって自分が他と違うラインを走っていたのが影響し他車と接触などもありましたが、強いレースができたと自分のなかで思っています。自分的にはまだまだ納得はしていませんが、いいフィーリングでレースを終えられたと思います」
「ストレートで離されてしまうのは仕方ないので、ブレーキングでねじ込んだりしました。それでも抜けなかったので、ビクトリーコーナーの切り替えしで強引に抜くような感じにもなってしまいましたが、みんながやらないような抜き方もできたし、強いレースができたというのは自分にとって自信になりました。もっと勝負強くなって、自分がいたグループの前でゴールできればうれしかったのですが、今ある現状をベストで出せたので良かったと思います」
そんななかで反省点もあったと山中は語る。「最終ラップの最終コーナーで佐々木(歩夢)選手と(ニッコロ・)アントネッリ選手が接触していて、その際に真ん中で挟まれてしまいました。そこでうまくクロスをかけられていたら、小椋(藍)選手にもストレートで抜かれず、3つポジションは上にいけたというのがありました。そういうところでクロスラインを仕掛けられなかったので反省しています」
日本GPでのワイルドカード参戦を終えた山中は、11月のFIM CEVレプソルMoto3ジュニア世界選手権の最終戦バレンシアに挑む。そして2020年シーズンからはEstrella Galicia 0,0からMoto3クラスにフル参戦を開始する。
「2020年はマシンがみんなとイコールコンディション。まずはルーキー・オブ・ザ・イヤーを狙っていきます。毎戦ポイントを獲るのは難しいと思いますが、レースごとに成長していくというのが自分の目標です。まずは、シングルフィニッシュを毎戦できるようにし、そこから表彰台、優勝と少しずつ順々にステップアップしていきたいです」
戦闘力が決して高いとは言えないマシンで全力を尽くし、ポイントを獲得した山中。2020年シーズンのMoto3では各ラウンドで日本GP以上の勝負強さを見せてくれるはずだ。
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