現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > モデル統合で明暗分かれるアルファードとヴェルファイア。数字で見ても消える方は明らか

ここから本文です

モデル統合で明暗分かれるアルファードとヴェルファイア。数字で見ても消える方は明らか

掲載 29
モデル統合で明暗分かれるアルファードとヴェルファイア。数字で見ても消える方は明らか

元気なアルファード、元気のないヴェルファイア

新型コロナウイルスの影響で忘れがちかもしれませんが、トヨタは2020年5月よりすべての販売店で、全車種を取り扱うことができるようになりました。販売チャネルのために兄弟姉妹モデルを用意しなくてすむ、モデル統合に向けた動きが始まっているわけです。

たとえば、トヨタはフラッグシップ・ミニバンとして「アルファード」と「ヴェルファイア」という2つのモデルを用意していますが、将来的にはどちらかに統合する可能性が高そうです。もちろん、まったく別の名前とする可能性も否定できませんが、強力なブランド力があって広く認知されているどちらかの車名を使うと見るのが妥当でしょう。

では、どちらが優勢なのか? それは直近2020年8月の販売データが明確に示しています。アルファードの販売台数は7103台で前年比153.5%なのに対して、ヴェルファイアは1226台で前年比59.4%と明暗がはっきり。そもそもアルファードは、単月でいえばスライドドアの登録車のなかでもっとも売れているほどの人気を集めています。セレナよりも、フリードよりも、ヴォクシーよりもアルファードは売れているのです。

リセールバリューがヴェルファイア劣勢を加速させる

2020年上半期(1~6月)のデータを見ても、アルファードの販売台数は前年比103.8%の3万6597台、対してヴェルファイアは1万0697台で前年比51.5%と明らかにアルファード優勢。メカニズムは同等で、5月以降は販売店舗数も同条件だから、アルファードが売れている理由については、スタイリングが市場トレンドに合致したとしか言いようがありませんが、おそらくこの流れは加速するでしょう。

なぜなら、そろそろ「ヴェルファイアは消滅するかもしれない」とユーザーが感じ始めているからです。車名が残ることになんの意味があるのかといえば、リセールバリューへの影響が大きいと考えるのが妥当です。消滅してしまった車名というのはバリューが落ちるわけで、同じ価格・同じ機能のクルマのリセールバリュー(下取り価格・買取価格)が変わってしまう可能性があるのであれば、アルファードを選ぶのが人情です。

「勝ち馬に乗る」というマインドはとくに日本市場では影響力があります。今後も、よほどこだわりがない限りは、「名前が残りそうなほうを選ぶ」という方向で、トヨタの兄弟姉妹モデルの統合に影響を与えていくのではないでしょうか。

ルーミーが残りタンクが消えた。残るMクラスミニバンは…

この視点で見ていくと、9月にマイナーチェンジしたコンパクトミニバンの「ルーミー」と「タンク」は、2020年8月の販売台数でルーミーが5617台(前年比75.2%)、タンクが2792台(同46.8%)とダブルスコアで差がついています。今回のマイナーチェンジで「タンク」が廃止になり「ルーミー」が勝ち残りましたが、過去の販売状況からも見えていたわけです。

同じく8月の販売台数をMクラスミニバンでは、「ヴォクシー」が4639台(同67.4%)、ノアが3323台(同84.0%)、エスクァイアが1750台(同57.6%)となっています。ヴォクシーのほうがリードしていますが、前年比の勢いを見るとノアにも根強い支持がありそうで、この勝負を市場マインドだけで決するのは難しいかもしれません。

ユーザーとしては選択肢が多いほうが嬉しい面もありますが、メーカーとしては販売統合を進めるメリットのひとつに、チャネルのために差別化していた兄弟姉妹モデルの開発コストを削減できるという面があるわけで、モデル統合の流れに向かっているのは間違いありません。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)

※写真について
写真1枚目:アルファード
写真2枚目:ヴェルファイア
写真3枚目:ルーミーカスタム
写真4枚目:ルーミー
写真5枚目:タンク
写真6枚目:ヴォクシー
写真7枚目:ノア
写真8枚目:エスクァイア

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

山脈貫通!「新潟‐福島」結ぶ国道が建設着々 “延長21km・トンネル15本”におよぶ大規模道路いつ開通?
山脈貫通!「新潟‐福島」結ぶ国道が建設着々 “延長21km・トンネル15本”におよぶ大規模道路いつ開通?
乗りものニュース
昭和の名車とワーゲンがぎっしり…茨城県の江戸崎商店街でホコ天イベント
昭和の名車とワーゲンがぎっしり…茨城県の江戸崎商店街でホコ天イベント
レスポンス
ドゥカティ現行車では唯一!? 空冷Lツインを搭載する第2世代スクランブラー「アイコン」の魅力
ドゥカティ現行車では唯一!? 空冷Lツインを搭載する第2世代スクランブラー「アイコン」の魅力
バイクのニュース
ホーナーの言うことは「信用できない」とウォルフ。妻に対するFIAの調査の際に不信感を募らせたことを明かす
ホーナーの言うことは「信用できない」とウォルフ。妻に対するFIAの調査の際に不信感を募らせたことを明かす
AUTOSPORT web
バスドライバーを疲れさせる「プルプル運転」とは何か? 自動運転時代の落とし穴! 過剰な安全対策が招く危険とは
バスドライバーを疲れさせる「プルプル運転」とは何か? 自動運転時代の落とし穴! 過剰な安全対策が招く危険とは
Merkmal
46台の輸入EVが丸の内に集結!「JAIA カーボンニュートラル促進イベント」リポート
46台の輸入EVが丸の内に集結!「JAIA カーボンニュートラル促進イベント」リポート
LE VOLANT CARSMEET WEB
【プロカメラマン】が大量画像で記録!「腐っていたKLXが終に熟成!四国MSBR撮影後の修理と詰めの改良!」(最終回)  
【プロカメラマン】が大量画像で記録!「腐っていたKLXが終に熟成!四国MSBR撮影後の修理と詰めの改良!」(最終回)  
モーサイ
「運転席の横に“クルマが踊っている”スイッチがありますが、押したら滑りますか?」 謎のスイッチの意味は? 知らない「使い方」とは
「運転席の横に“クルマが踊っている”スイッチがありますが、押したら滑りますか?」 謎のスイッチの意味は? 知らない「使い方」とは
くるまのニュース
ホンダが全固体電池のパイロットラインを初公開。一連の生産工程を再現しながら徹底検証
ホンダが全固体電池のパイロットラインを初公開。一連の生産工程を再現しながら徹底検証
Webモーターマガジン
【東京オートサロン2024】アルピーヌ A110 R Turini A110 GT ジムカーナチャンピオンマシンなどを出展
【東京オートサロン2024】アルピーヌ A110 R Turini A110 GT ジムカーナチャンピオンマシンなどを出展
Auto Prove
ランボルギーニ、WEC参戦“休止”を発表。ハイパーカー、LMGT3共に撤退……IMSAとテメラリオGT3開発に専念か
ランボルギーニ、WEC参戦“休止”を発表。ハイパーカー、LMGT3共に撤退……IMSAとテメラリオGT3開発に専念か
motorsport.com 日本版
EVの充電がプラグを接続するだけに! Terra Chargeがプラグアンドチャージ対応EV充電器を2025年度から設置開始
EVの充電がプラグを接続するだけに! Terra Chargeがプラグアンドチャージ対応EV充電器を2025年度から設置開始
THE EV TIMES
世界最高峰のラリーストが日本に集結した! ラリージャパンのオープニングは2台同時走行のSSバトル!!
世界最高峰のラリーストが日本に集結した! ラリージャパンのオープニングは2台同時走行のSSバトル!!
WEB CARTOP
マツダが「超凄いロードスター」公開! 2Lで200馬力×幌仕様で登場!? こだわり“リアスポイラー”にも注目!? 限定で明かされた内容とは
マツダが「超凄いロードスター」公開! 2Lで200馬力×幌仕様で登場!? こだわり“リアスポイラー”にも注目!? 限定で明かされた内容とは
くるまのニュース
スタイリッシュでカッコイイ! アキュラ「ADX」世界初公開  1.5リッターVTECターボを搭載する全長4.7mの高級コンパクトSUV
スタイリッシュでカッコイイ! アキュラ「ADX」世界初公開 1.5リッターVTECターボを搭載する全長4.7mの高級コンパクトSUV
VAGUE
2億年前の石材を使ったベントレー!? 「テクスチャー表現」に匠のワザ光る4台
2億年前の石材を使ったベントレー!? 「テクスチャー表現」に匠のワザ光る4台
レスポンス
SS12は“安全上の問題”でキャンセルに。SS11を終えた時点でトヨタ勝田貴元は総合3番手|WRCラリージャパンDAY3午前
SS12は“安全上の問題”でキャンセルに。SS11を終えた時点でトヨタ勝田貴元は総合3番手|WRCラリージャパンDAY3午前
motorsport.com 日本版
トヨタ大逆転か、ヒョンデ初の3冠か。勝田貴元が握る、タイトル防衛のカギ【ラリージャパンの見どころ】
トヨタ大逆転か、ヒョンデ初の3冠か。勝田貴元が握る、タイトル防衛のカギ【ラリージャパンの見どころ】
AUTOSPORT web

みんなのコメント

29件
  • ハリアー買おうと思ったけど、やはり子供が小さいウチはスライドドアが便利だよなー。ドアパンしてしまう心配もないし。
  • クソ運営
    コメント入力しにくいのなんとかしろ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村