10月14~17日、WRC世界ラリー選手権第11戦がスペインで開催される。2年ぶりに実施される『ラリー・スペイン』は今回、フルターマック(舗装路)ラリーとして行われることになるが、そんな2021年の大会に向け、最高峰カテゴリーのWRCクラスに参戦するMスポーツ、ヒュンダイ、トヨタの各陣営から出場ドライバーたちの事前コメントが発表された。
2019年以来の開催が実現するラリー・スペインは今年も北東部コスタ・ドラダ(黄金海岸)のビーチリゾート、サロウを中心に行われる。一昨年までは大会最大の特徴であった、ターマックとグラベル(未舗装路)の“ミックスサーフェスラリー”が行なわれていたWRCスペイン・ラウンドだが、今季は2009年以降初めてオールターマックラリーへと姿を変える。
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そんな2021年のラリー・スペインは14日(木)の午前中にシェイクダウンが実施された後、翌15日(金)の朝から競技が開始され、初日は3本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行する。その中のSS1/SS4“ヴィラプラナ”は前回大会のパワーステージの逆走ステージだ。また、SS2/SS5“ラ・グラナデーヤ”は一部が過去に使われたステージと重なるが、基本的には新しいステージとなる。
ラリー2日目はサービスパークの北東エリアでSS7/SS10“サヴァラ”、SS8/SS11“ケロル-レス・ポブレス”、SS9/SS12“エル・モンメル”という2019年大会でも使われた定番の3本のステージを各2回走行。さらに1日の最後にはサロウの海岸近くで全長2.24kmの市街地ステージが行なわれる。
最終日の17日(日)はサロウの西側でSS14/SS16“サンタ・マリナ”と、SS15/SS17“リウデカニエス”という伝統的で人気のあるステージをサービスを挟んで各2回走行する予定だ。最終SS17はトップ5タイムを記録したドライバーとマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”となっている。
■Mスポーツ・フォードWRT
●ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)
「スペインは非常にスムーズで、速く流れるようなターマックステージがある美しいイベントだ。このクルマ(フィエスタWRC)でそこを運転するのはいつも楽しく感じる」
「これまでもフィエスタに適していたように思う。だから、フィンランドよりもはるかに力強いラリーをする必要があることを僕たちは知っている。チームとして良い結果を期待しているよ」
●アドリアン・フルモー(フォード・フィエスタWRC)
「スペインに戻ってこられて本当にうれしい。僕は2年前にフィエスタ・ラリー2でラリー・スペインに参加し、このイベントで良い経験をした」
「僕はコーナーで必要なラインがとても面白い、このターマックイベントが本当に好きだ。アレックス(アレクサンドル・コリア/コドライバー)との2回目のイベントだけど、とてもグリッピーなイベントだから一緒にペースを上げていきたいと思っている」
「僕らは良い結果を得たいと思っている。ターマックでこのクルマが本当に良いパフォーマンスを発揮することを知っており、他の人たちと戦うことができるようになりたいと思っているんだ」
■ヒュンダイ・シェル・モビスWRT
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)
「僕が初めてラリー・デ・エスパーニャに参加したときは、フルターマックのイベントだった。数年間ミックスサーフェスで行われたが、僕たちが戻ることになるのは以前のターマックだ」
「過去に見た有名ないくつかのステージに取り組むのを楽しみにしている。僕の好きなラリーだ。これらのWRCマシンで、流れるような道路を走るのはとても楽しいよ」
「よりサーキットスタイルのドライビングになるので、クリーンに効率よく行う必要があるし、スライドしすぎないように注意しなければならない。また、速くなるには信頼できる正確なペースノートも必要だ。こうしたタイプの道路では大きな差をつけるのが難しいからね」
●オット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)
「僕たちがラリー・デ・エスパーニャで3日間のターマック競技に出てからずいぶん経つ。これは超高速イベントで、僕は本当に楽しみにしている」
「この道路では完全でクリーンなドライビングが要求されるんだ。森のなかのルートはかなりスムーズでインカットする場所は多くない。天気は安定しているので、僕にとっては楽しめるイベントだ」
「2戦連続で表彰台フィニッシュを達成したから、スペインでハットトリックを決められたらいいだろうね。僕たちは今シーズンを強力な形で終えることを目指しているんだ」
●ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)
「2年間母国でラリーがなかったから、スペインでのドライビングに戻ることができてとてもうれしいよ。フルターマックイベントでのチャレンジを楽しみにしている」
「天気が良くなることを願っているよ。そうなればあそこには多くのファンが観に来るからね」
「マシンのセットアップを完璧にして、自信を持つ必要がある。そうすればラリーを大いに楽しめるよ。もしマシンにアンダーステアがでて、挙動が良くなかったら、ハッピーにはなれないだろうね。ラリー・デ・エスパーニャに戻るのが待ちきれないよ!」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)
「スペイン、そしてターマックラリーに戻れることをとても楽しみにしている。スペインのターマックステージは運転がとても楽しく感じられるので、ラリーの3日間がすべてターマックで行われることは歓迎する」
「また、今シーズン多くのラリーで強いられてきた、初日にルーズグラベルを掃除する作業が必要がないのも、僕たちにとってはいいことだ」
「チャンピオンシップに向けて、僕たちはまだ有利な位置にいる。スペインは、現実的に見てタイトルを獲得することが可能な最初のチャンスだし、そのために自分が何をすべきかはわかっている」
「優勝できるチャンスがあるのならば、そのために戦うし、それが僕たちの目標を達成するためのもっともシンプルな方法でもあるんだ」
●エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)
「ラリー・フィンランドでの優勝は、私たちにとって素晴らしい結果だった。ドライバーズタイトル争いに関しては依然厳しい状況にあるが、スペインでもう一度ベストを尽くし最高の結果を出したいと思っている」
「スペインのターマックステージは本当に素晴らしいので、今回はオールターマックのイベントに出場できるのがとても楽しみなんだ。これまでヤリスWRCで走ってきたターマックラリーでは、路面がかなり汚れていたり、グリップが低かったりすることが多かったので、このクルマでスペインのグリップの高い道を走るのが楽しみだよ」
「とはいえ、この時期スペインであっても天候に恵まれドライコンディションになるとは限りません。もし雨が降ったとしたら、以前のラリーのように非常にトリッキーで難しいイベントになる可能性がある」
●カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)
「スペインはWRC2に参戦していた時に2回出場した経験があるが、自分はターマック路面を走行する日の方が好きだったので、ふたたび完全なターマックのラリーとして行われるのはポジティブなことだ」
「もし天気が良ければ、本当に素晴らしいラリーになるだろう。とても高速で流れるようなコーナーが多く、他のターマックラリーとは少し違うんだ。どちらかというとサーキットに近い道なので、正確なドライビングが求められるが、うまくいったときは本当に楽しる」
「ベルギーのイープルとはステージのキャラクターがかなり違うけど、ターマック仕様のクルマに良いフィーリングを感じていたので、今回のスペインでもそれを再現し、自分たちとチームのために良い結果を残したいと思っているよ」
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