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トヨタの新型 EV「bZ4X」の概要が明らかに。2022年半ばに世界主要市場に投入予定

掲載 更新 12
トヨタの新型 EV「bZ4X」の概要が明らかに。2022年半ばに世界主要市場に投入予定

トヨタが新型電気自動車「bZ」シリーズの第1弾となる「bZ4X」の車両概要を発表。BEV専用プラットフォームに新開発のモーター駆動を採用し、航続距離は最大約500kmを達成

 トヨタ自動車は2021年10月29日、新型電気自動車「bZ」シリーズの第1弾となる「bZ4X」の車両概要を発表した。

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“beyond Zero(ゼロを超えた価値)”を意味する「bZ」のシリーズ名を冠したトヨタの新世代BEV(Battery Electric Vehicle=電気自動車)は、以下の価値の具現化を目標に掲げる。
1.You&Others:ヒトとヒト
 快適な移動空間に加え、大切な家族や仲間と過ごすかけがえのない時間と新しいライフスタイルを提供。
2. You&Your Car:ヒトとクルマ
 BEVならではの運転の楽しさ、可能性を期待させるワクワク感の提供。
3. You&the Environment:ヒトと地球
 CO2排出量など、マイナスを減らすだけではなくプラスを生み出す。
4. You&Society:ヒトと社会
 安心・安全な社会づくりへの貢献。
 今回発表されたbZ4Xは、これらを踏まえて開発した、bZシリーズの第1弾となるミディアムセグメントSUV型の BEVだ。車両コンセプトは「Activity Hub」。新しい時代を迎えるクルマとして、乗員全員が一緒に楽しい時間や空間を共有できる“絆”のような役割を担いたいという意志を込めている。

 設定された目標価値に即して、bZ4Xの特徴を解説していこう。
 まず「You&Others:ヒトとヒト」では、快適な移動空間に加え、大切な家族や仲間と過ごすかけがえのない時間と新しいライフスタイルの提供を目指す。基本骨格に関しては、e-TNGAの考え方に基づく、新開発のBEV専用プラットフォームを採用。その効果で、CセグメントのSUVながらDセグメントセダン並みのタンデムディスタンス(前後シート間距離)1000mmを確保し、合わせて前後ともクラストップレベルの足もとスペースを創出する。また、低い位置のインストルメントパネルや大開口パノラマルーフ(装着車を設定)により高い開放感を演出したうえで、インパネ自体に落ち着いたイメージのファブリックを張り、自宅にいるような居心地の良さを実現。さらに、遮音性の高いガラスの装着や風切り音の抑制などにより、走行中でも明瞭な会話が可能な静粛性を成し遂げた。
 安心して使えるBEV性能を採用したことも訴求点だ。空力性能の追求やボディユニットの軽量化に加えて、走行以外の消費エネルギー、とくに冬場の暖房による消費電力を減らす目的で、ヒートポンプ式エアコンやシートヒーター、ステアリングヒーター、前席乗員足もとの輻射ヒーター(トヨタ車初)などを組み込み、走行時の省エネ性能向上と実用上の航続距離の確保を達成する。また、充電に関してはAC充電器で最大出力6.6kW、DC充電で最大出力150kWを確保したうえで、世界各地域の高出力充電に対応(150kWのDC急速充電では約30分で充電量80%まで充電可能)させた。

 次に「You&Your Car:ヒトとクルマ」では、BEVならではの運転の楽しさ、可能性を期待させるワクワク感の提供を目指す。また、開発に際してはSUBARUと共同で実施し、「電動車は退屈」という常識を覆す、滑らかで意のままになる走行性能と、本格SUVとしての走破性を徹底して磨き上げた。
 新開発のBEV専用プラットフォームは、低重心化と高剛性化を積極的に推進する。低重心化では、薄型大容量電池パックを床下・平置きで配置し、合わせてトヨタ車で初めてモーター/トランスアクスル/インバーターを一体化したe-Axleや、充電機能と電力分配機能を集約したElectricity Supply Unit(ESU)を採用。高剛性化では、主要骨格部位にホットスタンプ材および高張力鋼板を用いた新ボディ構造を導入し、同時に電池パックとその周辺、BEVユニットやラジエータ搭載部、前後サスペンション(前ストラット式/後ダブルウィッシュボーン式)まわりなど、各部の剛性向上を図った。
 モーター駆動の特性を活かした走りを高度に具現化したこともトピックだ。パワーユニットはFWD車が最大出力150kWのフロントモーターと総電力71.4kWhのリチウムイオン電池、4WD車が最大出力80kWのフロントモーターと最大出力80kWのリアモーター、総電力71.4kWhのリチウムイオン電池で構成。性能面では、0→100km/h加速がFWD車で8.4秒、4WD車で7.7秒を実現し、また一充電走行距離(WLTCモード)はFWD車で500km前後、4WD車で460km前後を確保する。さらに、素早いレスポンスやリニアな加速感、高精度な出力制御(加減速のコントロールとドライバーのペダル操作の軽減、滑りやすい路面のスリップ抑制制御など)を成し遂げた。そして、4WD車にはSUBARUのAWD技術であるX-MODEを採用。合わせて、X-MODEの新たな機能としてGrip-Controlを新開発して組み込んだ。

 エクステリアに関しては“Hi-Tech and Emotion”というデザインコンセプトのもと、BEVの斬新さとSUVの迫力を巧みに融合させる。基本プロポーションは、スポーティなクーペ風フォルムと力強いSUVフォルムをクロスオーバーさせた造形で構成。ボディサイズは全長4690×全幅1860×全高1650(アンテナ含)mm/ホイールベース2850mmに設定した。
 各部のアレンジにも徹底してこだわる。フロント部は従来車のラジエータを象徴したセンター強調のテーマとは異なる、空力アイテムを織り込んだコーナー部と上下に薄いバンパー形状により、BEVの独自性を表現。また、フードからヘッドランプ上部へと連続する特徴的なハンマーヘッド形状でオリジナリティ性を強調する。一方でサイドビューは、四隅に配したタイヤによる長いホイールベースを活かしたスリークなプロポーションと、リフトアップしたSUVらしさの融合によって新しいシルエットを創出。そしてリアセクションは、コンビネーションランプやバックドア、バンパーなどをタイヤへと向かう台形の形状でデザインし、低重心かつ力強いスタンスを表現した。

 コクピットのアレンジも要注目だ。メーターをステアリングホイールの上側を通して見えるように配置したトップマウントメーターをトヨタ車で初採用。視線移動を少なく遠視点化し、ドライバーからの見やすさを引き上げる。また、ステアリングコラムを含めた運転操作系を効率的にモジュール化し、手もとからメーターの視線誘導を促す羽衣のような形状に仕立てた。さらに、シフトにはより直感的で簡便な操作が可能な新デザインのダイヤル式を配備している。
 ステアリングホイールとタイヤの間にメカニカルな結合のないステアバイワイヤシステムと、回転角度を持ち替え不要な約±150°に設定した異形ステアリングホイールを組み合わせる、新デザインのワンモーショングリップを設定したこともアピールポイントだ。ステアリング特性としては、ドライバーが感じる操舵トルクと、タイヤの転舵角度を独立に制御することで、操舵感の向上やタイヤからの不要な振動の遮断を実現。また、ドライブモードセレクトと連動してステアリング特性を最適化する機構も組み込む。足もとの空間が広がり、ドライビングポジションの自由度や乗降性の向上を果たしたことも特徴だ。
 最新のインフォテインメントシステムも豊富に盛り込む。マルチメディアシステムには、クラウド上の地図情報を活用して交通情報や駐車場の空き情報をリアルタイムで取得する コネクティッドナビを採用。通常のナビゲーション機能に加え、移動支援や充電施設表示、航続可能エリア表示など、BEV専用の機能にも対応する。また、ワイパーやエアコンなども作動可能な音声認識機能や、OTA(Over the Air、無線通信)によるソフトウェアアップデート機能なども装備。さらに、スマートフォンを携帯していれば画面操作なしでロック、アンロック、システムスタートが可能なデジタルキーを設定した。

 3点目の「You&the Environment:ヒトと地球」では、リサイクルをはじめとするCO2低減へのより積極的な取り組みを果たすとともに、エネルギーを生み出す仕組みも新規に採用する。CO2低減では、電池の3R(Rebuilt、Reuse、Recycle)、具体的には世界トップレベルの電池容量維持率を確保したうえで、電池のリビルト(検査・再組立て)やリユース、リサイクルを鋭意推進。また、製造時にはリサイクル素材を積極的に取り入れる。一方、エネルギーの創出ではルーフソーラーパネルを設定。1年間で走行距離1800km(社内試算値)に相当する発電量を生成し、航続可能距離の延長に貢献する。また、充電スタンドがない駐車場などでも充電が可能なほか、災害時など緊急時でも太陽光による充電を可能とした。

 4点目の「You&Society:ヒトと社会」では、最新のToyota Safety Senseや高度運転支援技術アドバンストパーク[Toyota Teammate Advanced Park](リモート機能付き)などを採用したことがトピックだ。また、BEVに求められる安全性も徹底追求。衝突安全性能では、BEVユニットコンパートメントに左右のフロントサイドメンバーを強固につなぐクロス骨格を設定し、合わせて床下の電池パック全面搭載を実現する目的でキャビン前側に強固な枠骨格を形成したり、車両前方に2つのクロス部材を配置したりする。さらに、前面衝突・側面衝突それぞれにおいてキャビンや電池パックを安定的に保護するため、衝突時の入力荷重を複数経路に分散させる構造を採用した。一方で、電池自体の安全性の向上も実施。具体的には、電池の電圧・電流・温度の多重監視や、電池パックの冷却液が漏れても電池に冷却液が触れない構造設計、電池に冷却液が触れても短絡(ショート)での発火を防ぐ高抵抗タイプの冷却液の新採用、ボディと一体となり万一の衝突時の保護性能確保に寄与する新大容量電池パックの搭載などを行う。さらに、セルの異常発熱の原因となる異物が混入したとしても異常発熱しない設計を施したうえで、異物混入を排除する製造プロセスを徹底した。

 なお、トヨタ自動車はbZ4Xを2022年年央から、日本、北米、中国、欧州など各地域に導入する予定とアナウンス。また、SUBARUでは「ソルテラ(SOLTERRA)」の車名で市販化する計画である。

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12件
  • アリアより高いか安いかで売れ行きが決まると思うけど
  • 電動電動ってうるさい国から
    まずは攻め落とす気でしょう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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