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MINIクーパーSE 3ドアと初ドライブ。ポップなデジタルワールドはのんびり走っても刺激的だった【スタッフブログ ちょこっと試乗スペシャル】

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MINIクーパーSE 3ドアと初ドライブ。ポップなデジタルワールドはのんびり走っても刺激的だった【スタッフブログ ちょこっと試乗スペシャル】

第4世代となるMINIシリーズの本道は、フルバッテリーEVとしてのモデル展開にあります。今回はそのハイスペック版であるMINI クーパーSE 3ドアに初試乗。高速道路と一般道を中心に、日常的な使い方での魅力をチェックしてみました。走りとともにインターフェイスやエンターテインメントなど全域でのデジタライズには、確かにこれまでにない刺激が満ち溢れているように思えます。(写真:佐藤正巳)

デジタルネイティブの感性に響く、多彩なアピール
夜、目にする新型MINIのたたずまいはずばり、キラキラ&スマートです。丸目のLEDヘッドライトにはアダプティブ・ライトとハイビームアシスタントを標準装備。3つのパターンから選択できるシグニチャー・ライトや、車両に近づいたり離れたりするとまるで挨拶をするかのように前後ライトが点滅するWelcome/Good-byeライトといった、豊かな「表情」も備えています。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

一方で明るい時間に見る新型MINIは、非常にクリーンな印象が強調されているように思えます。とくにクーパーE/クーパーSEという電気モーターで駆動するモデルは、ボンネット・スクープ、サイド・スカットル、ホイール・アーチの加飾、ロッド・アンテナ等が廃されたことで、圧倒的にシンプルなたたずまいになりました。

フラッシュ・サーフェス化されたドアノブや、シャークフィンアンテナなど、空力にも配慮した差別化が徹底されました。八角形のフロントグリル、カタチそのものはクラシカルなヘッドライトなど、受け継ぐべきものは受け継ぎながらも、明確に「ジェネレーションギャップ」を誇っている・・・そんな、デザイナーの主義主張を感じさせるデザインです。

もっとも、旧世代のMINIに慣れてきた層にしてみれば、斬新なルックスはまだ序の口です。さらにわかりやすく?途方に暮れるのがインテリアのデジタライズによるギャップ感でしょう。

モチーフこそ伝統に則る部分があるとは言え、センターコンソール部分にはエンジンスタート・ストップやシフト、MINIエクスペリエンス・モードを切り替える各種トグルスイッチ(このあたりには伝統も感じさせますが)など、最小限の物理的操作機能しか残されていません。

空調、エンターテインメント機能、電話やAR機能付きナビゲーション、各種設定などは、すべて直径24cmという大きな円形センター・ディスプレイを介して操作します。質感の高いクリアガラスや高精細のディスプレイなど、見た目はシンプルですが非常にクオリティの高いインターフェイスとして完成されています。

初めて乗り込んだ時には、数種類の機能、アピアランスに切り替えることができるMNIエクスペリエンス・モードの選択にまずは悩みました。次に戸惑ったのが、スマホライクなタッチ、スワイプ、ピッチの操作ロジックです。もっとも、ある程度のお作法さえつかめれば、だいたい必要な操作手順がイメージできるあたりもまた、スマホライクです。

慣れ始めたころにAndroid Autoで個人スマホとの連携を試みましたが、意外に簡単に設定することができました。とりあえず操作系に関するジェネレーションギャップを多少なりとも埋めたところで、集合場所までのドライブにスタートしました。

リニアかつトルクフルな電気モーターの力を使いこなせる
新型MINI Cooper SE 3ドアは、最高出力160kW(215ps)、最大トルク330Nmを発揮する電気モーターで、前輪を駆動します。ガソリン仕様のクーパーSに対して、最高出力で10kW、トルクで30Nmのアドバンテージが与えられました。

車両重量は1640kgとICE版よりも300kg以上重くなっていますが、0→100km/h加速はわずかに6.7秒。普通の感覚で「遅い」わけがありません。先に試乗していたICE版クーパーSでも、そのシームレスなエンジンフィーリングに感心させられましたが、BEV版の方はさらにアクセルワークに対する反応がシャープでダイレクトです。

結果、高出力なBEVとしてそれなりにアクセルの踏み込み具合には気を使うことになります。もっとも、そのあたりはさすがにMINI。スポーティな前輪駆動を制するツボとコツをしっかり踏まえた上での、「ほどよい刺激」を楽しむことができました。ちなみに試乗車はミシュランのe-プライマシーを履いていました。

乗り味については、MINIらしさをほどよく残しながらも、新しい世代の快適性にも配慮したセッティングと言えるでしょう。

ボディ床下に配されたリチウム・イオン・バッテリーの容量は136.0Ah/54.2kWh、専用プラットフォームの採用と合わせて、ICE以上の重心の低さが機敏かつ安定した挙動につながっていることで、電気モーターのリニアリティをしっかり生かすことのできるドライバビリティを実現しています。

あえて贅沢を言うなら、ブレーキの回生力をパドルなどで何段階か制御できるといいかもしれません。

路面の状態によってはややヒョコヒョコとした落ち着きのなさを感じさせるシーンもありましたが、そのあたりは重いバッテリーを積んだBEVの宿命と考えれば納得のいく塩梅ではないかと思います。

気になる価格は、ICEのクーパーS比で見ると価格に上乗せされるのは68万円。CEV補助金(2024年度は最大85万円)だけでも実質逆転する計算であることを考えれば十分に、次期愛車としての選択肢になりうるはずです。操作系のイマドキ感も含めて、「MINI」の新たな地平はぜひ、デジタルネイティブな世代に試してみてもらいたいですね。

MINI Cooper SE 3 Door 主要諸元
●全長:3860mm
●全幅:1755mm
●全高:1460mm
●ホイールベース:2525mm
●パワーユニット:モーター
●最高出力:160kW
●最大トルク:330Nm
●バッテリー容量:136.0Ah/54.2kWh
●一充電走行距離:402km
●価格:531万円

[ アルバム : MINIクーパーSE 3ドアとのんびりドライブ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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