ダンサーのように表現力豊かで鋭く旋回する
フォード・フィエスタ STの複層的な体験は、表現が難しくもある。残りの4台にはない、個性的で特別な何かがある。ダンサーのように表現力が豊かで、絶妙な手応えを伴うステアリングホイールを介し、鋭く旋回していく。
【画像】過去10年のベスト・オブ・ベスト お手頃ドライバーズカー選手権 5台を写真で比較 全144枚
リアアクスルが耐えきれなくなり、ラインが外れていくプロセスも単純明快。右足の加減でオーバーステアも自由自在。唯一、問題になるほどではないが、トルクステアが存在するのだが。
ダイレクトでクイックな操縦性を発揮させるのに、サスペンション・スプリングへ過度に負荷を掛ける必要もない。スイートスポットは確かにかなり高い場所にあるが、その手前でもエンドレスに楽しめる。
筆者は大好物といえるフィエスタ STながら、審査員のイリヤ・バプラートはそこまででもないと話す。「ドライバーを見越したようなフォードのスポーティな味付けが、あまり好みではないんですよね。もう少し落ち着いていてもイイ」
個人的にはフィエスタ STが今回のベストかと想像していたが、結果は違った。マット・ソーンダースは、オレンジ色のマツダMX-5(ロードスター)に惚れ込んでいる。思い切りカウンターステアを当てながら。
マリオカートでピーチ姫を追い詰める大ボスのクッパのように、ニヤニヤ笑いながら攻め立てる。楽さが留まらないようだ。
空を舞う蝶のように優しくてしなやか
マツダ・ロードスターは、いわずと知れた金字塔だろう。2016年には、全世界で販売100万台を記録した。その偉業は更に伸び続けている。初代の登場は1989年で、現行型は4代目に当たる。
小さな高性能スポーツカーとしては、前例がないほどの多売といえる。控えめなパワーの2シーター・ロードスターが、すべてのドライバーのためのクルマだということを物語っている。
パッケージングは、時代を超越した方程式に則る。パワーは控えめながら、回るのが大好きな味わい深い自然吸気エンジンと、小気味良いマニュアル・トランスミッションが、比較的軽くバランスに優れた後輪駆動シャシーに載っている。
今回お借りした30thアニバーサリーという特別仕様の場合は、本気度の高いビルシュタイン・ダンパーが組まれ、LSDも備わる。だとしても、基本的なシンプルさは変わらない。英国でも2万5000ポンド(約420万円)から我がモノにできる。
ソーンダースは、「空を舞う蝶のように優しくてしなやか」だと、限界領域での操縦性を語る。ちょっと詩的だが、彼の気持ちは理解できる。
英国マツダはオレンジ色のロードスターに、エコ重視のブリジストン・トランザを履かせて届けた。ポテンザではなく。グリップが制限される一方で、本来のシャシーバランスを存分に堪能することができる。ドライビング体験も、より芳醇なものになる。
他のモデルで感じる小さな不一致感
両手と両足で、しなやかなシャシーを操る。ステアリングホイールのレシオも、クイック過ぎることはない。アクセルペダルでラインを探りながら、コーナリング・スタンスを調整していける。入力に対する反応はクリアでダイレクトだ。
マツダ・ロードスターを1度知ってしまうと、他のモデルで感じる小さな不一致感を看過できなくなってしまう。普段の小さなフラストレーションが、溜まり続けていくともいえる。たとえ、優れたフィエスタ STやトヨタGRヤリスだとしても。
ただし、ロードスターで果敢に攻め込んでいくと、路面変化に姿勢制御が追いつかなくなる場面もある。そこから、アンダーステアへ転じていく。ワインディングを縫うように果敢に走る、今回のホットハッチ2台へ追いつくことはできない。
走りに高速域での楽しさを追い求めないなら、ロードスターはド直球の正解だ。同時にもう少し路面を掴み、もう少しパワフルでも良いと、筆者は思う。
そして最後に残ったのは5台で最も登場の古いトヨタGT86(86)。2012年の発売時、英国では記載内容が誇大だとして広告規制局から指示が入り、広告が差し止めになった。しかし、トヨタは自らの新作がどんな内容なのか、はっきり理解していた。
誇大なんてことはなかった。率直にいって、楽しすぎた。
この続きは(4)にて。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
トヨタの「高級スポーティミニバン」がスゴい! 「走りが楽しい」反響多数!? 王道「アルファード」と異なる「個性」に注目! ヴェルは何が違う?
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
【悲報】マジかよ!? ホンダ二輪スポンサーのレプソルが2024年限りで契約解消へ
マジか…? 新制度導入で「車検」通らないかも!? 10月から始まった“新たな車検”何が変わった? 覚えておきたい「OBD検査」の正体とは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント