6.0L W12エンジン搭載の高性能クーペ
ベントレーは、コーチビルディング部門のマリナーによる特注モデル第2弾の開発を進めている。これは、歴史あるW12エンジンを称えるとともに、ベントレー初の純EVモデルのデザインを予見するものだ。
【画像】コーチビルド第2弾はどんなクルマ?【バカラルやコンチネンタルGTを写真で見る】 全92枚
フォルクスワーゲン・グループの6.0L W12エンジンは、アウディ、フォルクスワーゲン、ベントレーのフラッグシップモデルで使用され、今年で誕生20年を迎えた。現在はベントレーでのみ使用されているが、完全電動化のため、次のマリナー車の発売後まもなく引退する見込みだ。
ベントレーの関係者によると、この新型車はコンチネンタルGTクーペをベースとし(先のバカラルはコンバーチブルをベースとしていた)、特注のスタイリング、独自の駆動システム、高度なパーソナライズを特徴とするという。マリナーとベントレーの関係が始まってから80年目となる2023年に完成品を発表する予定だ。
150万ポンド(2億3000万円)のバカラルは12台すべてが完成前に完売するなど、オーダーメイドに対する強い需要を受けて、ハードトップの後継モデルでは生産台数を25台に増やす計画。価格はバカラルを上回ると思われ、ベントレーの製品群でも特に高価なものとなるだろう。
パワートレインはターボチャージャー付き12気筒エンジンの強化版で、バカラルやコンチネンタルGTスピードと同じチューニングが施されると考えられる。最高出力660ps、最大トルク90kg-mを発揮して、静止状態から4秒以内に100km/hまで加速し、最高速度は320km/hを超えると予想される。
シャシー構成はコンチネンタルGTスピードのものを引き継ぐだろう。同モデルでは、ハードなサスペンション、改良された4輪操舵システム、直径440mmのカーボンセラミック・ブレーキディスク、リアの電子ディファレンシャルによって、標準のコンチネンタルよりもダイナミックな性能を誇っている。
マリナー独自の独創的なデザイン
レンダリング画像にあるように、バカラルの後継モデルは、量産される標準ラインナップとは一線を画すために、抜本的なスタイリングの見直しが行われるはずだ。2019年に発表されたサステナビリティ重視のコンセプト「EXP 100 GT」の要素を取り入れつつ、ブランド初の純EVとして独自のデザイン要素を組み合わせると思われる。
シャープでアグレッシブなフロントエンドが特徴的で、ベントレーのトレードマークであるグリルデザインの新解釈、スリムなヘッドライト、角張ったエアインテークが採用される見込みだ。
開発の指揮を執るのは、元アウディのデザイナーであるアンドレアス・ミント。彼は、アウディがベントレーブランドを完全管理下に置き、両ブランド間の相乗効果を高める一環として今年初めにデザイン責任者に任命された。
アウディ在籍時のデザインで最も注目を集めたのは、同社初の量産型EV、eトロン(SUV)だった。そんなミントは、ベントレーにとって全くの新参者というわけではない。1999年に発表されたコンセプト「ユーノディエール」のエクステリアを担当し、後のブガッティ・ヴェイロンに大きな影響を与えたのだ。
マリナー第2弾では、ベントレーのデザインを抜本的に見直すことで、バカラルで示した持続可能性とエクスクルーシブなテーマに沿って奇抜なインテリアに仕上げるだろう。ラップアラウンド型のダッシュボードを採用し、後部座席を廃止して、5500年の歴史を持つ英国のリバーウッド、スコットランドのツイード、天然ウールなどの独自の素材で縁取られるのだ。
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みんなのコメント
アウディはベントレーを一刻も早く手放したいが、VWは配下に置いておきたい意向が有るのかも?