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レッドブル&HRC密着:今季初めて僚友を上回ったペレス「少し複雑な気持ち」トップ3を逃し悔やむも、代表は精神面の変化を指摘

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レッドブル&HRC密着:今季初めて僚友を上回ったペレス「少し複雑な気持ち」トップ3を逃し悔やむも、代表は精神面の変化を指摘

 セルジオ・ペレスがF1第17戦アゼルバイジャンGPの予選で4番手を獲得した。マックス・フェルスタッペンは6番手だったため、今シーズン初めて、アウト・クオリファイ(予選でチームメイトより上位のポジションを得ること)に成功した。

 今シーズンだけでなく、ペレスは昨シーズンも予選でのチーム内対決で2勝20敗と大きく負け越していた。このアゼルバイジャンGPが始まる前の時点でペレスが最後にフェルスタッペンに予選で勝ったのは、昨年の第5戦マイアミGPだった。つまり、今回の予選でペレスはじつに34戦ぶりにチームメートをアウト・クオリファイしたこととなる。

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 しかし、ペレスはフェルスタッペンを上回ったことを喜ぶよりも、トップ3に入るチャンスを逃したことを悔やんだ。

「2番手は可能だっただけに、少し複雑な気持ちだね。セクター2で少しハードに攻めてすぎて遅れてしまい、完璧にラップをまとめることができなかった。レースペースは悪くないから、日曜日はひたすら前を見て、持てる力を最大限発揮できることを願うだけだ」

 ペレスが長いトンネルを抜け出した理由のひとつは、バクー・シティ・サーキットの特殊性が考えられる。ロングストレートと直角コーナーが多いこのコースは、ほかのサーキットとは異なる攻略法が求められる。

 レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はこう語る。

「なぜ、チェコ(ペレスの愛称)がバクーで速いのかって? それは彼がガードレールやバリアに囲まれた市街地コースを得意としているからだよ。彼はいつもここで魔法のような走りを見せてきた」とストリートキングと呼ばれたエピソードを持ち出しつつ、精神的な面での変化にも次のように触れた。

「自信が蘇ったんだと思う。ここ数戦、自分だけでなく、マックスもRB20に苦しんでいるのを見て、『自分だけが問題を抱えているわけではない』ことに気づいたんだと思う。そのような状況はチームとしては最悪だったが、チェコにとっては心理的に救いになったようだ。なぜなら、その後、半インチほど背筋を伸ばして歩き始めたからね」

 これに対し、フェルスタッペンはバクーのようなコースレイアウトを不得意としている。あるエンジニアはこう語る。

「マックスはじつはブレーキングはそれほどハードではなく、どちらかというと立ち上がり重視のドライバーです。いわゆるスローイン・ファストアウトです。ブレーキではタイムが負けていて、立ち上がりで逆転していることのほうが多い」

「ただ、それはブレーキングが下手というよりは、ブレーキを遅らせることもできるけど、トータルのラップタイムで勝負しようと考えていて、そのためには立ち上がりをよくして、ストレートスピードを速くしているのだと思います。だからペレスだけでなく、かつてのチームメイトだったアレクサンダー・アルボンに対しても、ピエール・ガスリーに対しても、常にコーナーの入口で少し負けて、コーナーの真ん中で追いついて、立ち上がりで逆転していました」

 コーナーの立ち上がりを重視するフェルスタッペンが好むマシンバランスはニュートラル。この場合のニュートラルというのは、一般的には弱オーバーステアのこと。ただし、バリアに囲まれた市街地コースではマシンをクラッシュさせたくないため、チームはまず弱アンダーステアのバランスにセットアップして、そこからセッションごとにタイム出るよう、少しずつニュートラルにセットアップを変更していく。だが、その弱アンダーステアはフェルスタッペンが最も嫌うバランスだった。フェルスタッペンはバクーでわずか1勝しかしていないだけでなく、予選では一度もポールポジションを獲得していない理由でもある。

 予選6番手に終わったフェルスタッペンはこう振り返る。

「理由はわかっている。予選に向けていくつか変更を加えたけど、残念ながらそれが裏目に出てしまったんだ。Q1でコースに出た瞬間、クルマが少し運転しにくくなったように感じたんだからね。ストリートサーキットでは、コーナーを攻めるには自信が不可欠だから、完璧にセットアップしないといけないんだけど、それが今日はできなかった」

 2戦連続で予選で2台そろってトップ3を逃したレッドブルだが、ペレス4番手&フェルスタッペン6番手という結果は、前戦イタリアGPのフェルスタッペン7番手&ペレス8番手よりも、数字以上に大きく前進した内容だったと言える。

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