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JMS P.MU/CERUMO・INGING 2018スーパーフォーミュラ第4戦富士 決勝レポート

掲載 更新
JMS P.MU/CERUMO・INGING 2018スーパーフォーミュラ第4戦富士 決勝レポート

2018 SUPER FORMULA
JMS P.MU/CERUMO・INGING Race Report
第4戦富士スピードウェイ

◆7月8日(日)決勝
#1 石浦宏明 2位/#2 国本雄資 3位

キャシディ、石浦との一騎打ちを制してポール・トゥ・ウインでスーパーフォーミュラ初優勝

<決勝>
天候:曇り|コース状況:ドライ

 2018年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の決勝レースが行われ、JMS P.MU/CERUMO・INGINGは2台揃って表彰台を獲得。スタートで順位を上げた石浦は終始激しいトップ争いのすえ2位、国本雄資は巧みな戦略で順位を大きく上げ3位となった。

 目まぐるしく変わる天気に翻弄された前日から一転。決勝日の朝は昨日までに比べると落ち着いた空模様で、朝のフリー走行はドライコンディションで行われた。予選日まではウエットタイヤでの走行がほとんどだったため、どのチームもスリックタイヤでのマシンセットアップはこの30分の間に進めなければならない。
 
 JMS P.MU/CERUMO・INGINGの2台は、国本がソフトタイヤでのロングランチェックを、石浦はセッションの後半からはミディアムタイヤの確認をしながら、それぞれ6番手、5番手でセッションを終え、決勝レースに向けた準備を進めていった。

 相変わらず朝からの雲は残っていたが、決勝レースのスタートが迫ってくるにつれだんだんと空の色も明るくなり、それに合わせて気温と路面温度も上昇。気温30℃、路面温度37℃という、この週末で一番高い数字を記録するなか、決勝レースがスタートした。
 
 3番グリッドの石浦を含め、上位4台がソフトタイヤでのスタートを選択。1コーナーでの混戦をうまく切り抜けて2番手に浮上した石浦は、トップを走るニック・キャシディ選手と約1秒の差で周回を重ねていく。上位2台だけが1分25秒台のラップタイムを連発し、毎ラップ1~2秒上回るペースで3番手以降を大きく突き放していった。

 一方、8番グリッドの国本はミディアムタイヤを選んでスタートに臨んだ。スタートダッシュを決め同じミディアムタイヤを選んでいた2台をかわすが、100Rで他車と軽い接触があり、ソフトタイヤを選んでいた10番グリッドの1台に先行を許してしまいオープニングラップを7位で終える。
 
 前方6台のソフトタイヤ組とのギャップを広げられないよう、追いかける展開でレースを進めていき、11周を終えたところでピットイン。ソフトタイヤに履き替えると、ここから44周というロングラップをソフトタイヤでこなしていくことに。 
 ピットアウト直後の暫定順位は10位だったが、タイヤ交換を済ませたドライバーのなかでは最上位で、ここからはピット作業を済ませていないドライバーたちとの“見えないギャップを削っていく戦い”となった。

 国本が後方でプッシュをしている間も、石浦とキャシディ選手によるトップ争いは、膠着状態が続いていた。2人ともソフトタイヤでロングスティントを戦う作戦で、勝負の行方はピット作業のタイミングにゆだねられた。
 
 35周を終えたところで、一足先にキャシディ選手がピットイン。視界がクリアになった石浦はソフトタイヤで最後の猛プッシュをかけ、その5周後にピットへ。タイヤ交換後、わずかにギアの入りが鈍り、いくらかのタイムをロスしながらコースへ戻った。
 
 さらにキャシディ選手もこの5周で猛チャージしていたことから、残念ながら逆転はならず。石浦は最後まで懸命にギャップを削っていったが、惜しくも2位でチェッカー。優勝を狙える速さがあっただけに悔しい結果ではあるものの、今季初表彰台獲得となった。

 早めのピット作業でプッシュを続けていた国本は、上位陣がピットに入るにつれて徐々にポジションアップ。全車がピット作業を済ませた時点で3番手まで順位を押し上げていた。しかし前を行く石浦との差は大きく開いていたため、終盤はタイヤマネージメントを意識してペースコントロール。ポジションキープでチェッカーを受け、こちらも今季初表彰台獲得となった。
 
 2台揃っての表彰台獲得は、2016年の第7戦以来。この結果により、石浦はドライバーズランキング3位、国本は7位に、チームランキングはトップと僅差の3位につけることになった。
 
 シーズン折り返し地点のラウンドは2台揃って速さを見せ、大きな収穫を得るレースとなった。チャンピオンシップ連覇に向け、後半3戦もチーム一丸でさらに上位を目指す。
ドライバー/#1 石浦宏明
「今週はキャシディ選手がどのセッションでも速く、決勝前もセットアップに悩みました。自分たちは、タイヤが少し消耗してきた辺りでのクルマのバランスがよさそうだったので、周りが(タイヤを消耗して)つらくなってくるところで勝負ができるようにと考えてレースを進めました」

「キャシディ選手がピットインした後の数周でプッシュはしたものの、そこでギャップを削れなかったことで勝負がついてしまいました。悔しい結果ではありますが、速さを見せることはできましたし、シーズンを考えてもまだチャンスはあります。チャンピオンシップに対しても、今日の表彰台獲得で踏みとどまれたと思います。残り3戦、勝負していきたいです」

ドライバー/#2 国本雄資
「スタートタイヤは悩みましたが、ミディアムタイヤにすると決めました。そうすると、前半のスティントで同じタイヤでスタートしたメンバーのなかで最上位にいなければならず、そのためにはスタートで前に出ないといけないと考えていました。スタートは完璧に決められたし、きちんとミディアムタイヤ勢でトップに立てたのが、表彰台圏内までポジションを上げられた大きな要因だと思います」

「ソフトタイヤで長い距離を走ることになりましたが、ピット作業のタイミングも良く、誰もいない場所で常にプッシュできました。最後の10周ぐらいは、前に追いつけるほどのギャップでもなかったですし、タイヤに関しても最後までもつか不安な部分があったので、ペースをコントロールしながら走りました」

「バトルは少なかったですが、タフなレースでした。何とか3位を獲れたのは良かったですし、チームにも感謝しています。次のもてぎでも、きっちりとポイントを獲りたいと思います」

監督/立川祐路
「国本は戦略的にも狙い通りの結果に持っていけましたね。ソフトタイヤでかなりの周回数を走るという難しい作戦でしたが、国本がきっちりとこなしてくれました。石浦は、できればキャシディ選手の前に出したかったですが、相手も速かったですね」

「優勝できなかったのは残念ですが、今週は2台ともに速さがありました。悔しい気持ちはありますが、そんななかで最大限できることはみんなこなしました。チャンピオンシップを考えても次につながる戦いができたと思います。残り3戦で、チーム初のワン・ツー・フィニッシュを果たしたいですね」

総監督/浜島裕英
「国本は、ドライバーもエンジニアもメカニックも、すべてが良かったですね。アクシデントも何もなく走り切り、あそこまで順位を上げられて良かったです。石浦に関しては、相手も速かったですから、序盤で先頭に立てなかったことが優勝を逃した理由になると思います。とはいえ2台揃っての表彰台獲得は、欲張らずに言えば非常に良い結果です。次は2台でワン・ツー・フィニッシュですね。チャンピオンシップも連覇に向けて頑張りたいと思います」

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