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お金があっても権利なし! フェラーリの頂点「ワンオフモデル」を作ってもらうための「果てしない」道のりとは

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お金があっても権利なし! フェラーリの頂点「ワンオフモデル」を作ってもらうための「果てしない」道のりとは

 この記事をまとめると

■フェラーリにはブランドの頂点に君臨するワンオフモデルが存在する

「フェラーリ」と「ランボルギーニ」はガチライバル? 2社の気になる販売台数を比べてみた

■ワンオフモデル製作は顧客ヒエラルキーの頂点にいるVIPにオファーが来るらしい

■VIPになるにはプロダクションモデルやスペチアーレを何台も購入する必要がある

 じつは多くのラインアップを有しているフェラーリ

 今回は、フェラーリのモデルラインアップの頂点に位置する「ワンオフモデル」の話をしようと思う。その前に、まずはフェラーリが生産するモデルのピラミッドの解説から。ここ最近モデルラインアップを急速に拡大しているフェラーリだけに、ここを一度整理しないと、頂点たるワンオフモデルにたどり着くことも難しくなる。

 まずは誰もがお金を用意して、納車の順番を待てば購入することができる、いわゆるプロダクションモデルといえるのが、日本仕様においては3リッターのV6エンジンをミッドに搭載する「296GTB」、3.9リッターのV8エンジンがフロントに搭載される2+2GTの「ポルトフィーノM」、同エンジンを使用するやはりFRの「ローマ」、さらにその3.9リッターV8エンジンを100馬力強化してミッドに搭載する「F8トリブート」で、ここまではすべてツインターボ仕様。さらに4リッターのV8ツインターボエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせた「SF90」が780馬力で用意され、ここまでがV6&V8シリーズとなる。

 一方、伝統のV12モデルは、そのライフタイムも残りわずかと噂される「812」が6.5リッターのV12自然吸気エンジンを搭載してラインアップされているのみ。さらに、クーペやオープン、右/左ハンドルの選択などが可能なモデルもあるので、プロダクションモデルのラインアップは驚くほどに幅広いというのが第一印象だ。

 しかもこれに、たとえばV8ミッドシップならばシリーズ末期に追加設定される、運動性能をさらに高めることにフォーカスしたスペシャルモデルや、あるいは「F40」、「F50」、「エンツォ」、「ラ・フェラーリ」のような生産数を限定した(F40の場合は厳密な限定数はなかったが)モデルが登場し、これらのクルマはそれまでのフェラーリ車の所有歴などからフェラーリ自身によってオーナーが決定されることも珍しくないのだ。これらのモデルを新車でフェラーリから購入できるようになるまでにも、カスタマーには相当な努力が必要となる。

 2018年には、フェラーリの新たなプログラムとして、彼らがレースの世界でさまざまな勝利を獲得した1950年代や1960年代の黄金期を彷彿させるスタイリングとパフォーマンスを、現代の最新技術で再現させるプログラムともいえる「イコナ・シリーズ」もスタートした。ファーストモデルとなった「SP1」と「SP2」は、いずれも1950年代のフェラーリ製レーシング・バルケッタを想起させるデザインが魅力。

 そして先日誕生した「SP3」は、1960年代のスポーツプロトタイプ「330 P3」にもっとも大きな影響を受けたと考えられる、いずれも限定車である。これらもまたオーナーは、おそらくフェラーリ自身の選択するところであり、購入に名乗りを上げたカスタマーのなかには、残念ながら「完売」という発表の前に涙を呑まなければならない者も多くいたことは想像に難くない。

 ワンオフモデル製作はフェラーリから選ばれた者のみが可能となる

 そして、フェラーリの頂点にあるのが、カスタマーからフェラーリにワンオフモデルの製作を依頼するという、これ以上の贅沢はないプログラムだ。もちろんオーダーをできるのは、フェラーリから選ばれし者のなかからさらに選ばれた人物であることは言うまでもない。

 ワンオフであるから、それは将来的に再び生産されることはないという約束が両者の間で交わされるのはもちろんのこと、フラヴィオ・マンゾーニ率いるフェラーリのデザインチームとカスタマーは、何回にもわたってデザインに関してのディスカッションを重ねるという。

 ここから先はあくまでも予想でしかないが、フェラーリのデザインチームでは、あらかじめワンオフのオーダーに対応するための原案をいくつか用意しているという話もあるし、また、カスタマーのアイディアをもとにまったく新しい発想を得ることもあるという。たとえば過去の歴史を彩ったフェラーリの現代版。あるいは映画や芸術品の中でのフェラーリ。カスタマーの要求はさまざまだが、これまでにフェラーリがその夢を現実とすることを諦めたことはない。

 ちなみにこのワンオフ・プロジェクトから誕生した第一号車は、日本の著名なコレクターがオーダーした「SP1」で、何と氏はオリジナルのカタログまで製作している。

 興味深いのは、やはりワンオフ製作のために必要な費用だろうか。これもあくまで想像上の話だが、それは数億円という単位になるという噂である。

 フェラーリのワンオフ製作に至るまでの長い道。それに並ぶことができるだけでも、大きな時間と資金が必要になることが、少しはイメージできただろうか。そのプロジェクトがスタートして10年、その最新作は日本仕様からラインオフした「GTC4ルッソ」のプラットフォームをベースとした2シーターV12クーペの「BR20」。じつに素晴らしいフィニッシュを感じさせる一台である。

 まずはプロダクションモデルのフェラーリを何台も購入し、そして限定モデルを購入することができる権利を手に入れ、そしてさらなる信頼を得れば、もしかしたらフェラーリから「ワンオフモデルを作らないか」との問い合わせがあるかもしれない。

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