■オートキャンプは普通のキャンプとどう違う?
新型コロナ禍においても、密を避けて楽しめるレジャーとして、すっかり人気が定着「アウトドア」。
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とくに近年は「キャンプ」への注目が集まり、なかでもクルマを利用した「オートキャンプ」の人気が沸騰中です。
これからオートキャンプに出かけようと考えていながら、いったい何を用意して、どうすればいいのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、実際にクルマを使ってキャンプをしている人に魅力や楽しみ方、注意点などを聞いてみました。
オートキャンプとは、本来はクルマで目的地まで移動してキャンプをすること全般を指すのですが、最近ではテントを設営するすぐそばまでクルマで行くスタイルも含まれます。
「日本オートキャンプ協会」の調べによると、全国で860万人まで増えたオートキャンプ参加人口は、コロナ禍の外出自粛によって2020年は約3割減少の610万人となっています。
ただ日帰りを含む国内旅行者数が約5割減少だったこと考慮すると、オートキャンプの利用者数の減少幅が少なかったともいえます。
個人や家族などの最小単位ごとにソーシャルディスタンスが確保しやすいとして人気に火がついたアウトドアレジャーは、クルマで移動することによって他者との接触が少なくなるのが大きなアドバンテージです。
新型コロナウイルスの感染者が高止まりしているなか、密を避けられるオートキャンプ人気はこれまで以上に人気が高まりそうです。
そんなキャンプの魅力は、テントを設営して自然のなかで自由な時間を過ごせることにあります。しかしどこでもキャンプができるというわけではないのが現状です。
一般的な公園は「都市公園法」で管理や基準が定められており、この法律の第11条には「公園を損傷したり汚損する行為」「植物の伐採や採取」「土石や竹木などを積み上げる行為」「ほかの人が公園を利用するのに著しく支障が出る行為」が禁止されています。
キャンプ自体は禁止されてはいないものの、各地域の条例によって火の使用が禁止されていたり、居住する(=寝泊まりする)行為が禁止という場合もあります。
また行楽地として人気の伊豆半島などは、人間の安全と自然環境保持を理由に海岸の一部にキャンプ禁止区域が設けられるなど、自由にテントを張ることができません。
結果として、テント設営が許可されているキャンプ場やオートキャンプ場の敷地内で楽しむというのが問題なくキャンプを楽しむ方法になっています。
しかし昨今のオートキャンプの人気は非常に高く、人気のオートキャンプ場は数か月以上も予約がいっぱいというケースもあります。
早めに予約を入れるか、多少クルマからは距離がありますが、駐車場から借りたフィールドまで荷物を持っていって“普通のキャンプ”をするということも考えたほうが良さそうです。
※ ※ ※
ちなみに、日本オートキャンプ協会によると「1年でキャンプに行く回数」は平均4.6回。「年間でキャンプ場に泊まった宿泊数」が平均6.1泊ということは、1泊か2泊程度のキャンプを複数回楽しむ人が多いようです。
■オートキャンプの魅力や楽しみ方は?
通常のオートキャンプ場は、駐車したクルマとテントが設営できる1区画を宿泊したい日数に合わせて料金を支払うシステムです。あとは共同の炊事場やトイレなどが設置されており、テント内か車内で宿泊するスタイルが基本になります。
実際にキャンプを楽しんでいるユーザーは、オートキャンプのどのあたりに魅力を感じるのでしょうか。
年に数回は家族とともにキャンプを楽しむという東京都にお住まいのTさん(50代・男性)に話を聞いてみました。
「キャンプの基本は、極論ですが『不便さを楽しむ』ことにあります。
ホテルや民宿に泊まれば寝る場所は確保されていますし、食事も用意されています。
そこをあえて自分たちでテントを設営し、食事も作ることから始めることによって、食事のありがたさや普段の生活の便利さをあらためて知ることも経験になるのが魅力だと思います」
実際、豪華なテントなどが設営されて手軽にキャンプ気分が楽しめる「グランピング」は新しいスタイルとして注目されていますが、「興味がある」という人は27.9%しかおらず、「興味がない」は60.8%となっています(日本オートキャンプ協会調べ)。
このあたりにも「自分たちですべてを準備する」ことがキャンプの醍醐味なのがよくわかる数字です。
そんななかでも、Tさんいわく「料理」はキャンプでのメインイベントだといいます。普段作らない料理をアウトドアな環境で作る楽しさがあるのだそうです。
「しかし調理器具やコンロ、鍋などは大きく重量も嵩張ります。テントの脇に荷物を積載したクルマを置ければ、移動も少なくて済み時間も有効に使えます」(キャンプ愛好家 Tさん)
また、テントを設営するにせよ車中泊するにせよ、欲しい装備が「タープ」です。手軽に設置でき日差しや雨風を防いでくれる人気グッズですが、クルマがテントのそばにあるとさらに設置しやすいそうです。
確かに現在のキャンプでは、タープの下に低めのテーブルやチェアを設置し(「ロースタイル」と呼ばれています)、食事や会話などを楽しむのが主流になっています。
「キャンプではテントや車内は寝るところで、リビングが外だと考えればわかりやすいと思います。
そのリビングを快適に過ごす空間にしやすいということも、オートキャンプが人気になっている理由のひとつだと思います」(キャンプ愛好家 Tさん)
あとは自分でキャンプ用具を揃えるというのも、モノ好きにとっては魅力のひとつ。そのためにも多くのグッズを運べるクルマは、いまどきのキャンプにとって欠かせない相棒なのかもしれません。
またTさんがキャンプに出かける目的のひとつがカヤックです。アウトドアスポーツやレジャーは道具が大きく、その点からもクルマは欠かせない存在。
Tさんも愛車のミニ「クロスカントリー」にキャリアやルーフボックスを設置し、カヤックやキャンプ用具を大量に積み込んで出かけています。
やはりこういったアウトドアの趣味を楽しめるのもクルマがあってこそだといえます。
「不便さを楽しむとはいいましたが、体力を必要以上に使うこととは違います。
キャンプを楽しむにはクルマも道具のひとつとして活用しますが、初めての人はまずはバンガローやコテージを借りてクルマで出かけるところから始めてみても良いと思います」(キャンプ愛好家 Tさん)
※ ※ ※
最近では1人で気軽に楽しむ「ソロキャンプ」の人気が高まっており、おひとりさまに最適な軽キャンピングカーや軽自動車用タープなどグッズも豊富です。
道具を一式揃えなくても楽しめる環境も整備され、オートキャンプ人気は当分続きそうです。
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