10月14日に発表された新型「レクサスLX」と、そのもとになる新型トヨタ「ランドクルーザー」との技術面の違いを世良耕太が解説する。
パワステに違いアリ!
レクサスのフラッグシップSUV、LXがフルモデルチェンジによって新型に移行した。10月7日にフルモデルチェンジして新型になったミドルクラスSUVの「NX」に続く、次世代レクサス第2弾の位置づけである。サウジアラビアとアラブ首長国連邦で初公開のイベントをおこなうところに、このクルマがメインとするターゲット層が想像できる。
レクサスの説明によれば歴代のLXは、1996年に発売した初代から築き上げてきた「『信頼性』『耐久性』『悪路走破性』をベースに、乗心地や静粛性を磨き上げることで、世界中のあらゆる道での運転に耐えうる運動性能と、上質な乗心地を両立するLEXUSのフラッグシップSUV」として好評を博しているという。こうした特性に磨きをかけたのが3代目にあたる新型だ。
技術の基本は今年8月2日に発売された新型トヨタ・ランドクルーザー(300シリーズ)と共有している。車体骨格は「GA-Fプラットフォーム」を採用した。ラダーフレームにボディを載せる構造は踏襲しながら、ボディ剛性を高めつつ、約200kgの軽量化を果たしている。ボンネットフードにフロントフェンダー、前後左右4枚のドアにバックドア、それにルーフをアルミニウム化したのはランドクルーザーと同様だ。ちなみにルーフのアルミニウム化はレクサス初という。
走りのクオリティは、運動性能だけではなく乗り心地も含め、車体骨格の剛性が大きな役割を果たす。いくらサスペンションがハイスペックでも、入力を受け止めるボディがやわだったり、入力の伝達経路に変曲点があったりすると、狙いどおりの味を出すことはできない。
新型LXではスポット打点増し打ちやドアオープニングまわり、フロアへの構造用接着剤の最適配置などによってねじり変形の低減をおこなったという。この結果、オフロード性能だけでなく、オンロードでの操舵応答性や手応え、リアのグリップ感と優れた乗心地といった、“レクサスらしい走りの質感”を確保したという。とはいえ、“トヨタ”との違いは実際に乗らないとわからないが……。
フロントはハイマウントタイプのダブルウィッシュボーン、リアはトレーリングリンク車軸式(リジッド)としたサスペンション形式は、新型ランドクルーザーとおなじだ。操縦安定性に関連するハードウェアで異なるのはステアリングのアシスト方式である。ランドクルーザーは油圧パワーステアリングを基本に、電気式の操舵アクチュエーターを組み合わせた構成。一方、レクサスLXは電動パワーステアリングを採用する。
よりヘビーデューティーな使われ方に軸足を置いたランドクルーザーは、そうした使われ方に対して適性の高い油圧式を踏襲。操舵時のドライバーの負担を軽くする狙いと、ステアリングアシストなど運転支援系の機能を実現するために電気式の操舵アクチュエーターをくわえた格好だ。
一方、レクサスLXは低速時の取りまわしの良さ(軽い操舵力で操作できる)や、オフロードやオンロード、低速や高速など、走行状況に応じてアシスト力をチューニングしやすい自由度の高さを買い、電動パワーステアリングを選択したのだろう。
パワーユニットはランクルとおなじ
エンジンはV35A-FTS型の3.5リッターV型6気筒ツインターボのみの設定だ。これに10速ATを組み合わせる。新型ランドクルーザーはガソリンのV35A-FTS型に加え、ディーゼルのF33A-FTV型、3.3リッターV型6気筒ツインターボも設定する(両ユニットとも10速ATとの組み合わせ)。LXがガソリンエンジンのみの設定としたのは、実用性の高さを重視するか、ラグジュアリーなムードを大切にするか、といった、ブランドのコンセプトの違いを反映してのことだろう。
305kW(415ps)の最高出力と、650Nmの最大トルクはランドクルーザーが搭載するユニットとおなじだ。先代LXは5.7リッターV型8気筒自然吸気ガソリン・エンジンを搭載しており、最高出力は277kW(377ps)、最大トルクは534Nmだった。出力/トルクは新型の3.5リッターV6エンジンのほうが上まわっており、典型的な過給ダウンサイジングのコンセプトを取り入れたのだ。オートマチックトランスミッションの多段化(8速→10速)と合わせ、よく走って燃費がいいパワーユニットになっているものと推察できる。
使用環境に応じて車高を調整するAHC(アクティブハイトコントロールサスペンション)や、路面や走行状態に応じて減衰力を制御するAVS(アダプティブバリアブルサスペンションシステム)、それに、路面状況に応じてブレーキ油圧や駆動力、サスペンションを統合制御するマルチテレインセレクトは、新型ランドクルーザーと共有する。従来はドライバーが自ら走行シーンに応じたモードを選択する必要があったが、新型LXは走行シーンに応じたモードを自動的に選択する「AUTO」がくわわっており、このAUTOはレクサス初採用になる。
車両周辺の状況を前後左右に搭載したカメラで映し出すマルチテレインモニターも、新型ランドクルーザーと共有する技術だ。ランドクルーザーでは、フロント画面を表示中に車両を停止させ、画面内のスイッチを押せば、直前に撮影された過去の映像を床下透過映像として映し出す「アンダーフロアビュー」に、後輪周辺をクローズアップして大きく表示する機能を追加したのが、オフロード走行時におけるサポート機能のハイライトだった。
12.3インチディスプレイに映像を表示する新型レクサスLXでは、これらの機能に「バックアンダーフロアビュー」と呼ぶ新機能を追加した。世界初採用の技術で、後退時に手前で撮影された過去の映像を合成することで車両を疑似的に透過し、後輪付近を表示。車両後方の障害物との位置関係の把握や、後輪と路面の確認を支援する。レクサスのフラッグシップSUVだからこその、先進的かつ親身な機能の付加である。
内外装のデザインこそLXとランドクルーザーで大きく異なるものの、“中身”はそれほど大きな差がないことがわかる。
ただし、現時点では明かされていない細かい差はもっとあるはずだ。今後のアップデートに注視したい。
文・世良耕太
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