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ついにEVで復活する「ハマー」! デカすぎるSUVはなぜ日本で売れまくった? 常識を打ち破った功績とは

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ついにEVで復活する「ハマー」! デカすぎるSUVはなぜ日本で売れまくった? 常識を打ち破った功績とは

「強いアメリカ」を象徴する無骨で巨大なSUV

 2000年代の初頭、日本市場で巨大SUVとして知られる「ハマー」が大きなブームを呼んだ。このハマーとはアメリカの自動車メーカーであるAMゼネラルが軍事用の「ハンヴィー」を一般向けとして販売したモデル。当時、映画スターでもあり元カリフォルニア州知事であるアーノルド・シュワルツェネッガーの愛車として数多くのメディアに取り上げられた。そのCM効果が功を奏し、ハマーは一躍人気モデルとして世界中で認知されることとなる。

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シュワちゃんや大物ラッパーたちが火をつけたハマー・ブーム

 この「H1」と呼ばれるモデルは武骨さが売りでもあり魅力でもあった。軍事車両のイメージを色濃く残し、贅沢な装備を廃した潔さは「強いアメリカ」に憧れるマニアたちを魅了した。その後、1998年にGMがAMゼネラルからハマーブランドを買収し、H1と呼ばれるハマーに加え、快適な装備を与えた「H2」、さらにはボディをコンパクト化した「H3」をリリース。あまりにも簡素な装備では……とH1の購入に二の足を踏んでいたユーザーたちは、このH2やH3に飛びつき、その人気は日本へも伝播したのである。

 当時、アメリカンカルチャーの中心を担った有名ラッパーたちがハマーH2に乗ったこともブームに拍車をかけ、日本でも悪路を走るSUVではなく、巨大な高級SUVとして販売台数を伸ばして行った。

 そのスタイルはシボレー「インパラ」などが中心となっていたローライダー文化と融合したことで新たなユーザー層を築き、当時のアメ車イベントでは欠かせない存在へと成長していく。大径のホイールやLEDライト、重低音を響かせるウーハーなどを組み合わせたスタイルが定番化し、ブーム後期には跳ね上げ式のシザーズドアへとカスタムされたモデルも数多く登場した。しかし、そのブームもGM社の凋落とともに縮小化を見せ、中国の騰中重工がハマーを買収することを計画したものの頓挫してしまう。最終的にはハマーは譲渡先を見つけることができず、惜しまれながらも生産を中止したのである。

ラグジュアリーSUVとして日本でもヒット

 時代に翻弄されたハマーだが、その存在感はいまだに薄れてはいない。ハリウッドで製作されるアクション映画では、必ずと言っていいほどH1(M998)が登場する。軍用車としての存在感は秀逸で、強いアメリカを演出するには欠かせないアイコンになっているようだ。

 ちなみに、このH1にはハードトップモデルとピックアップトラックが用意され、エンジンにはGM製の5.7/6.5LのV型8気筒ディーゼルターボエンジンが搭載されていた。ボディサイズは全長4686×全幅2197×全高1955mmとなり、国産の4tトラックと同等の車幅ということになる。

 そのH1からの派生モデルとして2002年から2009年まで製造されたH2はシボレー・タホをベースとし、スタイルこそH1に酷似していたものの全長5180×全幅2180×全高2070mmと全長が伸ばされ、車幅が少しばかり縮小されているのが特徴だ。乗用車としての快適装備が与えられたことで快適性は格段に向上し、H2は軍用車ではなくフルサイズのSUVとして高い評価を得た。日本にも数多くの車両が輸入され、なかにはリムジンへと改造されたモデルがセレブ達のパーティ用、リッチな送迎車として現在も活躍している。

 ハマーシリーズのなかでもっともコンパクトなH3は、2006年から2010年まで製造され、少数ながらも日本にも輸入された。小さいと言ってもそれはH1やH2に比較してのことであり、全長4720×全幅1980×全高1910mmは大型の国産SUVと同等のレベル。巷では「ミニハマー」と呼ばれることも多かったが、ディメンションを見れば決して小さなクルマではないことがわかるはずだ。

日本人のSUVへのサイズ感を世界水準に拡大してくれた

 栄枯盛衰……。時代に翻弄されてしまったハマーだが、その功績は大きい。日本という小さな島国でもフルサイズのSUVが走れることを証明し、巨大化する国産SUVを購入しようと考えたときに「ハマーに比べれば小さいよね」という安心感を与えてくれた。日本人の既成概念を打ち破り、SUVに求める定義をワールドレベルへと押し上げてくれたハマーだが、日本国内には数多くのH2が生き残り、現役として活躍している。

 ハマーというブランドが消滅した今、新車で手に入れることは叶わぬ夢になってしまった……と嘆いていた人も多いと思うが、なんと2020年に、GMCブランドからハマーがBEV(バッテリー式電気自動車)として復活を遂げることが発表された。

 環境に配慮した新型ハマーは「ハマーEV エディション1」と呼ばれ、フレキシブルプラットフォームにEV用バッテリー「アルティウム」を搭載する。その最高出力は830psを誇りながらも、連続航行距離は300マイル(約482km)とされている。堂々としたスタイルはH1、H2のイメージを踏襲しながらも近未来を予感させるデザインとなり、世界最強のSUVとしての威厳が漂う。

 デリバリーは2023年からと予想され、約10年という空白の時を経て世に放たれる新型ハマー。その存在感はH1のデビューを越えるセンセーショナルなものであり、新たな時代を担う強きアメリカの象徴として栄華を極めるに違いない。

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みんなのコメント

9件
  • 田舎じゃ停められる土地はあっても、そこまで入っていけないサイズ・・・
  • 渋谷のスクランブル交差点をイキッて流すための車
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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