GT3カーの“世界一決定戦”として8月23~25日に開催される2019第48回サマーエンデュランス『BHオークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レース』。このレースに2度のF1王者、ミカ・ハッキネンが参戦することになった。ハッキネンが鈴鹿10時間への参戦を決めたのは2017年の鈴鹿ファン感謝デーで鈴鹿サーキットを訪れたことと、2018年のF1日本GPで20年ぶりに鈴鹿をドライブしたことがきっかけだったという。
ハッキネンは1991年にロータスでF1デビュー。1993年の終盤3戦からマクラーレンに加わると、1997年最終戦で初優勝。1998~99年には2年連続でチャンピオンに輝いた。
鈴鹿10時間にミカ・ハッキネン&マクラーレンが参戦! 久保田克昭&石浦宏明とトリオ結成へ
またハッキネンは、7度のF1王者、ミハエル・シューマッハーと幾度となくライバル対決を繰り広げ、F1界を大いに沸かせた。2002年でF1を引退後は、ラリーやDTMに参戦。そして、2007年にレースキャリアを終えた。
そんなハッキネンが2019年の鈴鹿10時間に参戦。マシンはマクラーレン720S GT3、パートナーは全日本F3選手権で活躍するジェントルマンドライバーの久保田克昭と、二度のスーパーフォーミュラ王者、石浦宏明という豪華メンバーだ。
モビリティランドは、4月20日にスーパーフォーミュラ第1戦が行われた鈴鹿サーキットでメディア向けの会見を開き、ハッキネンの鈴鹿10時間参戦に至った経緯を山下晋代表取締役社長が説明した。
「我々とハッキネンさんとの間で、『レースでないの?』という話を一昨年からしていました。ハッキネンさんが(2018年に)鈴鹿を走ったことによって、やっぱり鈴鹿サーキットでもう一度レースをしてみたいと思ったということです」と山下社長。
「もうひとつの理由は、彼は鉄板焼きが大好きで、我々には非常に強い武器として松坂牛と伊勢海老、アワビがあります。それにつられてレースに出ることになったのかもしれません」
「そういった要素があり、ハッキネンさんとしてはマクラーレンのアンバサダーも務めているため、鈴鹿10時間ならマクラーレンのGT3カーで出られるかもねという話になりました」
「ただ、我々はレース主催者でレースに参加する立場ではないので、どなたかがハッキネンさんと組んで、一緒になって出場してくれると嬉しいなというところがあり、我々としては久保田さんが適任だと思い、東京オートサロンの会場で久保田さんとのお話がはじまりました」
「その結果、F1ワールドチャンピオンであるミカ・ハッキネンさん、日本のトップジェントルマンドライバーの久保田さん。そして、現役のトップドライバーである石浦さんという、それぞれのトップドライバーが3人集まった夢のようなチームが出来上がることになりました」
「(ハッキネンが鈴鹿10時間に参戦する)最初のきっかけを作ったのは我々ですが、そこに至るまでにしっかりと整えてもらったのは久保田さんのおかげです。久保田さんのご協力なくしてハッキネンさんの参戦はありえなかった。我々としては久保田さん、ハッキネンさん、石浦さんのチームが鈴鹿10時間にエントリーしていただくことは大変ありがたいことです」
■ハッキネンの「鈴鹿でもう一度走りたいという気持ちを感じた」と久保田
会見には、ハッキネン、石浦とともに鈴鹿10時間を戦う久保田も出席。「一言で言うと、とんでもないことになってしまったというのが感想です」と参戦までの経緯などを次のように語った。
「モビリティランドさんから(ハッキネン参戦の)打診いただき、私は今までプロフェッショナルが乗るレースには参加してきませんでしたが、自分も今年で58歳で、これから先レースで乗れる時間も限られてくるので、(鈴鹿10時間参戦は)最後のチャンスかなと思いました。しかも、F1ワールドチャンピオンのミカ・ハッキネンさんと一緒にマクラーレンで走れるということで、ぜひやらせてくださいということを返事しました」
「ミカさんとは一度東京でお会いして話しました。本人もレースに対して真剣な思いを持たれていて、よほど鈴鹿でもう一度走りたいという気持ちがあったんだろうなというのを感じることができました」
「石浦選手も通常であればトヨタのクルマにしか乗れないドライバーだとは思うのですが、たまたまトヨタさんからOKが出まして、鈴鹿10時間に参戦できることになりました。本当に今回は幸運だったと思います」
「私は現役の方に比べたら遅いのですが、できるだけみなさんの迷惑をかけないように精一杯努力します」
なお、ハッキネン、久保田、石浦のトリオで参戦するチーム名やマシンカラーについては決まり次第発表するとのことだが、チームの機材、メカニック、エンジニア、車両メンテナンスに関してはスーパーGTに参戦するGAINERが担当することが明かされた。
2019年の鈴鹿10時間は、ヨーロッパのワークス格チームやスーパーGT GT300クラスのチームとともに、F1王者とスーパーフォーミュラ王者を擁するドリームチームが、レースを大いに盛り上げてくれそうだ。
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